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うららかな春、「憧れ」の人との再会

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晴月 千隼(はづき ちはや)先生、今は…30歳だな。


180cmはある細身の長身、足が長くてモデルさんみたいなスタイル。


グレーのスーツ姿にオシャレなネクタイが似合い過ぎて、上から下までどこにも欠点がない。


ナチュラルショートで、少し長めの前髪を軽く下ろしサイドに流れをつけてる。


綺麗な二重の瞳に鼻筋がスっと通って、きっとどこにいても目立つ、周りを魅了して止まないであろう色気のある整った顔立ち。


性格も、昔から変わってなければいつも冷静で優しい人なはず。


とにかく頭が良くて、周りからは眉目秀麗の超秀才、天才、優秀…褒め言葉しか聞いたことが無かった。


『わ、私も仕事の仲間と…あ、こちらは私が以前お世話になった家庭教師の晴月千隼先生です』


美穂先輩と恭介君に紹介すると、


『はじめまして、晴月です。談笑されてるところに大変失礼しました』


と、丁寧に軽く頭を下げてくれた。


『あっ、いえ!わ、私は香山 美穂です。里桜ちゃんと一緒にお仕事させてもらってます』


美穂先輩、ちょっと緊張してる?


『はじめまして、碧川 恭介です』


千隼先生はニコッと微笑んで『じゃあ、連絡するから、また』とだけ言ってその場を去った。


千隼先生…


こんなところで出会うなんて…


また連絡するだなんて、きっと社交辞令だよね。


実家の番号くらいは知ってるかも知れないけど…


『ねえ!あの人、本当に里桜ちゃんの家庭教師だったの?』


美穂さんが前のめり気味に質問した。


『えっ、あ、はい』


『あんな超イケメンが!?』


『確かにすごくカッコいい人だよね。驚いたよ』


『勉強を見てもらってたのは千隼先生が20歳で私が15歳の時で。もう10年経ってるんですけど、正直、記憶の中の先生より大人っぽくなってて…私もちょっと驚きました』


『どれくらいの期間、見てもらってたの?』


恭介君が聞いた。
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