33 / 67
召喚者達
33.
しおりを挟む
グランザイア帝国内ミズル公国。
その後継子息(孫)が起こした乱行は、ベルン王国の密偵の工作から貴族闘争へと飛火し、隣のモルド辺境伯との内戦状態に陥る筈。それがゲーム内での歴史だった。
この内戦で西の国境守備兵たるモルド辺境伯の近衛騎士団が動く事になり、その隙をついてミリシア王国が侵攻し、辺境伯の領地の半分とミズル公国がミリシアのモノとなる。
ミリシア王国が第3国の地位を確保する歴史的事件だったのだ。
異世界人にとって、今自分達のいる世界がゲームとは違う事をハッキリと示した事件となったので、改めて「何故自分達が召喚されたのか?」を問い直す懸案となった。
ちなみに、ベルン王国の工作にも関わらずミリシアが漁夫の利を得る事で終わったのは、この間ベルン王国が動けなかったからである。
北の『魔の山』と呼ばれるパンタン山脈に『闇竜ヴァルザール』が飛来した事に端を発し、そこから王都へ向かって魔物暴走が発生していたのだ。
此方はゲーム内の歴史通りに発生していて、異世界人を含む高レベル冒険者が王国軍と共に鎮圧に駆り出されていた。
そして、歴史が変わった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「まずは感謝を。皇女殿下」
「もう、堅苦しい話はやめて。ドリス」
私の前で親しげに話しているのは帝国皇女リスティア殿下とモルド辺境伯令嬢ドリス様。何でも旧い友人なんだとか。
ヒカリと言う名が示す通り私は、この世界で言う異世界人だ。でも私達は自称召喚者と呼んでいる。
あのいきなりの天の声に導かれて私とハヤトはカートライトバーグを召喚の地に選んだ。ハヤトとケンタの3人パーティ『光速』として『失われた世界』に来たつもりだった。
でもケンタは召喚ではなくて転生を選んだ。
結果、ケンタはLv1の赤ん坊としてこの世界に来たらしい。
「俺、コッチの転生ってのでやってみるよ」
あの時、何としてでも止めるべきだったの。
私とハヤトがこの世界に来た時、近くに血塗れの産着があって…。
街中に召喚されず、街道筋の森の中に私達は出現したみたいで。ケンタも同じく。でも森の中に赤ん坊でいても直ぐ魔物に襲われてしまう。
街中、それも出産の形で転生されなければ生きていけない。私達をこの世界に送り込んだ『天の声』は、そういう考慮を全くしてくれていなかった。
唯駒を送っただけ。
どう動くか。どう世界が変わるか。それを見たいだけで、駒の生き死にには全然興味が無い。そうとしか取れなかった。
カートライトバーグは、帝国三公ミズル公爵の領都だから治安も良く住みやすいと思ったのに。次期公爵ジョンの所為で、バカ領主の被害を受ける最悪の街となっていた。ハヤトと私は隣街へ移り、そこで冒険者ギルドに登録した。
私達は直ぐにランクBのパーティとして登録された。
元々異世界人はこの世界の者よりステータスが高い。その上今回の召喚者はゲーム内でも上位有数の冒険者達だ。『地上の星』や『裁きの刄』程ではないけど私達『光速』もそこそこ名の知れたパーティ。シーフのケンタがいない事は索敵に不安を残したけど、戦闘力に関しては僧侶戦士の私と侍~東方の魔法剣士であるハヤトの2人でも充分対応出来た。
そこからその領~モルド辺境伯の領都ヒルズボードへと拠点を移した私達は、辺境伯令嬢ドリス様の知己を得た。
以来、側近として動いている。
ゲーム内の歴史を知る私達はドリス様にミリシア王国の事を注意喚起する形で伝えた。
それが巧くいき、またドリス様の旧友リスティア皇女殿下のお働きもあってミズル公国の動乱はバカ公孫のヤラカシで終わり、モルド辺境伯領が侵攻される事も無くなった。
その御礼も兼ねてドリス様は皇女殿下を訪ねてきている。今の私は護衛を兼ねた従騎士扱いだ。
「貴女がヒカリさんね?今回の件ではミリシアの動きを注意喚起して下さったそうね」
「ドリス様にはひとかたならぬお世話になりました。その恩を少しでも返せたらと思いまして」
