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大切な家族とのだんらん

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『薫、ちょっとこれ手伝って』


『こんなの俺1人で持てるから。貸してみ』


『ありがとう、助かる』


普通の一般家庭のリビングでのやり取り。


お母さんとお兄ちゃんの会話。


休日の夕食どきには、お母さんの作ってくれる美味しい食事が食卓に並ぶ。


『薫ちゃん、つまみ食いはダメだよ』


『母さんの唐揚げは揚げたてが1番だからな』


ニコニコしてそう言ったのは、私の兄の優木 薫(ゆうき かおる)だ。


181cmのガッチリとした大きな体でアツアツの唐揚げを頬張る。


29歳だけど、その姿はちょっと子どもみたいだ。


短めのツーブロックのアップバングスタイルで、かきあげた感じの前髪。


実は…ちょこっとモデルの仕事もしてて、そこそこイケメンだったりする。


私はと言うより、周りが薫ちゃんを男らしくてカッコいいって持ち上げてくれてる。


確かに、性格は見た目通り男らしいのかも知れない。


お父さんが亡くなってから、ずっと父親代わりみたいにお母さんと私を大事にしてくれて。


特にお母さんは薫ちゃんをものすごく頼りにしてきたから…


だから、自然に男らしくなったんだと思う。


普段は企業への営業担当として広告代理店に勤務してて、そこそこ成績も良いみたいだ。


明るくて話も上手いからかな。


『鏡子ちゃんは元気?また連れてらっしゃいよ』


お母さんが大量の唐揚げを揚げながら言った。


『ああ、元気だよ。最近、モデルの仕事忙しいみたいだからな。この前、母さんの唐揚げ食べたいって言ってたな』


『まあ、嬉しいわね。だったら、今度鏡子ちゃんのためにとびきり美味しいの作っちゃうわ』


『お母さん、鏡子さんのこと大好きだもんね』


優木 晶子(ゆうき まさこ)、57歳、私の大切なお母さん。


162cmで意外と和風美人?


メガネをかけてて、ショートカット。


性格は薫ちゃんと一緒で明るくて優しい。
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