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7.女神様の代理人
邂逅
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あ、やっぱり。
王太子ルーク=リンドガイアは、警護隊と婚約者リスティア=ミリューがやり合った!と聞いてただ納得したらしい。
「会って話さなきゃ」
あの後、家に帰ってお父様と話しました。
私が警護隊とやり合った事。お父様の立場を不味くしてるのは間違いなく、その事だけは謝らなきゃって思ったのです。
でも、お父様はただ、
「思う通りにやってみろ!私に遠慮することはない。警護隊本部へはこっちから言っておく」
顰めっ面なのでちょっぴり怖かったです。
王宮でも、静観派と拘束派で大分議論が紛糾したらしいです。
静観派は教皇グラント公爵。拘束派は宰相キャメロン公爵。お父様も拘束派ではあるとの事。
それくらい『ディロスガイア』の名は王国に危機感を覚えさせたらしいです。
「で、お前はどうする?」
「まずは会ってからです。今は、私と同じ事してるだけですので。会ってゆっくり話がしたいんです」
「少し時間をやろう。あまりやれんかもしれぬが、まずはお前にこの件預ける。陛下と宰相閣下には私から話す」
「ありがとうございます、お父様」
後はルーク様に謝らなきゃ!
翌日、学校でルーク様を探します。
ただ私が王宮と、警護隊とやり合った事、噂が広まりザワザワした雰囲気になってました。
「リスティア!」
「ルーク様。あの、ふぇ?」
私、また抱き締められました。
「困った人だよ、キミは」
「あの、ルーク様? あの、みんな見てます」
人前でここまでしっかり抱き締められたのは久しぶりです。
「うん、まずは私の態度をハッキリとさせておくよ。リスティア! キミとの婚約を解消する事は絶対にない!」
「…ありがとうございます、王太子殿下」
強く抱き締められ想われてるって、愛されてるって伝わってきました。私、本当に幸せです。ありがとうございます、ルーク様。
昨日のお父様とのやりとりをルーク様に伝えました。
「ふむ。まずは会わなきゃ何もできんな!王宮は何とかするよ。ミリュー公の掩護射撃もしないとね」
「ありがとうございます、ルーク様」
「キミはなるべく早く『黒き聖女』と会ってくれ。実はキリー=ゴーマが謹慎先の教会から失踪した。警護隊も神経質になっているんだ」
学校帰りに再び貧民窟へ。
昨日の少年、ドウン=シールの元に向かいました。
でも昨日の場所には誰一人居なかったのです。
「お嬢様、警護隊に目をつけられたので住みかを変えたと推察されます。こうなると宛はなくなりますがどうされます?」
「何とか人の気配でも分かれば…、そうだ!探知魔法カルディナで探ってみる」
倍掛けして広域探索。行っけ~!
「カルディナ‼︎」
奥の川の隅、下水道の出口のところ。よし!
貧民窟から海の方に向かい河口の近く下水道の出口の辺り。何人かいて、そこでドウンの事訪ねます。
うん、いた。
「え?聖女様? うわ!何でこんなすぐ突き止められんのかよ」
「魔法、色々応用すればね」
私の答にちょっぴり不貞腐れてます。
「まさか!ホントに『黒き聖女』の居場所知ってるの?なら、教えて?あ、ううん、伝えて‼︎私が会いたがってるって」
「会ってどうすんです?捕まえる?」
「まずは話してから。同じ事してるだけだもん!協力しあえる事もあるかもしれないし」
「協力? 私と? フフ、本当に規格外でいらっしゃるのですね」
下水道の方から声?
そこから少し年上?に見える黒いドレスの少女が出てきました。
「『白き聖女』『神竜の愛娘』と呼ばれているリスティア様? ですね?」
「貴女は?」
「私は、レベッカ。レベッカ=フォール」
白と黒の聖女。合間見えました。
王太子ルーク=リンドガイアは、警護隊と婚約者リスティア=ミリューがやり合った!と聞いてただ納得したらしい。
「会って話さなきゃ」
あの後、家に帰ってお父様と話しました。
私が警護隊とやり合った事。お父様の立場を不味くしてるのは間違いなく、その事だけは謝らなきゃって思ったのです。
でも、お父様はただ、
「思う通りにやってみろ!私に遠慮することはない。警護隊本部へはこっちから言っておく」
顰めっ面なのでちょっぴり怖かったです。
王宮でも、静観派と拘束派で大分議論が紛糾したらしいです。
静観派は教皇グラント公爵。拘束派は宰相キャメロン公爵。お父様も拘束派ではあるとの事。
それくらい『ディロスガイア』の名は王国に危機感を覚えさせたらしいです。
「で、お前はどうする?」
「まずは会ってからです。今は、私と同じ事してるだけですので。会ってゆっくり話がしたいんです」
「少し時間をやろう。あまりやれんかもしれぬが、まずはお前にこの件預ける。陛下と宰相閣下には私から話す」
「ありがとうございます、お父様」
後はルーク様に謝らなきゃ!
翌日、学校でルーク様を探します。
ただ私が王宮と、警護隊とやり合った事、噂が広まりザワザワした雰囲気になってました。
「リスティア!」
「ルーク様。あの、ふぇ?」
私、また抱き締められました。
「困った人だよ、キミは」
「あの、ルーク様? あの、みんな見てます」
人前でここまでしっかり抱き締められたのは久しぶりです。
「うん、まずは私の態度をハッキリとさせておくよ。リスティア! キミとの婚約を解消する事は絶対にない!」
「…ありがとうございます、王太子殿下」
強く抱き締められ想われてるって、愛されてるって伝わってきました。私、本当に幸せです。ありがとうございます、ルーク様。
昨日のお父様とのやりとりをルーク様に伝えました。
「ふむ。まずは会わなきゃ何もできんな!王宮は何とかするよ。ミリュー公の掩護射撃もしないとね」
「ありがとうございます、ルーク様」
「キミはなるべく早く『黒き聖女』と会ってくれ。実はキリー=ゴーマが謹慎先の教会から失踪した。警護隊も神経質になっているんだ」
学校帰りに再び貧民窟へ。
昨日の少年、ドウン=シールの元に向かいました。
でも昨日の場所には誰一人居なかったのです。
「お嬢様、警護隊に目をつけられたので住みかを変えたと推察されます。こうなると宛はなくなりますがどうされます?」
「何とか人の気配でも分かれば…、そうだ!探知魔法カルディナで探ってみる」
倍掛けして広域探索。行っけ~!
「カルディナ‼︎」
奥の川の隅、下水道の出口のところ。よし!
貧民窟から海の方に向かい河口の近く下水道の出口の辺り。何人かいて、そこでドウンの事訪ねます。
うん、いた。
「え?聖女様? うわ!何でこんなすぐ突き止められんのかよ」
「魔法、色々応用すればね」
私の答にちょっぴり不貞腐れてます。
「まさか!ホントに『黒き聖女』の居場所知ってるの?なら、教えて?あ、ううん、伝えて‼︎私が会いたがってるって」
「会ってどうすんです?捕まえる?」
「まずは話してから。同じ事してるだけだもん!協力しあえる事もあるかもしれないし」
「協力? 私と? フフ、本当に規格外でいらっしゃるのですね」
下水道の方から声?
そこから少し年上?に見える黒いドレスの少女が出てきました。
「『白き聖女』『神竜の愛娘』と呼ばれているリスティア様? ですね?」
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