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9.やって来た白鳥先輩
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俺達のクラスは『1- A』。
私立城南高校普通科クラス。別名『商業科』。
何故なら『3- A』は就職組で固められたクラスだから。1、2学年はその辺の区分って言うか、何も無い筈なんだけど、3学年のソレに引っ張られてるんだよね。
それはそうと、俺達のクラスにいきなりやって来たのは生徒会長の白鳥先輩。
お嬢様然とした気品と言うか雰囲気があるんだけど、それも当然。何せ先輩は本校理事長の孫娘だ。
「あの、俺っすけど、何か?」
普通に名乗りを挙げる。少なくとも白鳥先輩の用件は詰問とかじゃ無さそうだから。柔らかい雰囲気と優しい笑みを浮かべてるし。
「貴方…貴方達が『スレイプニル』?」
「先輩もあのゲームを?」
やな予感してきた。
確か『オレンジペコ』は女性だったよね。
「そうね。あの中では、クラン『ティータイム』の『アールグレイ』で通っているわ。『オレンジペコ』は妹。北中のね。そろそろ朝の学活かしら?まぁ、確認したかっただけだから。貴方達ゲーム研だったわね。放課後部室に来ればいいかしら?それじゃ」
いや、俺、帰宅部…。
「アキラ?」
「トール、俺達部員じゃないからバックれる。後任せた」
「おま、それ、酷くね?それに、俺達もオマエの機体、メチャキョーミある」
「対戦ゲームだろ?機体構成バラす訳ねぇよ」
そうこうしてるウチに始業チャイムが鳴る。
学活、そして授業。
医者の息子としては、やっぱ赤点取る訳にはいかねぇから、一応ノートはしっかりと取るし宿題と復習はやるよ。
幸いお袋の脳みそは遺伝してるみたいなので、成績で怒られた事は実は無い。南中でも学年上位の成績だったし。もっと上の偏差値の高校を狙えるって担任に煩いほど言われたけど、この手じゃバイクは勿論自転車にも乗れねぇし、電車通学も吊り革持つの不便だし、徒歩登下校出来る程近い城南高が良かったんだ。
で、上位処か学年トップの夏希も城南にしたんで学年主任や進路指導の先生が、そりゃもう大騒ぎ。夏希、進路よりどりみどりで推薦取り放題。「大検受けても合格出来る」、友達の塾講師が太鼓判押したって噂も有るくらい。
でも俺と一緒って理由で、夏希は城南に決めた。
決して歩きで帰れないと夕方のロボットアニメが見れないって事じゃ無いらしい。
昼休み。
勿論弁当は夏希の手作り。いや、夜勤のお袋が作れる訳ねぇから。
今迄2人で食ってた昼飯。そこに机が2つ増えた。
トールは購買部の惣菜パン2つに缶コーヒー。
ショータは母親が作った弁当。
折角なのでトールに牛乳買って来てもらった。
この4人で語るのは、やっぱゲーム『ロボット・マッチング・バトルアリーナ』しかない。
俺は機体構成画面を見せた。
「は?『M- XLX』?」
「あぁ。コイツが1番燃費良かった」
「コレ、初期設定のジェネレーターよりパワー低いんじゃ?
「で、オプションコンデンサーで日常プールしてる。これでビーム武器連射可能」
「そうか。『Za-98』のオプションスロットはかなり多い。コイツより多いのって軽量小型の『GP506』しか」
「と言っても。バーニア移動の時とか」
「基本的に主兵装は小型ミサイルだから」
トールもショータも機体構成を見せてきた。
対戦モノと言え、同クランでの対戦なんて決勝トーナメントでしか有り得ない。その前の総当たりでクランメンバー同士でやり合う事は無い。
トールからそれを聞かされた俺は、納得して自機体の詳細を明かしたんだ。
「後、放課後だけど」
「だから任せた!」
「任されたくないよ」
かなりトールは難色示したけど、俺達はブッチ決めて帰る事にした。
後日聞いたけど、白鳥先輩って計算マニア?
