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自由奔放な少女達
2. 銀の聖女と呼ばないで
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ウィルザード帝国では東方の辺境になる商都エンテロブル。私達『元気っ娘』は、ここの冒険者ギルドを拠点として活動してる。
さっき解体を終えたって、ギルドの人がワイルドボアの肉を持って来てくれて。酒場の料理人が「美味いもん作ってやるよ」ってステーキにしてくれたんだ。
私とサラは表面を軽く炙ってで。カノンはカリカリにしっかりと焼いて。
獣人の私達は、上等の肉ほど生に近いモノを好むけど、ダークハーフエルフのカノンは、肉を食べる事が珍しい位。
「明日はどうする?」
「森関連の、軽めのヤツにするんじゃなかった?」
「うん。そう思ってたけど、今日のが割とキツかったじゃない?だから休息日でもいいかなって。ちょっと鍛治屋にも行きたくなったし」
サラ愛用のナイフが、今回のワイルドボア相手でちょい刃こぼれを起こしたみたいで。
「リーファの短槍はいいの?」
「これは大丈夫」
私の背にある銀の短槍。
自己修復力を持つ聖宝武具の1つとも言われる一品。他に剣、大剣、弓に大楯、大鉾が有るんだとか。
そんな優れ物をエモノに出来たのには勿論訳がある。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
まだ6つの子供で、森に1人で暮らしていた私は、ひょんなことから巡見中の皇太子一行を助ける事になって。
その謝礼として、私は聖宝武具を納める聖神殿への挑戦権を貰えたんだ。
帝都にある聖宝武具が鎮座する聖神殿は、その資格…神殿が認めた者しか扉を開く事が出来ない。
そんなご大層な者じゃ無いよって思ってた私は、銀魔狼と言う伝説の聖属性魔物と同等の資質を持ってたらしく、扉が次々と開き、短槍を手に入れる挑戦権が降って湧いて。
台座にある短槍を抜いた私に、皇太子殿下は「これは新たな『銀の聖女』伝説の始まりか?」って讃えてみせて。
何にせよ、この宝物は皇太子の名の下に私が授かる事になったんだ。
以来6年。
私の冒険者としての成功は、この聖宝武具の力によるモノって言える。
ついでに容姿もあいまって、私は『銀の聖女』って呼ばれる様になっちゃって。
皇太子一行を助けた時もだけど、銀魔狼って言う聖属性魔物の特質を持つ私は、年齢不相応な神聖属性魔法の使い手になってた。
「銀魔狼とは伝説の聖属性魔物だ。それが獣人の特質として現れるモノなのか?」
「どうでしょう、殿下。ですが、実際彼女はこうして存在しておりますから」
皇太子の学術指南の魔導師は、そう言って現実的観点のみを根拠として私の存在を納得したの。
「『銀の聖女』…か」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
大昔、銀の聖女と呼ばれた公爵令嬢を迫害した聖職権力者は、癒着した王家の者と一緒に彼女と親しかった伯爵嫡男によって失脚。ついには王家をも滅ぼし、彼は新たなる帝国を創り上げて自らを皇帝と称した。
彼は『銀の聖女』の冤罪を晴らし公爵家の名誉も回復せしめたけど、公爵家そのものの復活は成さなかった。親族貴族が名跡を継ぐ事を願い出たけど「今更?卿は確か『公爵処か貴族の名に値せず』とほざいておったが?」と一考だにしなかった。
「公爵家の名誉が回復された?」
「そう。貴女の冤罪は晴れた」
私~アディール公爵令嬢リーファは、王都最高教会司教の激昂を買い、冤罪を着せられて処刑された。
長い間、眠っていた様な気もするけど、気がついたら神界とも呼べそうな場所にいた。
目の前には和かに微笑む男の子がいる。
「中々神界へ来ないからね。300年だよ?悪いけど呼び出した」
「?、では神様なのですか」
「あぁ。12神の1人、生命神フェーダ。でさ、神界に来ないのは、地上界に未練タラタラなのかなって思ってね。まぁ、あの生涯じゃそれもやむなしかな。生前の功績もあるし、主神ヴァイランシアもお認めになったからね。もう一度別の者として第2の生を与える事になったんだ」
「それは、ありがたいですけど」
「あまり乗り気では無い?」
「そうですね。人のあり様に…」
「まだ絶望はしてないだろ。寧ろ買い被ってる」
そう?多分、そうなのだろう。
神を欺く事等出来得る筈も無い。
「では、どうせなら獣にでもしてください。森で人と関わらず過ごします」
「成る程。いいよ」
辺りが眩しい程に煌めいて…。
「獣と獣人は違うと思うんだけど。しかも銀魔狼って何?」
私は狼族の獣人、6歳の女の子として森にいた。子供とは思えないステータスで、森で生き抜く事に然程不自由はしなかった。
「あれから300年…か」
そして、第2の人生始まったってワクワクしてた3日目、私は皇太子一行と出会ってしまう。
生命神フェーダ?少しお節介が過ぎない?
