みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜

ノデミチ

文字の大きさ
7 / 37
幼女が街にやって来た

7.この子、どこの子?

しおりを挟む
 少女…アイラとか言ったか?
 何を聞いても泣いてばかりだ。

 フォルトとしては、あの沼地の畔の事を確認したいのだが…。

「フォルト様、シャトナー伯がお呼びです」

 御領主様が?何故此方に?

 少女達がいる一室の隣の部屋。
 そこからは壁にかかる幻惑の魔法のお陰で、隣が見渡せる様になっている。あの部屋からは壁にしかみえないのだが、部屋を見渡せる窓があるのだ。

 御領主、ジェイムス=シャトナー伯爵はそこで彼女を見ていた。

「御領主様、お呼びと伺いましたが…」
「気になる事があってね。この目で確かめておきたくてね。あの子だね。君が言っていた沼地に住んでいるやもしれぬ少女とは」
「私自身、突飛な考えとは承知しております。ですが、どうしてもそう感じてしまうのです。あの様な森の中で暮らすには、彼女はあまりにも幼過ぎます。ですが、あの時見た光景。日に閃く髪の色とか、あの子にしか見えません。それに、あの時そばに居た大きな亀と狼も気になります」
「ふむ」

 何か考え込んでいた御領主様は、被りを振って部屋を出ていかれてしまった。

 いったいあの子に何が?

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 何を聞いても泣いてばかり。
 もう、お父さんったら、どんだけこの子を怖がらせたと言うの?

「レーナ、これ以上は無理じゃないか?その子の負担も大き過ぎるし、どうもこの子は、この辺りの地理がわかってないみたいだ」

 ギルドの上役スレインさんも、そう思ってるんだ。

 でも、何か違和感があるのよ、この子。

 ギルドで換金受付した時にも感じたけど、この子の書く文字、とても綺麗だった。お金もわかっていたし、計算も出来る様にみえた。

 見た目は兎も角、印象が子供っぽく無いのよね。
 後、髪や肌の綺麗さと衣服の粗末さが不釣り合い。なんて言うか、貴族の子女が、わざわざ捨てられていた衣類に着替えてきたかの様な雰囲気があるの。
 衣類にしても、粗末過ぎる割には綺麗に洗ってあるみたいだし。それにところどころ繕ってる箇所も見受けられるし。

 だから変装用に用意されたボロ布着だと思うのだけど…。

「今日も素材の換金に来たのかな」

 ベソかいて、しゃくり上げながら頷く子供。
 ポシェットから牙や魔石を取り出す。

 …アタックドッグだわ。ほぼ野生化した犬。
 攻撃力も動きも大した事はない魔物。ゴブリンやウルフのエサに狩られる程度の魔物だけど、それでも子供に倒される筈がない。

 処理も丁寧で綺麗。

 結論。誰か大人が一緒にいる。でも、ならば何故、この子1人にお遣いをさせるんだろう。身動きとれないのかしら?

「ね、これ、お父さん?それともお母さんがしたのかな?」

 は?被りを振る?

「いない…」

 え?この子、両親いないの?そう言ったの?
 それとも…。

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 ギルド内の隠し部屋。
 そこから見て、やはりと思った。

 ジェイムス=シャトナーは彼女に会った事がある…。

 サイモン公爵家の御息女だ。

 名も"アイラ"だったし、容姿も数年前の記憶と一致する。

 尤も、確か公爵がお気に入りの侍女に産ませてしまった子だったが…。産後の肥立ちが悪く侍女は亡くなったと聞いた。
 彼女を喪った哀しみをぶつけられつつも、娘として認知し養育していたのだが…。

 そう、あの子は…。
 『鑑定』前に病死したと公表されている。

 だが、闇の噂も聴こえてきた。

 曰く「才能スキル無しの子だったので処分されてしまった」のだと。

 あの子が本当に"アイラ=サイモン"ならば、あの森の沼地近くに捨てられたという事になる。つまり噂は事実だったと。

 才能スキル無し。

 本当に?
 何の才能スキルも無い幼女が、あの森で生きられるのか?

 彼女は…、何者だ?
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。 享年は25歳。 周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。 25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...