35 / 90
6.王太子妃(予定)の日常
復興
しおりを挟む
とある場所
「ほう、骨竜を倒しましたか。しかも光神銀竜?素晴らしい!本当に女神グランガイアの代理なのかな?」
「次はいかが致しましょう?」
「次?次などありません。これは実験でしかない。言ったはずです。リンドガイアに怨みはないと。聖女にしてもそう。なので拠点を移します」
「ですが」
「あなたに任せます。気になるならご自身でやってみることですね」
「わかりました。どうぞ吉報をお待ちください!使徒モルド」
「ほう?くくく、けけけけけけけけ!」
骨竜やゾンビ、アンデッドの襲来は王国に大きな爪痕を残しました。
ラドー村とマール村は壊滅。ゾンビのせいで不浄の地となってしまっていました。
港町ジノスもアンデッド巨大イカが暴れて港の機能は無くなりました。
港町バノアは、港の機能はあるものの海の濁りが消えず未だに魚が捕れません。
この復興、保証を国庫で賄う事になったので人々に希望が残りました。
「王国で復興してもらえるそうだ」
「ありがたや。国が全部みてくれるなんて初めてじゃねえか?」
「何でも聖女リスティア様の申し出だそうな。ご自分の褒美を全て復興に使って欲しい、と」
「ありがたや、ありがたや。聖女様々だ」
そんな面映ゆい声を聞きながら、私達は今、ラドー村に来ています。
不浄の地となり大地が腐敗し始めていました。
「お嬢様、範囲ですが…」
「〇〇くらいだよね。だから神聖魔法三倍掛けでいいはず」
あれ?チェレン?
「どうして高等算術習っている私より計算が速いのですか?しかも、たまにこの世界に無い計算式使ってますよね」
うん、この世界に掛け算・割り算は無い。
前世の知識に感謝。
「大地を浄化します。エリア・ターン!(三倍掛け)」
私の足下から魔法陣が拡がっていく。
聖なる光が拡がっていく。
ゆっくりしっかり。大地が蘇っていく。
元の村全体を光が覆い尽くし腐敗臭が無くなりました。
「これで大丈夫です。また暮らせます。耕せます。すぐは無理でも、いつか実り豊かな地に戻ると思うんです」
オオー!
「ありがたや。ありがたや」
「聖女様、感謝致します」
村人からの感謝にちょっと圧倒されました。
でも大変なのはこれからです。私は魔法を使うだけ。一から畑や果樹を作らないといけない村人に比べたら。
少しずつコツコツ確実に前に進めたら。
「はい!リスティア嬢、お疲れ様。次は色々お片付けです」
マクレイン先生の声。私達、散らばってお片付け。授業中身を変更しての奉仕活動。作法の講義が無くなりホッとしている学生多数。カイルなんか算術も無くなればって言ってた。
「算術まともに出来るの数名なのよ、このクラス。とても潰せないわね?」
だそうだよ、カイル。
集まったゴミや廃材、適当なところで一気に燃やしちゃいます。
「次は私が。ファイヤーボール!」
ローラの魔法が炸裂し一気に燃やし尽くします。
「威力上がってる!流石ローラ」
「リスティア様に言われても」
「何せお嬢様、規格外ですし」
フフフフフ。私、炎属性最大のLv7 爆裂魔法ギガ・フレイム覚えたんだ!
「今こそ、炸裂の時!!」
「「やめて!死ぬから」」
そんな本気で涙目になって訴えなくても?私、人に魔法撃ったこと無いのに!
「やると思います?」 解せぬ。
「いや、威力がね?それに君はもうドラゴン・スレイヤーだし」
?ルーク様もそう思ってるの?私、人に向けて撃つと。ふぁ?
「あー?カイルの言動のせいかな?」
やさしく抱きすくめながら何気に酷くないですか?ルーク様。
「やっぱカイルのせいか!」
「お嬢?殿下!濡れ衣⁉︎」
「いたな?諸悪の根元め!」
「お嬢!怒ってるの?いちゃついてるの?」
怒ってる!