「充分すぎるわ、ヒカリ。本当に感謝しています。それに貴女達が召喚されたカートライトバーグに居続けた時の事を考えると…。よくぞヒルズボードに来てくれました」
私のゲームキャラはドリス様より年上だ。日本での実年齢でも大学生だったのであまり違和感を感じていない。それはハヤトも同じ。大学処か住む県も違っていたがSNSではよくやり取りしていたしオフ会で1度と言わず会った事もある。本当ならケンタも…。特にハヤトはケンタと同じ大学だったそうだからショックは大きかったみたいだけど…。
私達のアバターは本人アレンジパターン。
だからこの世界ではちょっと違和感ある黒髪黒目。2人して東方出身の異世界人という事になってる。
「そう言えば殿下の元には件のテイマーがいましたね」
私も気になる存在。
ステータスって言うか、レベルやランクだけみると召喚者もとい異世界人としか思えない少年。でもゲーム内で高レベル高ランクのテイマーなんて存在しない。元々テイマーって不遇職。上位職にも関わらずステータスが軒並み下がってしまう上にその後の成長も実に非効率。やってられない。
しかもゲーム内で『滅びの魔女』に子供なんていなかった。ならば転生者?だとしたら年齢が合わない。ケンタは赤子になったが為に命を落としたのだから。
噂になっているのはあの『地上の星』の魔法戦士。彼は召喚時にパーティから離れたらしい。そして件のテイマーと一部同じ特徴を持っていると。
波目。そして魔法剣。
和かに笑みを浮かべている童顔。その為か紅眼が目立ってない。
その紅眼が問題なんだ。
アバターで紅眼は選べない。
これは人族は勿論獣人亜人にも無い瞳色。唯一魔族のみが持つ事になってる。
魔女は白子という設定故に人族なのに紅眼って事になってた。
その子に遺伝するのは分からなくもないけど、お陰で彼の存在に疑問符が付きまくり。私達召喚者の中でも1番の謎なの。
「丁度今皇都に来ているわ。陞爵の式典があるのよ」
その後継子息(孫)が起こした乱行は、ベルン王国の密偵の工作から貴族闘争へと飛火し、隣のモルド辺境伯との内戦状態に陥る筈。それがゲーム内での歴史だった。
この内戦で西の国境守備兵たるモルド辺境伯の近衛騎士団が動く事になり、その隙をついてミリシア王国が侵攻し、辺境伯の領地の半分とミズル公国がミリシアのモノとなる。
ミリシア王国が第3国の地位を確保する歴史的事件だったのだ。
異世界人にとって、今自分達のいる世界がゲームとは違う事をハッキリと示した事件となったので、改めて「何故自分達が召喚されたのか?」を問い直す懸案となった。
ちなみに、ベルン王国の工作にも関わらずミリシアが漁夫の利を得る事で終わったのは、この間ベルン王国が動けなかったからである。
北の『魔の山』と呼ばれるパンタン山脈に『闇竜ヴァルザール』が飛来した事に端を発し、そこから王都へ向かって魔物暴走が発生していたのだ。
此方はゲーム内の歴史通りに発生していて、異世界人を含む高レベル冒険者が王国軍と共に鎮圧に駆り出されていた。
そして、歴史が変わった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「まずは感謝を。皇女殿下」
「もう、堅苦しい話はやめて。ドリス」
私の前で親しげに話しているのは帝国皇女リスティア殿下とモルド辺境伯令嬢ドリス様。何でも旧い友人なんだとか。
ヒカリと言う名が示す通り私は、この世界で言う異世界人だ。でも私達は自称召喚者と呼んでいる。
あのいきなりの天の声に導かれて私とハヤトはカートライトバーグを召喚の地に選んだ。ハヤトとケンタの3人パーティ『光速』として『失われた世界』に来たつもりだった。
でもケンタは召喚ではなくて転生を選んだ。
結果、ケンタはLv1の赤ん坊としてこの世界に来たらしい。
「俺、コッチの転生ってのでやってみるよ」
あの時、何としてでも止めるべきだったの。
私とハヤトがこの世界に来た時、近くに血塗れの産着があって…。
街中に召喚されず、街道筋の森の中に私達は出現したみたいで。ケンタも同じく。でも森の中に赤ん坊でいても直ぐ魔物に襲われてしまう。
