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第三章
15.アリスの企み
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「ロズファンバルグで確定か…。戦争の為の工作員ってことなのか? あのフローラ嬢が?」
調べてもらって、クラリス嬢の罠にかけて。
出た答えがロズファンバルグ帝国の人間だという事。アリスにとって最悪の答えと言っていい。
「戦争の為というのはどうでしょう? 確かに国交のない戦争敵国ですけど、開戦の工作とは思えないです。学園の中では特に」
ユーリルの疑問に対して個人的印象を話すアリス。フローラの言動や価値観が、一般の貴族令嬢のものと変わらず、軍事的要素が何も見当たらない為だ。
むしろ、軍事SLGもやり込んでいるアリスの方がまだオタク的要素を持っていた。
「まぁ、実際会って色々話したり見たり、してきますので」
「はあ? 会うって、その、髭面の男とかい?」
「はい! 例の支援の打ち合わせということで、私自身がサイナス伯爵家に伺います。クスクス、罠はあれだけではないのですよ? 私とクラリス嬢が組んだら、結構大変なのですから」
そうは言っても、その表情はニヤリ、ではない。
令嬢の微笑み。その印象しかないのだが、それでもユーリルはベルンと同じ事を言った。
「いい性格してるよ、アリス」
「お褒めいただき光栄に存じます」クスクス。
アリス=ガーランドがやって来る!
サイナス伯爵家は大騒ぎとなる。
次期王太子妃たる公爵令嬢の訪問は、伯爵家にとって名誉である。元々第2王子派で、全く中枢と関係ない田舎貴族にすれば、これは中央に近付く大チャンスであり両手を挙げて大歓迎するべき事態なのだから、断る術はない。
「まさか、今の状況で当人が来るか…。くぅ、何故だ? 何処から後手に回った? 何故我々が振り回される?」
いくら考えてもわからない。エノクの苛立ちは最高点に達しつつある。
「とりあえず、ガント。君と君配下の者は別宅へ行ってもらおうか。念には念をいれよう。君の事を彼女が知っているとは到底思えないがね」
サイナス伯爵の指示に、多少落ち着きを取り戻す。とは言え、部下も初めて見るエノクの取り乱し様に、浮き足立ちは中々収まらなかった。
「こうも後手に回ると脆いの? ガント様は常に冷静に相手を追い込んでいくと思っていたのだけど? 」
メイドの仕事をこなしつつ、リージャも初めて見るエノクの狼狽にため息をつく。よもや自分のせいでロズファンバルグの工作員だとバレてしまっていたとは思っていないリージャは、やや他人事の様に邸内の慌て振りを見ていた。
そして、アリス達一行がサイナス伯爵家にやって来る。護衛のコーラス伯爵と軽装の者が数名。
「護衛? いや密偵か? くっ! 何てこった」
身のこなしや素振り。見る者が見ればわかる。というより隠そうとしていない!
「アリス=ガーランド…! 本当に厄介な存在だ」
結局エノクは別宅に行かなかった。知らないだろう、との確信の元、直接会ってみることを選んだのである。
「アリス様、ようこそお出でくださいました」
「サイナス伯爵様、お出迎えありがたく思います。また、ご息女フローラ嬢の進言にてユリアン殿下の元、民達へのご支援、本当に感謝しますと、ユーリル殿下もおっしゃっておりました」
「アリス様」
「フローラ、今日はよろしくお願いします」
「此度の支援活動にアリス様もお出でいただけるとの事。本当に嬉しく、ありがたく思います。後、こちらが騎士隊長のガント=エノク、それに私の侍女でリージャ=ドラージです」
最敬礼で跪く2人。
「はじめまして、ですね。アリス=ガーランドです」
にこやかに挨拶の後、実際の支援について打ち合わせを始めるアリスとフローラ。ホッとしてさがるエノクとリージャだったが、家臣の控え室に戻った途端、顔色が変わったのだった。
