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3. 今さら何言ってんの?
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「真里?」
「殿下?彼女はマリーではなくマーガレットですわ?殿下?どうなされたのですか」
私を突き飛ばした筈の王太子殿下の様子がヘン。
何?今更気遣うって…、は?今なんて?
真里って…?
いえ、空耳ね。
転生のショック?私も頭が回り切らないみたい。
それに、確か、このゲームは…。
この後は…、思い出せ!私‼︎
思い出せ!
…そうだ!王道ルートで修道院。でも…。
闇堕聖女ルートならば、私は謀殺される。
家を護る為に、家族も私を捨てる!
でも、それがわかっていれば。
何せ、悪役令嬢マーガレットのスペックはめちゃくちゃ高い。
ならば!
私は立ち上がると
「分かりました。婚約破棄に同意致しますわ、王太子殿下。どうぞミリア様と良き王室を御造り下さいませ」
⁉︎
今のミリアの表情は?
これは、闇堕聖女ルート確定?
だとすると、私が亡き者になるのも確定って訳ね。こうしてはいられないわ。
「ま、待て!何処へ行く?」
「もう、わたしがこの場にいる必要はないと存じます。それとも、此処で壁の花に成れと仰せでしょうか?」
精一杯の笑顔。うん、中々会心の笑みが出来てるじゃない?ウフフ。
「何を、何を笑う!其方に出来る事は泣いてミリアに…、謝罪する事であろうが‼︎」
今の間は何?
傲慢で、頭悪そうないつもの殿下と少し違うかもしれないけど…。
「謝罪ですか?」
「言ったろう、其方は徒党を組んでミリアを虐めてきたと」
「徒党を?何故でしょう。この私が男爵令嬢と相対するのに人の手を借りるとでも?」
「⁉︎」
「そ、其方は今に於いてもミリアを見下すのか」
「あぁ、ミリア様でしたわ」
「ぐ、くっ、そ、そうだ。我等とて悪鬼魔族では無い。此処で反省し心より謝罪するというのならば」
「どうぞ、お構いなく。私はこの場より去るだけですので」
「どうあっても彼女に謝罪はせぬと?」
「そもそも徒党を組んで虐めたとは」
「そんな!皆で私を」
「他の者が何か言いましたか?あの時、私のみが貴女に注意を促しただけ」
「だって、そっちの取り巻きが」
「み、ミリア?」
本当に礼儀を知らないのかしらね。
取り巻きなんて。貴女が言えるのは御学友と言う表現のみよ。
「そもそも婚約者のいる殿方への距離感を指摘しただけですわ。皆も思っていた様ですが、敢えて私のみが、御換気申し上げただけです。その様な良識では今後の王妃教育が苦労なさいますわよ、ミリア様」
あの暗い眼の輝きは?
どうやら本当に闇堕聖女の様ね。此方も調子に乗り過ぎたかしら?
「ミリア、そうなのか」
「だって、私はただ普通に親しくしたかっただけで」
「そうか、そうだな。マーガレット!ならば今少し言い方と言うモノも有ろう‼︎ そうだ。謝罪もだが、其方がミリアに尽くし、その辺りを優しく指導する事で…」
何故?
アルフォート殿下は、何故私を引き止めるのでしょう。今迄の殿下ならば、私の顔など見たくも無い筈。
コッチだって。
謀殺される未来が待っているというのに、その相手たる御仁に指導なんて、御免被りますわ。
「私の時もそうでした。王城の教育係はとても優秀です。私の指導など児戯に等しいでしょう」
だから、この場をとっとと去らして頂けないでしょうか?
「何故だ、何故離れ様とする」
?
何を言ってるの?
何が言いたいの?
あれ程、私の存在をも無くそうとなさっていたのに。
「今更、私に何をさせたいのでしょうか」
「だから謝罪と、それに」
「ミリア様!申し訳ございませんでした‼︎」
「な…」
これでいいのよね。
兎に角、一旦帰宅して…。
「殿下?彼女はマリーではなくマーガレットですわ?殿下?どうなされたのですか」
私を突き飛ばした筈の王太子殿下の様子がヘン。
何?今更気遣うって…、は?今なんて?
