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4.王都の闇に、蠢く影
貧民
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校外実習が増えてきました。
医学もですが、薬学も野山に行って薬草採取。チェレンもぜぇぜぇ言いながら野山歩いています。
「チェレン、鍛え方足ンネーよ!今度特訓やろーぜ」
例によって授業空いてるカイルが護衛役でついてきてます。いつもありがとう、カイル。
「あなた方の特訓に付き合ったら動けなくなります。絶対嫌ですからね」
「あなた方? 何故に私を入れる? 」
そう、不満を口にすると?
「お嬢!俺と互角‼︎」
「お嬢様、カイル並みにやるじゃないですか!」
「ちょ? か弱い乙女を脳筋と一緒にするな!」
⁉︎カイルとチェレンだけじゃなく、薬学とってるみんなが驚くのは何故?
私、メッチャ乙女心傷付いた…。しくしく。
「お嬢!わざとらしい」
カイル!いい方!!
本当に頭にくる!って、あれ? 女の子がこっち見てる。私達より小さいよね。
「うん? 何? どうしたの?」
何か言いたげにこっちを伺ってる女の子。呼び掛けて微笑みながら近付きます。
「ひょっとして、コレ取りに来た?」
薬草を見せてみます。
「えと、ママ具合悪くてキツそうで。隣のお婆ちゃんに言ったら薬取りに行かないとないって言われて」
「薬草取りに来たんだ。ね、お婆ちゃん、何の薬草採ってきてって言ってた?」
あ、それがわかんないんだ。うん、よし!
「ね、お姉さん、おうちに行っていい?薬の事わかると思うし」
実習終わって現地解散。私達は女の子について行きます。
「お嬢様、この先は貧民区です」
「お嬢!ちょっと警戒します!」
二人の顔つき変わりました。あぁ、家々の雰囲気、王都はもちろん近隣の村とも違います。不衛生で壁や道端汚れてやや臭います。
「お姉ちゃん、ここ」
中に入ると母親らしき女性が床に横たわっています。その横にお婆ちゃん。
母親が私達に気付いて起き上がろうとしました。
「あ、そのままで。私達、王立学校の生徒です。西の野山で薬草を採取していたら、お子さん来たので何の薬草が必要なのかと思って」
「すみません。いえ、大丈夫です。ちょっと寝てたら」
そんな訳ない!近付いて顔色見ながら額に手を当てます。熱い!
「熱が!待って下さいね」
私は採取した薬草の中から熱冷ましになる『タイフィ草』取り出し軽く手揉みしました。
「湯飲み、貸してください」
受け取って水属性魔法Lv2 ピュアファイで、キレイな水を作ります。次に火属性魔法Lv1ファイアで温め、ぬるま湯にしながら手揉みした薬草を浸しました。
少し覚まして「これ、飲んでください」と渡します。
「熱冷ましです。気分良くなると思います」
「すみません。ありがとうございます」
少し落ち着いたかな?後は体力回復。
「ちょっと魔法で体力回復させます。『ヒール』」
回復魔法で優しく包み込みます。
「大丈夫? 少し楽になりました?」
「はい。はい、とても。ありがとうございます」
良かった。あ、女の子も嬉しそうです。
「ママ、もう大丈夫?」
「うん、熱下がったと思うし体力回復したから。後は栄養ある食事です」
ちょっと気になる。多分まともな食事してなさそう。子供に回して自分は二の次にしてるんだ。わかるけどこのままじゃ。
「施薬院に行かれませんか? 少し改善されないとこのままじゃ」
「ありがとうございます。でも、本当に大丈夫です」
結局、説得できずこのままということに。
ならば、
「また明日伺います!」
ママさん、びっくりされてます。
「で、ですが…」
「どうか気になさらずに。うん、なら私の医療実習にお付き合い下さいませ!」
微笑んで、でもハッキリと宣言しました。ちょっと強引かな?