「ガント様。相手の護衛、いや密偵の中に私達を知る者がいます。やられました」
「な、何だと?」
「後ろにいた軽装の者の1人。やや小柄な男。あれ、フランツです。帝国帝都を根城にしていたコソ泥。去年の手入れを嫌って、帝国から出ていった者です」
「それがアリスに拾われていた訳か? くっ! 何だって公爵令嬢がコソ泥を手に加える?」
実際はアリスではなくベルンに拾われていたのだが、エノク達にとっては厄介な事に変わりはない。別邸に行かなかった事を悔やんでも悔やみきれない状況であった。
打ち合わせが終わり、意気揚々と帰るアリス一行。
その馬車を追う影がチラホラ。
「お嬢様、追っ手です。どうやら数名? 」
「この状況で私に手を出しますか? クスクス。ちょっと追い詰め過ぎましたか?」
「でしょうね。特にガントの旦那は、自分が追い詰められる事に全く慣れてないようですね」
「あの騎士隊長?」
「ガント=エノク。ロズファンバルグの騎士ですが、諜報工作を得意とする男です。とは言え、あんな狼狽した顔を初めて見ましたね。帝都では散々痛い目にあったんですけど」
「感謝します、フランツ。貴方のお陰で向こうをじわじわ締め上げる事が出来ました」
にこやかに頭を下げるアリス。が、公爵令嬢に頭を下げられたコソ泥も調子狂いっぱなしである。
「い、いえ。あっしなんかに頭下げないで下さい。まさか公爵家の犬に成れるなんて、夢としか思えない厚遇なんですから」
「お嬢様、そろそろ追い付かれる頃ですが…」
「帰りますよ? 追っ払ってくれる手筈でしょう? 」
そう言えば、遠くから? いや、近いが小さな悲鳴が聞こえてくる。
「げっ」「ぐわっ」「ぎゃ!」「げげ」
「サイナス伯爵の青い顔が目に浮かびます」
同情してるとしか思えない表情のコーラス伯セロン。
屈託のない微笑みを浮かべるアリスとは対照的だった。
一方サイナス伯爵やエノクにとっては青い顔処ではない。恐らく家人すらも初めて見る、真っ赤な顔で激怒する伯爵の姿である。
「アリス=ガーランド! こうも、ここまで我々を嘲るというのか? 何故ここまで後手に回る? 追い詰められる? 相手は公爵家とは言え14歳の小娘だぞ? いつからだ? 何処で罠に嵌まった? 宰相家とはこれ程手強いのか?」
手の平の上で遊ばれたと言っていい状況。
格の違いを見せつけられてしまい、サイナス伯の心は折れ掛けていた。
だが、エノクも伯爵を鼓舞する言葉を見出だせないでいる。
この状況で一番応えていないのがフローラである。
「言ったわよ? 太刀打ち出来ないって。どうする? フローラじゃなくてルイーゼとしてぶつかった方が良かったかもしれないわね。アリス=ガーランド! 案外ルイーゼ・プリム=ロズファンバルグでぶつかれば、また違う話が出来たかもしれない」
「ふざけるな、ルイーゼ。皇族とは言え本来反逆者の娘として処刑されてもおかしくないお前を、皇太子殿下の命でこうして使っているのだ。帝国と皇家に感謝して命ぜられたまま働けば良い」
「ハイハイ。で、どうするの? 多分戦争準備工作は無理。最も私は戦争準備をしているつもりはないけど」
エノクを睨み付けるフローラ。
「戦争はしないのではなかったのか? だからこそサイナス伯爵家は、この計画に一枚噛んだのだ」
「勿論ですわ、お養父様。王族と親しくなり、こちらに都合のいい国交を樹立する。今回はそれが目的です」
赤くなったり青くなったり。サイナス伯は少し情緒不安定になりつつある。そう見てとったフローラは、微笑んで養父に答えた。
「リージャ、お茶は用意出来ましたか?」
「はい、お嬢様。こちらに」
ミントの香りがするお茶の匂いが漂いだす。部屋の雰囲気が柔らかくなっていった。
「お養父様、ガントも」
「お嬢様もどうぞ。このままでは来週のスラム支援に等行けません。その、お嬢様。今回は私も侍女として参加致しますわ」
「そうね。例の件、頼まざるを得なくなっているものね」