「君に言われたくはないね」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「私もそんな武具欲しいなぁ」
「盗賊職のサラが神聖属性の聖宝武具に選ばれるワケ無いよねー」
「だよねー」
サラと出会ったのは、皇太子一行と別れて短槍の使い心地を色々試していた時。一角兎を数匹仕留めた私の前に木の実を啄んでいた彼女が現れた。
狼とキツネ。獣人で歳も近く女同士。
仲良くなるのに、それ以上の理由は要らない。
カノンと出会ったのは、それから1年後。
私達が森から出て、冒険者として生きようとエンテロブルへやって来た日。私達にギルドへの道を尋ねてきた。
一緒に3人でギルドへ行って。そのままパーティ組んで。
それから5年。
『元気っ娘』は、この辺境ではそれなりに有名な冒険者となってる。
それ以上に『銀の聖女』の名は広まってるけど。
「それにしても、まさか教会に行った後で私達のトコへ来るなんて」
「司祭も解呪出来ない程の強い呪い。リーファって凄いね。流石は『銀の聖女』」
「やめてよ」
前世と違い、今の私の存在は教会にも認められている。帝国教会は、初代皇帝のお陰で権力と無縁な上に実力主義だから。貴族だとか、そういうの関係なく神聖属性魔法の実力がモノを言う世界になってて。
帝国最高教会の大司教は、死者すら蘇らせる程の神聖属性魔法の使い手って聞いてる。その上で気さくでお茶目なお爺さんなんだと。
だからこそ、今の私が聖職と関係あるのは不味いって思う訳で。
「気ままな冒険者なんだから、聖女なんてゴメン」
どうしても忌避感があるんだよね。
さっき解体を終えたって、ギルドの人がワイルドボアの肉を持って来てくれて。酒場の料理人が「美味いもん作ってやるよ」ってステーキにしてくれたんだ。
私とサラは表面を軽く炙ってで。カノンはカリカリにしっかりと焼いて。
獣人の私達は、上等の肉ほど生に近いモノを好むけど、ダークハーフエルフのカノンは、肉を食べる事が珍しい位。
「明日はどうする?」
「森関連の、軽めのヤツにするんじゃなかった?」
「うん。そう思ってたけど、今日のが割とキツかったじゃない?だから休息日でもいいかなって。ちょっと鍛治屋にも行きたくなったし」
サラ愛用のナイフが、今回のワイルドボア相手でちょい刃こぼれを起こしたみたいで。
「リーファの短槍はいいの?」
「これは大丈夫」
私の背にある銀の短槍。
自己修復力を持つ聖宝武具の1つとも言われる一品。他に剣、大剣、弓に大楯、大鉾が有るんだとか。
そんな優れ物をエモノに出来たのには勿論訳がある。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
まだ6つの子供で、森に1人で暮らしていた私は、ひょんなことから巡見中の皇太子一行を助ける事になって。
その謝礼として、私は聖宝武具を納める聖神殿への挑戦権を貰えたんだ。
帝都にある聖宝武具が鎮座する聖神殿は、その資格…神殿が認めた者しか扉を開く事が出来ない。
そんなご大層な者じゃ無いよって思ってた私は、銀魔狼と言う伝説の聖属性魔物と同等の資質を持ってたらしく、扉が次々と開き、短槍を手に入れる挑戦権が降って湧いて。
台座にある短槍を抜いた私に、皇太子殿下は「これは新たな『銀の聖女』伝説の始まりか?」って讃えてみせて。
何にせよ、この宝物は皇太子の名の下に私が授かる事になったんだ。
以来6年。
私の冒険者としての成功は、この聖宝武具の力によるモノって言える。
ついでに容姿もあいまって、私は『銀の聖女』って呼ばれる様になっちゃって。
皇太子一行を助けた時もだけど、銀魔狼って言う聖属性魔物の特質を持つ私は、年齢不相応な神聖属性魔法の使い手になってた。
「銀魔狼とは伝説の聖属性魔物だ。それが獣人の特質として現れるモノなのか?」
「どうでしょう、殿下。ですが、実際彼女はこうして存在しておりますから」