街中、それも出産の形で転生されなければ生きていけない。私達をこの世界に送り込んだ『天の声』は、そういう考慮を全くしてくれていなかった。
唯駒を送っただけ。
どう動くか。どう世界が変わるか。それを見たいだけで、駒の生き死にには全然興味が無い。そうとしか取れなかった。
カートライトバーグは、帝国三公ミズル公爵の領都だから治安も良く住みやすいと思ったのに。次期公爵ジョンの所為で、バカ領主の被害を受ける最悪の街となっていた。ハヤトと私は隣街へ移り、そこで冒険者ギルドに登録した。
私達は直ぐにランクBのパーティとして登録された。
元々異世界人はこの世界の者よりステータスが高い。その上今回の召喚者はゲーム内でも上位有数の冒険者達だ。『地上の星』や『裁きの刄』程ではないけど私達『光速』もそこそこ名の知れたパーティ。シーフのケンタがいない事は索敵に不安を残したけど、戦闘力に関しては僧侶戦士の私と侍~東方の魔法剣士であるハヤトの2人でも充分対応出来た。
そこからその領~モルド辺境伯の領都ヒルズボードへと拠点を移した私達は、辺境伯令嬢ドリス様の知己を得た。
以来、側近として動いている。
ゲーム内の歴史を知る私達はドリス様にミリシア王国の事を注意喚起する形で伝えた。
それが巧くいき、またドリス様の旧友リスティア皇女殿下のお働きもあってミズル公国の動乱はバカ公孫のヤラカシで終わり、モルド辺境伯領が侵攻される事も無くなった。
その御礼も兼ねてドリス様は皇女殿下を訪ねてきている。今の私は護衛を兼ねた従騎士扱いだ。
「貴女がヒカリさんね?今回の件ではミリシアの動きを注意喚起して下さったそうね」
「ドリス様にはひとかたならぬお世話になりました。その恩を少しでも返せたらと思いまして」
「充分すぎるわ、ヒカリ。本当に感謝しています。それに貴女達が召喚されたカートライトバーグに居続けた時の事を考えると…。よくぞヒルズボードに来てくれました」
私のゲームキャラはドリス様より年上だ。日本での実年齢でも大学生だったのであまり違和感を感じていない。それはハヤトも同じ。大学処か住む県も違っていたがSNSではよくやり取りしていたしオフ会で1度と言わず会った事もある。本当ならケンタも…。特にハヤトはケンタと同じ大学だったそうだからショックは大きかったみたいだけど…。
私達のアバターは本人アレンジパターン。
だからこの世界ではちょっと違和感ある黒髪黒目。2人して東方出身の異世界人という事になってる。
「そう言えば殿下の元には件のテイマーがいましたね」
私も気になる存在。
ステータスって言うか、レベルやランクだけみると召喚者もとい異世界人としか思えない少年。でもゲーム内で高レベル高ランクのテイマーなんて存在しない。元々テイマーって不遇職。上位職にも関わらずステータスが軒並み下がってしまう上にその後の成長も実に非効率。やってられない。
しかもゲーム内で『滅びの魔女』に子供なんていなかった。ならば転生者?だとしたら年齢が合わない。ケンタは赤子になったが為に命を落としたのだから。
噂になっているのはあの『地上の星』の魔法戦士。彼は召喚時にパーティから離れたらしい。そして件のテイマーと一部同じ特徴を持っていると。
波目。そして魔法剣。
和かに笑みを浮かべている童顔。その為か紅眼が目立ってない。
その紅眼が問題なんだ。
アバターで紅眼は選べない。
これは人族は勿論獣人亜人にも無い瞳色。唯一魔族のみが持つ事になってる。
魔女は白子という設定故に人族なのに紅眼って事になってた。
その子に遺伝するのは分からなくもないけど、お陰で彼の存在に疑問符が付きまくり。私達召喚者の中でも1番の謎なの。
「丁度今皇都に来ているわ。陞爵の式典があるのよ」
10
お気に入りに追加
332
あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。

伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる