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第一章『それは、新しい日常』

第六話「邪龍」

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「冒険者にはFランクからSランクまであってね。それを管理してるのがギルドってわけさ」



「へー、ギルドかー。やっぱりあるんだな、そういうところ」



 俺たちは、雑談しながら順調に歩を進めていた。なんでこんな悠長に歩けてるかというと、昔はモンスターもいたらしいのだが、邪龍が現れてから、ここにはいなくなってしまったらしい。



 邪龍に会う前に、軽く戦って見たいと思っていたのにあてが外れたな。異世界戦闘はぶっつけ本番で邪龍と戦わなくてはならないのか。はたしてこの身体、どのくらい強いんだろうな。



 山を登り始めて、体感で2時間くらいだろうか。登山なんて経験は俺にはなく、ましてや、こうして長時間動き回ることは初めてだった。身体の疲労は全くないのだが、精神的な疲れが出てきている。



「なあ、いつになったら着くんだ?もうだいぶ歩いたぞ」



「もうほとんど着いたわよ。あそこに洞窟の入り口が見えるでしょ」



「あー、洞窟にいるタイプかー」



 お宝を守りつづけるドラゴン。まるでおとぎ話みたいだな。





「ユウキ、ドラゴン討伐は君がやらないか?」



「まさかだが... 俺だけでやれってことか? 」



「そのまさかだね、僕らが参加するとすぐ終わっちゃうだろうし」



 無茶をいうな、といいたいところだが...ふむ。

 自分の身体だから何ができて何ができないかはなんとなくわかる。その感覚からいうと、昔あこがれていたファンタジー世界の主人公たちのような動きは、だいたいできると踏んでいる。正直、今の俺ならいけなくもないんじゃないかと思う。

 この時俺は、調子に乗っていたのだろう。



 俺はその提案を了承した。





 洞窟の入り口にたどり着く。

 そのまま中に入ると、青白い光で満たされた道が続いていた。光源はないはずなのに、奥に進んでいっても何の問題もなく見ることができる。



 さすが、ファンタジー。二人がこの現象に驚きの声を上げないということは、これが普通なのだろう。ワクワクするな。







 しばらく道なりに進んでいくと、大きく開けたところが見えてきた。この先に邪龍がいる、そう確信したその直後。





「だぁ!!」



 何もないはずのところで、急に何かにぶつかった。予想外な衝突によって思いっきりおでこを強打し悶絶する。顔を上げて確認するも、やはりそこには何もない。



「ぷふっ、ねー、大丈夫?」



「お前今ちょっと吹き出したろ」



 リリィーが笑いをこらえようと必死になっている。





「これは... 封印結界だね。どうしてこんなところに? しかも、邪龍を封印するほどの強力なものだ。うちの王宮魔導師が束になっても作れないよ、こんなもの」



「どうするんだ。邪龍が封印されてるって、お宝も一緒にってことだろ」



「うーん、まいったなー」



 パチン



 パチン?



「はい、通れるようになったわよ。あ、でも結界の部分だけじゃなく封印も解けたから、予定通り邪龍討伐は頑張ってね」



「なあシオン、さっきのセリフもう一回言ってもらっていいか?」



「うちの王宮魔導師が束になっても作れないような代物...のはずなんだけどなー」



 それほど強力なものが指パッチンで消えたぞ。指パッチンで!



 勇者でさえ若干ひいていた。魔王こわっ。













 塞がれていた場所を通り抜けると、大きな広場みたいなところにでた。



 そこには先程と同じように、青白い光が洞窟を満たしている。ただし今回はそのきれいな風景には似つかわしくないものが混ざっていた。



 こいつが、ドラゴン!



 10メートル程あるのではないだろうか、とにかくデカい。体からは太い四肢が生えており、手足には鋭い鉤爪がついている。背中では膜質の翼が揺らぎ、ゴツゴツとした鱗からは無機質さを感じさせた。口からのぞかせる牙はなんでも噛み千切れそうだ。ドラゴンの鋭い眼光がこちらを射抜く。





「GYA"A"A"A"AA"AA"AAAAAAA」



 耳を塞ぎたくなるような咆哮が洞窟を揺るがした。



 お互いが敵だと認識した瞬間だ。



 ドラゴンの口から、チリチリと炎が吹き出し始める。



 いきなりブレスかよ!





「私たちは後ろで見てるからー」



「じゃあ、がんばって」





 口から吐き出された炎が扇状に広がってくる。



(スキル《火炎耐性》を発動しました)



 横に走りながら、なるべく火が薄いところへ身体を滑り込ませ、スキルの耐性を信じブレスが終わるのを待つ。



 ブレスが終わり炎があけると、ドラゴンの振るわれた腕がすぐ目の前まで迫っていた。どうやら炎で視界を塞ぎ、それを利用して攻撃してきたらしい。モンスターだと侮っていた。なかなか知能が高い。



