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29. 話題の美少女
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私は、ぶっちゃけ困ってる。
理由は、とあるタウン誌。
夏休み、まだ同じクランだった事もあって、生徒会長と行動を共にした日。
市内の各高校が集っての催しがあって、私は麗華先輩の城南高生徒会助っ人として同行してた。
県内大手のローカルタウン誌と新聞の取材も来ていて、私と麗華さん、後数人がタウン誌に読モ感覚で載っちゃってて。
「その辺のモデルより可愛いもの」
クラスでも評判になって。
で、他校でも噂になってるとかで生徒会にも問い合わせがあったんだ。『美少女生徒会』みたいなページだったし。
校門前には、変なカメラ小僧も出没してきて。
勿論、誌上には校名しか載っていない。名前は勿論連絡先だって。校名は、…何せ私達は制服姿で載ってるんだから丸分かり。隠す意味も無いから載ってたんだけど。
私立校だから、県内各地から生徒は来てる。私達は徒歩通学だけど、バスや電車の人、それに地方出身者の為の寮もある。県内各地の問い合わせ、友達伝手で私や麗華さんの事、SNSで拡散していく。
流石にクラスメートも、いえ他クラスも方も私達の名は伝えても住所や電話番号をバラす人はいなくて。
まぁ、徒歩圏内の自宅は直ぐに特定されてしまったけど、危ないストーカーはいない様で。
私ンチに突撃する輩は、今んとこいない。
いたら、即通報事案だけどね。
それはさておき、私だけが対象ならここまで困ってない。でも、通学や家の周りで見てれば分かる。
私とアキラとの関係。
SNSで、私が彼氏持ちって拡散してから、アキラの周辺も煩くなってきて。
「あんな奴より、オレの方が…」
いるんだよねー、変な自信過剰。
「夏希さんから手を引け!」
そんな手紙もアキラのトコにはいったみたい。
だから、友達に頼んで、私とアキラが幼馴染で中学の時には学校公認のリア充って拡散してもらう事に。
これで、落ち着いてくれないかなぁ。
体育祭の練習と『ロボット・マッチング・バトルアリーナ』のランクアップ。私は集中したいの。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「会長は落ち着いたの?」
「は?何の話?」
「こないだのタウン誌。『美少女生徒会』で評判になってるのよ」
書記が他人事みたいに。
貴女が、あの日外せない用事があるからって、悠木夏希ちゃんと代わったのがそもそもの原因でしょうに。
「私がいってたら、麗華1人で載ってたかもね」
「あのね」
雪菜だって充分美人の範疇に入る、私はそう思ってる。
「私、モテた事無いのよね」
自覚がない訳じゃない。
少なくとも、これまで告られた覚えは無い。
白鳥財閥の娘、理事長の孫娘。
学内では、憧れの対象ではあっても、恋愛対象にはならないらしい。そもそも、私に気さくに話しかけてくるのは雪菜くらいだし。
私が『交際中』って思ってる日高透も後輩の口調を崩してないし。『スレイプニル』のメンツも同様。
「あら?日高君とは、いい仲じゃなかったの?」
「私はそのつもりだけど、トール君、後輩口調だから」
「そういや、そうだ」
トールは母は勿論、理事長の眼鏡にも適ってる。元々、私の交際相手をとやかく言うつもりはなかったらしいけど、トールは生活態度も成績も、母達から見ても申し分無しって言ってたし。
「じゃあ、夏希ちゃんは」
「もうアイドル扱いね。他校からの問い合わせもあるみたい。それも県内各地」
確かに、彼女はヘタなアイドルよりも可愛い。
愛くるしい童顔なのに、スタイルはボッキュンボーン!悩殺出来る巨乳にも関わらず、羨ましい細さのウエスト。なだらかな腰回りから健康的ムチムチの太腿へと続いて。男子にとって理想的願望が実在してるって言えるんじゃないかな。
「お陰でアキラ君は嫉妬の対象」
見れば一目瞭然。あの2人がどういう関係か。
恋人同士っていうより新婚さんって思える程の親密さ。聞けば中学では、ほぼ学校公認リア充だったのだとか。
アキラ君も爽やか系イケメンって思うんだけどなぁ。左手を失ってる事、あまりハンデに見えないし。医者の息子だし。
『スレイプニル』にはショータ君という陽キャイケメンがいるから、女子の目は其方にいくみたいだけど、トールもアキラ君も充分モテる容姿って。
それでも「釣り合わない」って言われる程、夏希ちゃんが美少女なんだよね。しかも頭脳明晰、スポーツ万能。入試からずっと学年TOPの成績みたいだし、語学はもう学者並みって先生達も舌を巻いてた。運動も「何故帰宅部」って、各部主将から怨嗟の声が上がる程。
アキラ君曰く。
「ロボットアニメの再放送見る為です」
何でも筋金入りのロボットオタクだとか。
一歩処か思いっきり引く程ロボットアニメを目を輝かせて語るって言ってたし。
熱愛レベルじゃないらしい。病的だと。