燃費にパワー計算、武器威力や性能等、このゲーム結構計算出来るんだって。そのやり込みに惹かれて、気がつけば上位ランカーとして名を馳せてるんだと。
で、ゲーム研究同好会に顔出す様になった生徒会長は、トールと良い仲になりつつあるんだとか。
マジかよ。
私立城南高校普通科クラス。別名『商業科』。
何故なら『3- A』は就職組で固められたクラスだから。1、2学年はその辺の区分って言うか、何も無い筈なんだけど、3学年のソレに引っ張られてるんだよね。
それはそうと、俺達のクラスにいきなりやって来たのは生徒会長の白鳥先輩。
お嬢様然とした気品と言うか雰囲気があるんだけど、それも当然。何せ先輩は本校理事長の孫娘だ。
「あの、俺っすけど、何か?」
普通に名乗りを挙げる。少なくとも白鳥先輩の用件は詰問とかじゃ無さそうだから。柔らかい雰囲気と優しい笑みを浮かべてるし。
「貴方…貴方達が『スレイプニル』?」
「先輩もあのゲームを?」
やな予感してきた。
確か『オレンジペコ』は女性だったよね。
「そうね。あの中では、クラン『ティータイム』の『アールグレイ』で通っているわ。『オレンジペコ』は妹。北中のね。そろそろ朝の学活かしら?まぁ、確認したかっただけだから。貴方達ゲーム研だったわね。放課後部室に来ればいいかしら?それじゃ」
いや、俺、帰宅部…。
「アキラ?」
「トール、俺達部員じゃないからバックれる。後任せた」
「おま、それ、酷くね?それに、俺達もオマエの機体、メチャキョーミある」
「対戦ゲームだろ?機体構成バラす訳ねぇよ」
そうこうしてるウチに始業チャイムが鳴る。
学活、そして授業。
医者の息子としては、やっぱ赤点取る訳にはいかねぇから、一応ノートはしっかりと取るし宿題と復習はやるよ。
幸いお袋の脳みそは遺伝してるみたいなので、成績で怒られた事は実は無い。南中でも学年上位の成績だったし。もっと上の偏差値の高校を狙えるって担任に煩いほど言われたけど、この手じゃバイクは勿論自転車にも乗れねぇし、電車通学も吊り革持つの不便だし、徒歩登下校出来る程近い城南高が良かったんだ。
で、上位処か学年トップの夏希も城南にしたんで学年主任や進路指導の先生が、そりゃもう大騒ぎ。夏希、進路よりどりみどりで推薦取り放題。「大検受けても合格出来る」、友達の塾講師が太鼓判押したって噂も有るくらい。
でも俺と一緒って理由で、夏希は城南に決めた。
決して歩きで帰れないと夕方のロボットアニメが見れないって事じゃ無いらしい。
昼休み。
勿論弁当は夏希の手作り。いや、夜勤のお袋が作れる訳ねぇから。
今迄2人で食ってた昼飯。そこに机が2つ増えた。
トールは購買部の惣菜パン2つに缶コーヒー。
ショータは母親が作った弁当。
折角なのでトールに牛乳買って来てもらった。
この4人で語るのは、やっぱゲーム『ロボット・マッチング・バトルアリーナ』しかない。
俺は機体構成画面を見せた。
「は?『M- XLX』?」
「あぁ。コイツが1番燃費良かった」
「コレ、初期設定のジェネレーターよりパワー低いんじゃ?
「で、オプションコンデンサーで日常プールしてる。これでビーム武器連射可能」
「そうか。『Za-98』のオプションスロットはかなり多い。コイツより多いのって軽量小型の『GP506』しか」
「と言っても。バーニア移動の時とか」
「基本的に主兵装は小型ミサイルだから」
トールもショータも機体構成を見せてきた。
対戦モノと言え、同クランでの対戦なんて決勝トーナメントでしか有り得ない。その前の総当たりでクランメンバー同士でやり合う事は無い。
トールからそれを聞かされた俺は、納得して自機体の詳細を明かしたんだ。
「後、放課後だけど」
「だから任せた!」
「任されたくないよ」
かなりトールは難色示したけど、俺達はブッチ決めて帰る事にした。
後日聞いたけど、白鳥先輩って計算マニア?
燃費にパワー計算、武器威力や性能等、このゲーム結構計算出来るんだって。そのやり込みに惹かれて、気がつけば上位ランカーとして名を馳せてるんだと。
で、ゲーム研究同好会に顔出す様になった生徒会長は、トールと良い仲になりつつあるんだとか。
マジかよ。
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