 今から避けることは不可能なので、内臓がある箇所を腕でガードしながら、自ら後ろに跳ぶ。それでも衝撃を殺しきれずに吹っ飛ばされた。気持ち悪い浮遊感が身体を襲う。



 そのまま体制を立て直すこともできず、壁に突っ込んだ。そして、間髪入れずに尻尾を叩きつけてくる。



「うわっ」



 それをなんとか躱して、邪龍に向かって走りだす。



「この間合いじゃダメだ!相手の懐に入らねーとっ!」



 ドラゴン両手が俺を踏み潰そうと真上から襲ってきた。走っている状態から、更に倒れこむように踏み込んでドラゴンへ接近する。



(スキル《縮地》を獲得しました)



 後ろで物凄い音がした。



 振り下ろされた両手を置き去りに、そのまま走る速度を殺さず、ドラゴンの足下をスライディングで通り抜ける。



 この時点でドラゴンの後ろをとった。振り向こうとしてもその巨体じゃ遅い。それを隙と見るやいなや、ユウキはもてる身体能力を全力で使って、真上へと跳躍した。



 焦る必要はない。ドラゴンが振り返るまでまだまだ時間がかかる。今できる最大の攻撃をするんだ。



 空中で身体を捻って、洞窟の天井に足から着地。脚をたわめてグッと力を溜め込む。その力を解放してやり、ドラゴンのガラ空きの後頭部へと真っ直ぐに突っ込んだ。







「うぉっらあぁ」



 渾身の右ストレートが炸裂した。



(スキル《立体機動》《怪力》を獲得しました)



 バキッという鳴ってはいけないような音がドラゴンから聞こえた気がする。



 骨がいったんじゃないか?





 ドラゴンの巨体が徐々に徐々に倒れこんでいく。

 しかし途中、ドラゴンは倒れこみながらその大きな体を捻った。





 うそだろ!?





 ドラゴンが自身の体重を利用して、遠心力を生み出す。

 遠心力をのせた伸ばされた腕、その先にある鉤爪が宙に浮くユウキの身体へと迫った。



 空中で躱すすべはない。なにかしらのスキルがあれば話は違ったかもしれないが、ないものねだりだ。必死に身をよじる。



 鉤爪が身体の真横を通り抜けた。



 躱せた...?



 しかし、風圧でバランスを崩し、きりもみしながら落下していく。



 ドラゴンが倒れこむ音とユウキの落下音が重なった。

 さらに何か軽い落下音がユウキの隣で響く。



 なんだ?何が落ちてきた?









 右腕...?







 誰の...?























 俺のだ...



「ぐっ あ、ああぁあ"ぁあ"あ"」



 痛いいたい痛いいだいいた"ぁいっっ



 認識した瞬間、激痛が駆け抜け、頭の中が真っ白になる。自分の動機の音がやけにうるさい。右腕に意識を集中してみるがやはりあるはずのものがない。 混乱して上手く呼吸することができず、酸素を求め口を動かすものの、返ってきたのは声にならない声だけだ。視界はスパークし、先ほどから明滅を繰り返している。頭痛と吐き気が止まらない。





 失敗した失敗した甘かった。吹き飛ばされるくらいじゃ、この頑丈な身体にダメージがないから、全く痛くなかったが、部位欠損なんてすれば痛みがあるに決まってるじゃないか。なぜ、それを大丈夫だなんて思った。



 クソ クソ

 クソッ!



 痛みに意識を持っていかれそうになる。ダメだ、ここで気絶したら絶対に死ぬ!





































 突如、鈴の音がなった。



 え?



 誰かが俺の右肩に優しく手を置く。その瞬間、痛みが消えた。



(スキル《痛覚耐性》を獲得しました)



 千切れた傷口に何かが押し付けられる。見れば、とばされたはずの腕をくっつけようとしているらしい。



 いやいやいや、くっつくのか?これ



 身体全体が白い光に包まれ、今まで受けていた傷がみるみるうちに、消えていく。右腕も少しずつだが癒着しているみたいだ。怖くて動かせないけど。



(スキル《再生》を獲得しました)



 数十秒もすれば全てが元通りとなった。驚くことに身に着けていた装備までもが治っている。 



 置かれた手が肩から離れていく。誰が助けてくれた?

 魔法っぽいしリリィーか?





















 振り返ると、純白の少女がそこにいた。





 肌は一度も日焼けをしたことがないかのように白く、着崩した白のワンピースはどこか幼さを感じさせる。手入れがされていないボサボサの髪は腰まで伸びており、白に塗りつぶされている。こちらを見つめる瞳も、また色が抜けたように白かった。身長はシオンより少し低いくらいか。

 むすっとしたその顔は、どこか不機嫌なようにも見える。



「だ、誰だ...?」



「もう帰って...」



 それだけ言い残し、少女はユウキを通り越してドラゴンの方へと歩いていく。





 -----





「今の見えたかい?リリィー」



「ええ、突然現れたように見えたわ」



「うん、僕もだ」



「魔法の反応がなかったってことはスキルよね」



「初めてみたスキルだよ。何者なんだろうね、彼女は」



「得体の知れない人が昨日に引き続き二人も現れるなんて。ちゅっと、不気味」



 魔王は肩をすくめ、勇者は苦笑する。

 その顔は、二人とも何かに期待をするような、そんな顔だった。





 -----





 ドラゴンは無防備に近づいてくる"何か"を警戒し、唸り声を上げるが、少女が歩みを緩める気配はない。

 また一歩、また一歩という間に距離は縮まっていく。

 そしてついにドラゴンが、静寂に耐えられなくなり鉤爪を振りかぶった。それが、真正面から少女を突き刺す軌道で振るわれる。



 何を思ったのか、ふとこちらを振り返った少女と目が合う。







 ユウキは期待していた。



 この展開に。

 この結末に。

 

