面倒くさいロボットゲームアプリに誘われたら、ガッツリハマりました。勿論彼女もね。

ノデミチ

文字の大きさ
上 下
1 / 30

1.ロボット・マッチング・バトルアリーナ

しおりを挟む
「いよいよだね」
「ああ」



 学校帰りに寄ったハンバーガー屋さん。
 俺はチーズバーガーを皿に戻しスマホを操作してる。
 真向かいに座ってる少女も同様にスマホをタッチし出した。
 周りがチラ見してるのはしょうがない。目の前の少女が、グラビアアイドルかって言う位の美少女だから。で、俺はさえない容貌で、しかも左手はマネキンタイプの義手だ。

「ねえ、本当にその機体でいいの?」
「コレで登録した。作り直してたら次の大会になるし」

 スマホにタイトル画面が表示される。

 『ロボット・マッチング・バトルアリーナ』

 ロボットを組み上げてバトルするゲーム。
 月一で各種大会が組まれていて、どれか一つにエントリーしてバトルする。

 格闘戦専門や総合戦、重量級専等々。
 ロボットのタイプや武器制限のバトル等様々な大会が月一で行われている。

 今回俺達がエントリーしたのは新人戦。
 機体登録後の初戦を迎える新人のみがエントリー出来る大会で、コイツは他の大会と比べてちょい優遇措置がある。
 勝利時の勝ち点が大きいんだ。

「よし、そろそろだよね」

 第3木曜日の午後5時。
 今回の新人戦はこの時間でスタートする。

『対戦相手が待機に入りました』
 メッセージが表示される。と、チャットで相手からの通信。

「まさかZa-98雑魚ッパが相手とはね。ツイてる」

 舐められてる?コッチも応戦。
「見たところ格闘主体の様だけど、そんな鈍重な機体で大丈夫かい?」

 相手の機体は重量級のDG-102ドンガメ。しかも武器は右手にメイスしか持ってない。
 コッチは中量級汎用機。両手両肩上腕部の6箇所に武器を搭載出来る。確かに雑魚と呼ばれる機体だけど新人には扱い易い機体なんだ。

「ウルセェー!一発で終わらせてやるよ」

 確かにあのメイス、一発喰らえばコッチは大破するね。ま、喰らえば…だけど。

 Ready go !  Battle start ‼︎

 画面で操作。
 右手武器を指定。攻撃開始。

 タタタタン!タタタン‼︎

 俺の機体が右手に持つのはSG-18マシンガン。1,000発の連射を誇る実体弾の銃。

 何処に1,000発の弾が入るのかは謎だけど。弾倉も無いし薬莢も飛ばないけど、確かに何かの弾が飛んでる。

 相手は重量級大型サイズ。動きも遅いしほぼ命中する。が、何せ防弾性能は随一。耐久値アーマーポイントの減りは微々たるモノ。

「効かねぇよ。待ってな」

 ゆっくり迫って来るDG-102ドンガメ。それならば武器変更、左肩武器の小型ミサイル。射程が伸びるのでコッチの機体はやや下がり出す。

「逃げる気かよ」

 バンバババン。
 小型だけど、4発同時に発射出来るからマシンガンよりは破壊力がある。しかもコイツはホーミングタイプ。全武器の中で1番の命中率を誇る。どう格納されているか分かんないけど60発搭載。だから15回は発射出来る。

「ウゼェ。だが撃ち尽くした時がオメェの最期だ!」

 そっちのメッセージの方がウゼェよ。
 ちっとは耐久値アーマーポイント削れてるのか?相手は余裕綽々みたいだけど。へっ!狙いはそれじゃないんだな。
 これだけの爆発に包まれたら…、やっぱり!

 相手の機体は屈み込み動けなくなる。
 オーバーヒートによるクールダウン状態だ。コッチに合わせて随分走り回っていたしな。
 DG-102ドンガメは重量級だ。確かにジェネレーターは大型だけどレア物じゃないとすぐ過負荷になる程のね。アイツは機体を組み上げる時にノーマルタイプで組んでるんだ。まさか初期据付のまま?

 どっちにしろチャンス!
 武器変更、右腕武器。

 ピョイン!ピョイン‼︎

 何とも間抜けな発射音。右腕部分に装着された武器が迫り出してビーム弾を発射する。腕部ラッチにはシールドかビーム兵器しか装着出来ない。実体弾武器は引き金の引きようがないし、弾も入れようがないし。

 よし!命中‼︎
 コイツは射程が短い上に命中率も悪い。だから確実に当てたかったんだ。

 パリパリ!

 相手の機体が緑色に光る。
 よっしゃ!マヒ状態に陥った‼︎

 そう。俺が撃ったのはPa004スタンガン
 再び武器変更、左手武器BrX-1ビームライフル。ビーム弾のくせに50発しか撃てないシロモノ。だがコイツはレア物だぜ?

 バゥン、バゥン!

 ライフルなのにバズーカ並みの破壊力。流石の重量級もコイツは防げない。

 You  win ! のメッセージ。
 俺は初戦をモノにした。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜

古森きり
BL
東雲学院芸能科に入学したミュージカル俳優志望の音無淳は、憧れの人がいた。 かつて東雲学院芸能科、星光騎士団第一騎士団というアイドルグループにいた神野栄治。 その人のようになりたいと高校も同じ場所を選び、今度歌の練習のために『ソング・バッファー・オンライン』を始めることにした。 ただし、どうせなら可愛い女の子のアバターがいいよね! と――。 BLoveさんに先行書き溜め。 なろう、アルファポリス、カクヨムにも掲載。

処理中です...