真里って…?
いえ、空耳ね。
転生のショック?私も頭が回り切らないみたい。
それに、確か、このゲームは…。
この後は…、思い出せ!私‼︎
思い出せ!
…そうだ!王道ルートで修道院。でも…。
闇堕聖女ルートならば、私は謀殺される。
家を護る為に、家族も私を捨てる!
でも、それがわかっていれば。
何せ、悪役令嬢マーガレットのスペックはめちゃくちゃ高い。
ならば!
私は立ち上がると
「分かりました。婚約破棄に同意致しますわ、王太子殿下。どうぞミリア様と良き王室を御造り下さいませ」
⁉︎
今のミリアの表情は?
これは、闇堕聖女ルート確定?
だとすると、私が亡き者になるのも確定って訳ね。こうしてはいられないわ。
「ま、待て!何処へ行く?」
「もう、わたしがこの場にいる必要はないと存じます。それとも、此処で壁の花に成れと仰せでしょうか?」
精一杯の笑顔。うん、中々会心の笑みが出来てるじゃない?ウフフ。
「何を、何を笑う!其方に出来る事は泣いてミリアに…、謝罪する事であろうが‼︎」
今の間は何?
傲慢で、頭悪そうないつもの殿下と少し違うかもしれないけど…。
「謝罪ですか?」
「言ったろう、其方は徒党を組んでミリアを虐めてきたと」
「徒党を?何故でしょう。この私が男爵令嬢と相対するのに人の手を借りるとでも?」
「⁉︎」
「そ、其方は今に於いてもミリアを見下すのか」
「あぁ、ミリア様でしたわ」
「ぐ、くっ、そ、そうだ。我等とて悪鬼魔族では無い。此処で反省し心より謝罪するというのならば」
「どうぞ、お構いなく。私はこの場より去るだけですので」
「どうあっても彼女に謝罪はせぬと?」
「そもそも徒党を組んで虐めたとは」
「そんな!皆で私を」
「他の者が何か言いましたか?あの時、私のみが貴女に注意を促しただけ」
「だって、そっちの取り巻きが」
「み、ミリア?」
本当に礼儀を知らないのかしらね。
取り巻きなんて。貴女が言えるのは御学友と言う表現のみよ。
「そもそも婚約者のいる殿方への距離感を指摘しただけですわ。皆も思っていた様ですが、敢えて私のみが、御換気申し上げただけです。その様な良識では今後の王妃教育が苦労なさいますわよ、ミリア様」
あの暗い眼の輝きは?
どうやら本当に闇堕聖女の様ね。此方も調子に乗り過ぎたかしら?
「ミリア、そうなのか」
「だって、私はただ普通に親しくしたかっただけで」
「そうか、そうだな。マーガレット!ならば今少し言い方と言うモノも有ろう‼︎ そうだ。謝罪もだが、其方がミリアに尽くし、その辺りを優しく指導する事で…」
何故?
アルフォート殿下は、何故私を引き止めるのでしょう。今迄の殿下ならば、私の顔など見たくも無い筈。
コッチだって。
謀殺される未来が待っているというのに、その相手たる御仁に指導なんて、御免被りますわ。
「私の時もそうでした。王城の教育係はとても優秀です。私の指導など児戯に等しいでしょう」
だから、この場をとっとと去らして頂けないでしょうか?
「何故だ、何故離れ様とする」
?
何を言ってるの?
何が言いたいの?
あれ程、私の存在をも無くそうとなさっていたのに。
「今更、私に何をさせたいのでしょうか」
「だから謝罪と、それに」
「ミリア様!申し訳ございませんでした‼︎」
「な…」
これでいいのよね。
兎に角、一旦帰宅して…。
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