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124 氷球

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124 氷球

「氷球」
悲しかった、とにかく悲しかった
世界が幸せに満ち溢れるようにと
毎夜にあれだけ光あれと乞い願い
暖かさで包まれるはずだったのに
凍てつく寒さが地吹雪を起こして
大地を北から山から覆い尽くした
悲しかった、とにかく悲しかった
陽光を浴びて濃緑色に輝いた葉も
全て変色して役に立たなくなった
私は暴風の中で葉を撒き散らして
なす術もなく立ち竦んで縮こまり
うとうとと新しい一年の夢を見る
私の洞に逃げてきた栗鼠のように
(opus124)
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