けどルーク様に抱きすくめられると幸せだからしょうがない。
「落ち着いた?」
「ルーク様?私、そんな暴れる女じゃないですから」
「ハハハ!ゴメン。実はカイルに託つけて抱き締めてる」
うわぁ。そんな正直な物言い。私、赤くなっちゃう。
「お嬢と殿下がどんどんバカップルになっていく」
聞捨てなりません。カイルを睨んで、
「カイル?諸悪の根元って自覚無いわね?ほら、回りも魔法撃たれてもやむ無しって顔してるよ?」
「何で? 裏切者⁉︎」
「ほう、骨竜を倒しましたか。しかも光神銀竜?素晴らしい!本当に女神グランガイアの代理なのかな?」
「次はいかが致しましょう?」
「次?次などありません。これは実験でしかない。言ったはずです。リンドガイアに怨みはないと。聖女にしてもそう。なので拠点を移します」
「ですが」
「あなたに任せます。気になるならご自身でやってみることですね」
「わかりました。どうぞ吉報をお待ちください!使徒モルド」
「ほう?くくく、けけけけけけけけ!」
骨竜やゾンビ、アンデッドの襲来は王国に大きな爪痕を残しました。
ラドー村とマール村は壊滅。ゾンビのせいで不浄の地となってしまっていました。
港町ジノスもアンデッド巨大イカが暴れて港の機能は無くなりました。
港町バノアは、港の機能はあるものの海の濁りが消えず未だに魚が捕れません。
この復興、保証を国庫で賄う事になったので人々に希望が残りました。
「王国で復興してもらえるそうだ」
「ありがたや。国が全部みてくれるなんて初めてじゃねえか?」
「何でも聖女リスティア様の申し出だそうな。ご自分の褒美を全て復興に使って欲しい、と」
「ありがたや、ありがたや。聖女様々だ」
そんな面映ゆい声を聞きながら、私達は今、ラドー村に来ています。
不浄の地となり大地が腐敗し始めていました。
「お嬢様、範囲ですが…」
「〇〇くらいだよね。だから神聖魔法三倍掛けでいいはず」
あれ?チェレン?
「どうして高等算術習っている私より計算が速いのですか?しかも、たまにこの世界に無い計算式使ってますよね」
うん、この世界に掛け算・割り算は無い。
前世の知識に感謝。
「大地を浄化します。エリア・ターン!(三倍掛け)」
私の足下から魔法陣が拡がっていく。
聖なる光が拡がっていく。
ゆっくりしっかり。大地が蘇っていく。
元の村全体を光が覆い尽くし腐敗臭が無くなりました。
「これで大丈夫です。また暮らせます。耕せます。すぐは無理でも、いつか実り豊かな地に戻ると思うんです」
オオー!
「ありがたや。ありがたや」
「聖女様、感謝致します」
村人からの感謝にちょっと圧倒されました。
でも大変なのはこれからです。私は魔法を使うだけ。一から畑や果樹を作らないといけない村人に比べたら。
少しずつコツコツ確実に前に進めたら。
「はい!リスティア嬢、お疲れ様。次は色々お片付けです」
マクレイン先生の声。私達、散らばってお片付け。授業中身を変更しての奉仕活動。作法の講義が無くなりホッとしている学生多数。カイルなんか算術も無くなればって言ってた。
「算術まともに出来るの数名なのよ、このクラス。とても潰せないわね?」
だそうだよ、カイル。
集まったゴミや廃材、適当なところで一気に燃やしちゃいます。
「次は私が。ファイヤーボール!」
ローラの魔法が炸裂し一気に燃やし尽くします。
「威力上がってる!流石ローラ」
「リスティア様に言われても」
「何せお嬢様、規格外ですし」
フフフフフ。私、炎属性最大のLv7 爆裂魔法ギガ・フレイム覚えたんだ!
「今こそ、炸裂の時!!」
「「やめて!死ぬから」」
そんな本気で涙目になって訴えなくても?私、人に魔法撃ったこと無いのに!
「やると思います?」 解せぬ。
「いや、威力がね?それに君はもうドラゴン・スレイヤーだし」
?ルーク様もそう思ってるの?私、人に向けて撃つと。ふぁ?
「あー?カイルの言動のせいかな?」
やさしく抱きすくめながら何気に酷くないですか?ルーク様。
「やっぱカイルのせいか!」
「お嬢?殿下!濡れ衣⁉︎」
「いたな?諸悪の根元め!」
「お嬢!怒ってるの?いちゃついてるの?」
怒ってる!
けどルーク様に抱きすくめられると幸せだからしょうがない。
「落ち着いた?」
「ルーク様?私、そんな暴れる女じゃないですから」
「ハハハ!ゴメン。実はカイルに託つけて抱き締めてる」
うわぁ。そんな正直な物言い。私、赤くなっちゃう。
「お嬢と殿下がどんどんバカップルになっていく」
聞捨てなりません。カイルを睨んで、
「カイル?諸悪の根元って自覚無いわね?ほら、回りも魔法撃たれてもやむ無しって顔してるよ?」
「何で? 裏切者⁉︎」
10
お気に入りに追加
1,955
あなたにおすすめの小説
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる