面倒くさいロボットゲームアプリに誘われたら、ガッツリハマりました。勿論彼女もね。

ノデミチ

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1.ロボット・マッチング・バトルアリーナ

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「いよいよだね」
「ああ」



 学校帰りに寄ったハンバーガー屋さん。
 俺はチーズバーガーを皿に戻しスマホを操作してる。
 真向かいに座ってる少女も同様にスマホをタッチし出した。
 周りがチラ見してるのはしょうがない。目の前の少女が、グラビアアイドルかって言う位の美少女だから。で、俺はさえない容貌で、しかも左手はマネキンタイプの義手だ。

「ねえ、本当にその機体でいいの?」
「コレで登録した。作り直してたら次の大会になるし」

 スマホにタイトル画面が表示される。

 『ロボット・マッチング・バトルアリーナ』

 ロボットを組み上げてバトルするゲーム。
 月一で各種大会が組まれていて、どれか一つにエントリーしてバトルする。

 格闘戦専門や総合戦、重量級専等々。
 ロボットのタイプや武器制限のバトル等様々な大会が月一で行われている。

 今回俺達がエントリーしたのは新人戦。
 機体登録後の初戦を迎える新人のみがエントリー出来る大会で、コイツは他の大会と比べてちょい優遇措置がある。
 勝利時の勝ち点が大きいんだ。

「よし、そろそろだよね」

 第3木曜日の午後5時。
 今回の新人戦はこの時間でスタートする。

『対戦相手が待機に入りました』
 メッセージが表示される。と、チャットで相手からの通信。

「まさかZa-98雑魚ッパが相手とはね。ツイてる」

 舐められてる?コッチも応戦。
「見たところ格闘主体の様だけど、そんな鈍重な機体で大丈夫かい?」

 相手の機体は重量級のDG-102ドンガメ。しかも武器は右手にメイスしか持ってない。
 コッチは中量級汎用機。両手両肩上腕部の6箇所に武器を搭載出来る。確かに雑魚と呼ばれる機体だけど新人には扱い易い機体なんだ。

「ウルセェー!一発で終わらせてやるよ」

 確かにあのメイス、一発喰らえばコッチは大破するね。ま、喰らえば…だけど。

 Ready go !  Battle start ‼︎

 画面で操作。
 右手武器を指定。攻撃開始。

 タタタタン!タタタン‼︎

 俺の機体が右手に持つのはSG-18マシンガン。1,000発の連射を誇る実体弾の銃。

 何処に1,000発の弾が入るのかは謎だけど。弾倉も無いし薬莢も飛ばないけど、確かに何かの弾が飛んでる。

 相手は重量級大型サイズ。動きも遅いしほぼ命中する。が、何せ防弾性能は随一。耐久値アーマーポイントの減りは微々たるモノ。

「効かねぇよ。待ってな」

 ゆっくり迫って来るDG-102ドンガメ。それならば武器変更、左肩武器の小型ミサイル。射程が伸びるのでコッチの機体はやや下がり出す。

「逃げる気かよ」

 バンバババン。
 小型だけど、4発同時に発射出来るからマシンガンよりは破壊力がある。しかもコイツはホーミングタイプ。全武器の中で1番の命中率を誇る。どう格納されているか分かんないけど60発搭載。だから15回は発射出来る。

「ウゼェ。だが撃ち尽くした時がオメェの最期だ!」

 そっちのメッセージの方がウゼェよ。
 ちっとは耐久値アーマーポイント削れてるのか?相手は余裕綽々みたいだけど。へっ!狙いはそれじゃないんだな。
 これだけの爆発に包まれたら…、やっぱり!

 相手の機体は屈み込み動けなくなる。
 オーバーヒートによるクールダウン状態だ。コッチに合わせて随分走り回っていたしな。
 DG-102ドンガメは重量級だ。確かにジェネレーターは大型だけどレア物じゃないとすぐ過負荷になる程のね。アイツは機体を組み上げる時にノーマルタイプで組んでるんだ。まさか初期据付のまま?

 どっちにしろチャンス!
 武器変更、右腕武器。

 ピョイン!ピョイン‼︎

 何とも間抜けな発射音。右腕部分に装着された武器が迫り出してビーム弾を発射する。腕部ラッチにはシールドかビーム兵器しか装着出来ない。実体弾武器は引き金の引きようがないし、弾も入れようがないし。

 よし!命中‼︎
 コイツは射程が短い上に命中率も悪い。だから確実に当てたかったんだ。

 パリパリ!

 相手の機体が緑色に光る。
 よっしゃ!マヒ状態に陥った‼︎

 そう。俺が撃ったのはPa004スタンガン
 再び武器変更、左手武器BrX-1ビームライフル。ビーム弾のくせに50発しか撃てないシロモノ。だがコイツはレア物だぜ?

 バゥン、バゥン!

 ライフルなのにバズーカ並みの破壊力。流石の重量級もコイツは防げない。

 You  win ! のメッセージ。
 俺は初戦をモノにした。
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