中学で、「残念系美少女」って呼ばれたのは、そういう事だって。
まぁ、あの2人はこんなの乗り越えるでしょう。
理由は、とあるタウン誌。
夏休み、まだ同じクランだった事もあって、生徒会長と行動を共にした日。
市内の各高校が集っての催しがあって、私は麗華先輩の城南高生徒会助っ人として同行してた。
県内大手のローカルタウン誌と新聞の取材も来ていて、私と麗華さん、後数人がタウン誌に読モ感覚で載っちゃってて。
「その辺のモデルより可愛いもの」
クラスでも評判になって。
で、他校でも噂になってるとかで生徒会にも問い合わせがあったんだ。『美少女生徒会』みたいなページだったし。
校門前には、変なカメラ小僧も出没してきて。
勿論、誌上には校名しか載っていない。名前は勿論連絡先だって。校名は、…何せ私達は制服姿で載ってるんだから丸分かり。隠す意味も無いから載ってたんだけど。
私立校だから、県内各地から生徒は来てる。私達は徒歩通学だけど、バスや電車の人、それに地方出身者の為の寮もある。県内各地の問い合わせ、友達伝手で私や麗華さんの事、SNSで拡散していく。
流石にクラスメートも、いえ他クラスも方も私達の名は伝えても住所や電話番号をバラす人はいなくて。
まぁ、徒歩圏内の自宅は直ぐに特定されてしまったけど、危ないストーカーはいない様で。
私ンチに突撃する輩は、今んとこいない。
いたら、即通報事案だけどね。
それはさておき、私だけが対象ならここまで困ってない。でも、通学や家の周りで見てれば分かる。
私とアキラとの関係。
SNSで、私が彼氏持ちって拡散してから、アキラの周辺も煩くなってきて。
「あんな奴より、オレの方が…」
いるんだよねー、変な自信過剰。
「夏希さんから手を引け!」
そんな手紙もアキラのトコにはいったみたい。
だから、友達に頼んで、私とアキラが幼馴染で中学の時には学校公認のリア充って拡散してもらう事に。
これで、落ち着いてくれないかなぁ。
体育祭の練習と『ロボット・マッチング・バトルアリーナ』のランクアップ。私は集中したいの。
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「会長は落ち着いたの?」
「は?何の話?」
「こないだのタウン誌。『美少女生徒会』で評判になってるのよ」
書記が他人事みたいに。
貴女が、あの日外せない用事があるからって、悠木夏希ちゃんと代わったのがそもそもの原因でしょうに。
「私がいってたら、麗華1人で載ってたかもね」
「あのね」
雪菜だって充分美人の範疇に入る、私はそう思ってる。
「私、モテた事無いのよね」
自覚がない訳じゃない。
少なくとも、これまで告られた覚えは無い。
白鳥財閥の娘、理事長の孫娘。
学内では、憧れの対象ではあっても、恋愛対象にはならないらしい。そもそも、私に気さくに話しかけてくるのは雪菜くらいだし。
私が『交際中』って思ってる日高透も後輩の口調を崩してないし。『スレイプニル』のメンツも同様。
「あら?日高君とは、いい仲じゃなかったの?」
「私はそのつもりだけど、トール君、後輩口調だから」
「そういや、そうだ」
トールは母は勿論、理事長の眼鏡にも適ってる。元々、私の交際相手をとやかく言うつもりはなかったらしいけど、トールは生活態度も成績も、母達から見ても申し分無しって言ってたし。
「じゃあ、夏希ちゃんは」
「もうアイドル扱いね。他校からの問い合わせもあるみたい。それも県内各地」
確かに、彼女はヘタなアイドルよりも可愛い。
愛くるしい童顔なのに、スタイルはボッキュンボーン!悩殺出来る巨乳にも関わらず、羨ましい細さのウエスト。なだらかな腰回りから健康的ムチムチの太腿へと続いて。男子にとって理想的願望が実在してるって言えるんじゃないかな。
「お陰でアキラ君は嫉妬の対象」
見れば一目瞭然。あの2人がどういう関係か。
恋人同士っていうより新婚さんって思える程の親密さ。聞けば中学では、ほぼ学校公認リア充だったのだとか。
アキラ君も爽やか系イケメンって思うんだけどなぁ。左手を失ってる事、あまりハンデに見えないし。医者の息子だし。
『スレイプニル』にはショータ君という陽キャイケメンがいるから、女子の目は其方にいくみたいだけど、トールもアキラ君も充分モテる容姿って。
それでも「釣り合わない」って言われる程、夏希ちゃんが美少女なんだよね。しかも頭脳明晰、スポーツ万能。入試からずっと学年TOPの成績みたいだし、語学はもう学者並みって先生達も舌を巻いてた。運動も「何故帰宅部」って、各部主将から怨嗟の声が上がる程。
アキラ君曰く。
「ロボットアニメの再放送見る為です」
何でも筋金入りのロボットオタクだとか。
一歩処か思いっきり引く程ロボットアニメを目を輝かせて語るって言ってたし。
熱愛レベルじゃないらしい。病的だと。
中学で、「残念系美少女」って呼ばれたのは、そういう事だって。
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