皇太子の学術指南の魔導師は、そう言って現実的観点のみを根拠として私の存在を納得したの。
「『銀の聖女』…か」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
大昔、銀の聖女と呼ばれた公爵令嬢を迫害した聖職権力者は、癒着した王家の者と一緒に彼女と親しかった伯爵嫡男によって失脚。ついには王家をも滅ぼし、彼は新たなる帝国を創り上げて自らを皇帝と称した。
彼は『銀の聖女』の冤罪を晴らし公爵家の名誉も回復せしめたけど、公爵家そのものの復活は成さなかった。親族貴族が名跡を継ぐ事を願い出たけど「今更?卿は確か『公爵処か貴族の名に値せず』とほざいておったが?」と一考だにしなかった。
「公爵家の名誉が回復された?」
「そう。貴女の冤罪は晴れた」
私~アディール公爵令嬢リーファは、王都最高教会司教の激昂を買い、冤罪を着せられて処刑された。
長い間、眠っていた様な気もするけど、気がついたら神界とも呼べそうな場所にいた。
目の前には和かに微笑む男の子がいる。
「中々神界へ来ないからね。300年だよ?悪いけど呼び出した」
「?、では神様なのですか」
「あぁ。12神の1人、生命神フェーダ。でさ、神界に来ないのは、地上界に未練タラタラなのかなって思ってね。まぁ、あの生涯じゃそれもやむなしかな。生前の功績もあるし、主神ヴァイランシアもお認めになったからね。もう一度別の者として第2の生を与える事になったんだ」
「それは、ありがたいですけど」
「あまり乗り気では無い?」
「そうですね。人のあり様に…」
「まだ絶望はしてないだろ。寧ろ買い被ってる」
そう?多分、そうなのだろう。
神を欺く事等出来得る筈も無い。
「では、どうせなら獣にでもしてください。森で人と関わらず過ごします」
「成る程。いいよ」
辺りが眩しい程に煌めいて…。
「獣と獣人は違うと思うんだけど。しかも銀魔狼って何?」
私は狼族の獣人、6歳の女の子として森にいた。子供とは思えないステータスで、森で生き抜く事に然程不自由はしなかった。
「あれから300年…か」
そして、第2の人生始まったってワクワクしてた3日目、私は皇太子一行と出会ってしまう。
生命神フェーダ?少しお節介が過ぎない?
「君に言われたくはないね」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「私もそんな武具欲しいなぁ」
「盗賊職のサラが神聖属性の聖宝武具に選ばれるワケ無いよねー」
「だよねー」
サラと出会ったのは、皇太子一行と別れて短槍の使い心地を色々試していた時。一角兎を数匹仕留めた私の前に木の実を啄んでいた彼女が現れた。
狼とキツネ。獣人で歳も近く女同士。
仲良くなるのに、それ以上の理由は要らない。
カノンと出会ったのは、それから1年後。
私達が森から出て、冒険者として生きようとエンテロブルへやって来た日。私達にギルドへの道を尋ねてきた。
一緒に3人でギルドへ行って。そのままパーティ組んで。
それから5年。
『元気っ娘』は、この辺境ではそれなりに有名な冒険者となってる。
それ以上に『銀の聖女』の名は広まってるけど。
「それにしても、まさか教会に行った後で私達のトコへ来るなんて」
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「やめてよ」
前世と違い、今の私の存在は教会にも認められている。帝国教会は、初代皇帝のお陰で権力と無縁な上に実力主義だから。貴族だとか、そういうの関係なく神聖属性魔法の実力がモノを言う世界になってて。
帝国最高教会の大司教は、死者すら蘇らせる程の神聖属性魔法の使い手って聞いてる。その上で気さくでお茶目なお爺さんなんだと。
だからこそ、今の私が聖職と関係あるのは不味いって思う訳で。
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