落ち着かない男2人は、このフローラとリージャのやり取りを聞き逃してしまっていた。
そして、スラム支援の日がやって来る。
調べてもらって、クラリス嬢の罠にかけて。
出た答えがロズファンバルグ帝国の人間だという事。アリスにとって最悪の答えと言っていい。
「戦争の為というのはどうでしょう? 確かに国交のない戦争敵国ですけど、開戦の工作とは思えないです。学園の中では特に」
ユーリルの疑問に対して個人的印象を話すアリス。フローラの言動や価値観が、一般の貴族令嬢のものと変わらず、軍事的要素が何も見当たらない為だ。
むしろ、軍事SLGもやり込んでいるアリスの方がまだオタク的要素を持っていた。
「まぁ、実際会って色々話したり見たり、してきますので」
「はあ? 会うって、その、髭面の男とかい?」
「はい! 例の支援の打ち合わせということで、私自身がサイナス伯爵家に伺います。クスクス、罠はあれだけではないのですよ? 私とクラリス嬢が組んだら、結構大変なのですから」
そうは言っても、その表情はニヤリ、ではない。
令嬢の微笑み。その印象しかないのだが、それでもユーリルはベルンと同じ事を言った。
「いい性格してるよ、アリス」
「お褒めいただき光栄に存じます」クスクス。
アリス=ガーランドがやって来る!
サイナス伯爵家は大騒ぎとなる。
次期王太子妃たる公爵令嬢の訪問は、伯爵家にとって名誉である。元々第2王子派で、全く中枢と関係ない田舎貴族にすれば、これは中央に近付く大チャンスであり両手を挙げて大歓迎するべき事態なのだから、断る術はない。
「まさか、今の状況で当人が来るか…。くぅ、何故だ? 何処から後手に回った? 何故我々が振り回される?」
いくら考えてもわからない。エノクの苛立ちは最高点に達しつつある。
「とりあえず、ガント。君と君配下の者は別宅へ行ってもらおうか。念には念をいれよう。君の事を彼女が知っているとは到底思えないがね」
サイナス伯爵の指示に、多少落ち着きを取り戻す。とは言え、部下も初めて見るエノクの取り乱し様に、浮き足立ちは中々収まらなかった。
「こうも後手に回ると脆いの? ガント様は常に冷静に相手を追い込んでいくと思っていたのだけど? 」
メイドの仕事をこなしつつ、リージャも初めて見るエノクの狼狽にため息をつく。よもや自分のせいでロズファンバルグの工作員だとバレてしまっていたとは思っていないリージャは、やや他人事の様に邸内の慌て振りを見ていた。
そして、アリス達一行がサイナス伯爵家にやって来る。護衛のコーラス伯爵と軽装の者が数名。
「護衛? いや密偵か? くっ! 何てこった」
身のこなしや素振り。見る者が見ればわかる。というより隠そうとしていない!
「アリス=ガーランド…! 本当に厄介な存在だ」
結局エノクは別宅に行かなかった。知らないだろう、との確信の元、直接会ってみることを選んだのである。
「アリス様、ようこそお出でくださいました」
「サイナス伯爵様、お出迎えありがたく思います。また、ご息女フローラ嬢の進言にてユリアン殿下の元、民達へのご支援、本当に感謝しますと、ユーリル殿下もおっしゃっておりました」
「アリス様」
「フローラ、今日はよろしくお願いします」
「此度の支援活動にアリス様もお出でいただけるとの事。本当に嬉しく、ありがたく思います。後、こちらが騎士隊長のガント=エノク、それに私の侍女でリージャ=ドラージです」
最敬礼で跪く2人。
「はじめまして、ですね。アリス=ガーランドです」
にこやかに挨拶の後、実際の支援について打ち合わせを始めるアリスとフローラ。ホッとしてさがるエノクとリージャだったが、家臣の控え室に戻った途端、顔色が変わったのだった。
「ガント様。相手の護衛、いや密偵の中に私達を知る者がいます。やられました」
「な、何だと?」
「後ろにいた軽装の者の1人。やや小柄な男。あれ、フランツです。帝国帝都を根城にしていたコソ泥。去年の手入れを嫌って、帝国から出ていった者です」