このままじゃ終われません。只、何とかしたいという思いでした。
翌日から学校が終わると、この貧民区にきて介護・医療実習の名目のもと奉仕活動することにしました。制服なのでただの学生としか思われず活動もうまく受け入れられていたのです。
あの、悪い意味での貴族の方が来るまでは…。
医学もですが、薬学も野山に行って薬草採取。チェレンもぜぇぜぇ言いながら野山歩いています。
「チェレン、鍛え方足ンネーよ!今度特訓やろーぜ」
例によって授業空いてるカイルが護衛役でついてきてます。いつもありがとう、カイル。
「あなた方の特訓に付き合ったら動けなくなります。絶対嫌ですからね」
「あなた方? 何故に私を入れる? 」
そう、不満を口にすると?
「お嬢!俺と互角‼︎」
「お嬢様、カイル並みにやるじゃないですか!」
「ちょ? か弱い乙女を脳筋と一緒にするな!」
⁉︎カイルとチェレンだけじゃなく、薬学とってるみんなが驚くのは何故?
私、メッチャ乙女心傷付いた…。しくしく。
「お嬢!わざとらしい」
カイル!いい方!!
本当に頭にくる!って、あれ? 女の子がこっち見てる。私達より小さいよね。
「うん? 何? どうしたの?」
何か言いたげにこっちを伺ってる女の子。呼び掛けて微笑みながら近付きます。
「ひょっとして、コレ取りに来た?」
薬草を見せてみます。
「えと、ママ具合悪くてキツそうで。隣のお婆ちゃんに言ったら薬取りに行かないとないって言われて」
「薬草取りに来たんだ。ね、お婆ちゃん、何の薬草採ってきてって言ってた?」
あ、それがわかんないんだ。うん、よし!
「ね、お姉さん、おうちに行っていい?薬の事わかると思うし」
実習終わって現地解散。私達は女の子について行きます。
「お嬢様、この先は貧民区です」
「お嬢!ちょっと警戒します!」
二人の顔つき変わりました。あぁ、家々の雰囲気、王都はもちろん近隣の村とも違います。不衛生で壁や道端汚れてやや臭います。
「お姉ちゃん、ここ」
中に入ると母親らしき女性が床に横たわっています。その横にお婆ちゃん。
母親が私達に気付いて起き上がろうとしました。
「あ、そのままで。私達、王立学校の生徒です。西の野山で薬草を採取していたら、お子さん来たので何の薬草が必要なのかと思って」
「すみません。いえ、大丈夫です。ちょっと寝てたら」
そんな訳ない!近付いて顔色見ながら額に手を当てます。熱い!
「熱が!待って下さいね」
私は採取した薬草の中から熱冷ましになる『タイフィ草』取り出し軽く手揉みしました。
「湯飲み、貸してください」
受け取って水属性魔法Lv2 ピュアファイで、キレイな水を作ります。次に火属性魔法Lv1ファイアで温め、ぬるま湯にしながら手揉みした薬草を浸しました。
少し覚まして「これ、飲んでください」と渡します。
「熱冷ましです。気分良くなると思います」
「すみません。ありがとうございます」
少し落ち着いたかな?後は体力回復。
「ちょっと魔法で体力回復させます。『ヒール』」
回復魔法で優しく包み込みます。
「大丈夫? 少し楽になりました?」
「はい。はい、とても。ありがとうございます」
良かった。あ、女の子も嬉しそうです。
「ママ、もう大丈夫?」
「うん、熱下がったと思うし体力回復したから。後は栄養ある食事です」
ちょっと気になる。多分まともな食事してなさそう。子供に回して自分は二の次にしてるんだ。わかるけどこのままじゃ。
「施薬院に行かれませんか? 少し改善されないとこのままじゃ」
「ありがとうございます。でも、本当に大丈夫です」
結局、説得できずこのままということに。
ならば、
「また明日伺います!」
ママさん、びっくりされてます。
「で、ですが…」
「どうか気になさらずに。うん、なら私の医療実習にお付き合い下さいませ!」
微笑んで、でもハッキリと宣言しました。ちょっと強引かな?
このままじゃ終われません。只、何とかしたいという思いでした。
翌日から学校が終わると、この貧民区にきて介護・医療実習の名目のもと奉仕活動することにしました。制服なのでただの学生としか思われず活動もうまく受け入れられていたのです。
あの、悪い意味での貴族の方が来るまでは…。
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