 彼女がただの人であるはずがない。

 

 自分でなんとかしてしまうのだろう、と。

 きっと







 だが、



 少女は動かない。



 動か―――



「クソッ」



(スキル《縮地》《痛覚耐性》《再生》を発動しました)



 《縮地》を使い、前に倒れこむようにして一気に駆け抜ける。間一髪、少女とドラゴンとの間身体を割り込ませた。背中に衝撃がはしり身体にドラゴンの爪が入り込んでくるのがわかる。





 鉤爪がユウキを背中から貫き、その勢いのまま少女も貫こうとするが、足を踏ん張りそれを止めにかかる。靴の裏にあるスパイクが嫌な音をたてながら、少女の数歩先で踏みとどまった。

 急停止により軽くたたらを踏むも、なんとか助けられたようだ。



「かはっ」



 口から血が出てくる。痛みはない。あるのは、異物が身体を占領する不快感だけだ。《痛覚耐性》によって痛覚が遮断されている。しかも、《再生》の効果で、身体は白煙を上げながら現在進行系で回復中だ。



 いきなりチートスキルが手に入っちまったな。







「何してるの...」



 呟かれた言葉は、ギリギリ拾える声だった。



「お前今、避ける気無かったろ...」



 呟きで返した言葉に、少女は目をそらすのみ。





 そこでユウキは一つため息をはいた。



(スキル《怪力》を発動しました)



 反転して軽く跳躍し、ドラゴンの腹に蹴りをかます。さっきの攻撃も本気だったが、今度はスキルも使っている。威力が違うのだ。



「せーのっ」



 ドラゴンが面白いように吹っ飛んでいき壁にぶちあたる。洞窟内が軽く揺れた。



 崩落なんかしない...よな?





 無理やりドラゴンの爪から抜け出したので、また身体がグロいことになっている。気持ち悪っ。



「せっかく直したのに...」



 後ろで何か聞こえたが、聞こえなかったことにする。するとまた肩に手を置かれた。身体が白い光に包まれ《再生》の効果も合わさり、先ほどの倍のスピードで回復していく。



「別にほっといても治るぞ?」



「そういう問題じゃない...」



 今度は俺が目をそらす番だ。



 確かに見ていて気持ちの良いもんでもないか。







 ......



「起き上がってこないな」



「気絶してる...」



 えぇ...どうすんだこれ。トドメ刺していいのか? しまらねー。



「別にほっとけばいい... 邪龍なんて呼ばれてるけど、この洞窟からでないから、邪魔にならない...」



「...お前今ボケたのか? 邪龍の"邪"は、邪魔って意味じゃねーよ。だったらなんで封印なんかしてたんだ?」



「仕事...」





 仕事ねー?



 まあ、いい。それよりもドラゴンが目覚める前に、お宝を探して持ち帰ろう。



 そこで、はたと気付く。あいつらどこに行った?



「あ、ユウキー、終わったかーい?」



 奥の方から、袋をパンパンにしてひきずってやってくる、シオンとリリィーが見えた。



「おいお前らまさか...」



「お宝はバッチリよ!」



 リリィーが胸をはって答えた。



 こいつら、俺が戦ってる最中にとりにいってやがった!!



「はぁ~」



  俺は天を仰ぎため息を吐いた。これから先が思いやられる。





「それでその子はどうする気だい?」



「俺に聞くなよ... お前はどうするつもりなんだ?」



 こういうのは本人が決めるものだ。少女に直接問いかける。しかし、こちらを見つめたまま、いつまでたっても返答は返ってこない。



「......」



「もうユウキがきめたら?」



「お前らめんどくさいこと全部俺に任せようとしてないか」



 そう言いつつ、もう一度少女に視線を戻すも彼女は依然こちらを見つめていた。





「はぁ、わかった。じゃあ、帰るぞ。こいつも連れてな」



 そう言って、頭を撫でるとされるがままになる。おーけーってことか?断ったりするかと思っていたが、案外あっさり付いてくるんだな。



 新しいお仲間、しかも同じ女性ということで嬉しいのか、リリィーがノリノリで話し始めた。



「よーし、そうと決まれば!それじゃあみんな、私の近くに集まって」



 ?



 意味がわからなかったが取り敢えずみんな指示に従う。



「〈テレポート〉!」





「は?」



「おぉ」



「...」



 身体が宙に浮くような感覚がしたかと思うと視界が切り替わる。そこはもう洞窟の中ではなかった。



(スキル《瞬間移動》を獲得しました)
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