「それがアリスに拾われていた訳か? くっ! 何だって公爵令嬢がコソ泥を手に加える?」
実際はアリスではなくベルンに拾われていたのだが、エノク達にとっては厄介な事に変わりはない。別邸に行かなかった事を悔やんでも悔やみきれない状況であった。
打ち合わせが終わり、意気揚々と帰るアリス一行。
その馬車を追う影がチラホラ。
「お嬢様、追っ手です。どうやら数名? 」
「この状況で私に手を出しますか? クスクス。ちょっと追い詰め過ぎましたか?」
「でしょうね。特にガントの旦那は、自分が追い詰められる事に全く慣れてないようですね」
「あの騎士隊長?」
「ガント=エノク。ロズファンバルグの騎士ですが、諜報工作を得意とする男です。とは言え、あんな狼狽した顔を初めて見ましたね。帝都では散々痛い目にあったんですけど」
「感謝します、フランツ。貴方のお陰で向こうをじわじわ締め上げる事が出来ました」
にこやかに頭を下げるアリス。が、公爵令嬢に頭を下げられたコソ泥も調子狂いっぱなしである。
「い、いえ。あっしなんかに頭下げないで下さい。まさか公爵家の犬に成れるなんて、夢としか思えない厚遇なんですから」
「お嬢様、そろそろ追い付かれる頃ですが…」
「帰りますよ? 追っ払ってくれる手筈でしょう? 」
そう言えば、遠くから? いや、近いが小さな悲鳴が聞こえてくる。
「げっ」「ぐわっ」「ぎゃ!」「げげ」
「サイナス伯爵の青い顔が目に浮かびます」
同情してるとしか思えない表情のコーラス伯セロン。
屈託のない微笑みを浮かべるアリスとは対照的だった。
一方サイナス伯爵やエノクにとっては青い顔処ではない。恐らく家人すらも初めて見る、真っ赤な顔で激怒する伯爵の姿である。
「アリス=ガーランド! こうも、ここまで我々を嘲るというのか? 何故ここまで後手に回る? 追い詰められる? 相手は公爵家とは言え14歳の小娘だぞ? いつからだ? 何処で罠に嵌まった? 宰相家とはこれ程手強いのか?」
手の平の上で遊ばれたと言っていい状況。
格の違いを見せつけられてしまい、サイナス伯の心は折れ掛けていた。
だが、エノクも伯爵を鼓舞する言葉を見出だせないでいる。
この状況で一番応えていないのがフローラである。
「言ったわよ? 太刀打ち出来ないって。どうする? フローラじゃなくてルイーゼとしてぶつかった方が良かったかもしれないわね。アリス=ガーランド! 案外ルイーゼ・プリム=ロズファンバルグでぶつかれば、また違う話が出来たかもしれない」
「ふざけるな、ルイーゼ。皇族とは言え本来反逆者の娘として処刑されてもおかしくないお前を、皇太子殿下の命でこうして使っているのだ。帝国と皇家に感謝して命ぜられたまま働けば良い」
「ハイハイ。で、どうするの? 多分戦争準備工作は無理。最も私は戦争準備をしているつもりはないけど」
エノクを睨み付けるフローラ。
「戦争はしないのではなかったのか? だからこそサイナス伯爵家は、この計画に一枚噛んだのだ」
「勿論ですわ、お養父様。王族と親しくなり、こちらに都合のいい国交を樹立する。今回はそれが目的です」
赤くなったり青くなったり。サイナス伯は少し情緒不安定になりつつある。そう見てとったフローラは、微笑んで養父に答えた。
「リージャ、お茶は用意出来ましたか?」
「はい、お嬢様。こちらに」
ミントの香りがするお茶の匂いが漂いだす。部屋の雰囲気が柔らかくなっていった。
「お養父様、ガントも」
「お嬢様もどうぞ。このままでは来週のスラム支援に等行けません。その、お嬢様。今回は私も侍女として参加致しますわ」
「そうね。例の件、頼まざるを得なくなっているものね」
落ち着かない男2人は、このフローラとリージャのやり取りを聞き逃してしまっていた。
そして、スラム支援の日がやって来る。
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