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幕間 Ⅱ

魔女

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アイラ視点~

この日、三人の魔女が秘かに集まりました。

 元宮廷魔術師アイラ=ミリュー公爵妃。
 現宮廷魔術師ロザリー=リムル男爵妃。
 王立施薬院長ダイアナ=レイン伯爵妃。

 実は、三人同じ魔術学院。ダイアナ伯爵妃が一つ先輩。最凶三大魔女と呼ばれてた私達。

 どうやら娘のリスティアがまたやらかしたみたいです。医学界に革新的な治療。あの黒変臓病を治癒したと。

 「まだまだ研究熱心なのね、アイラ?でも、これは娘よりこちらに教えて欲しかったわ」

 恨めしげな先輩。うん、私も初耳なんですよ!

 「ここだけの話にしてほしいのですが」

 娘リスティアの秘密を話さざるを得ませんでした。

 多分異世界の転生者で、医学医療の従事者の生まれ変わりである事。記憶はないが知識と技術だけが残っている事。

 「では以前の雨季の流行り病の予防法も?」
 「はい、あの子が知ってたのです」

 雨季の頃の流行り病。吐いて下して苦しむ病。手洗いの徹底と火を通す料理にする事でかなり減らせると。
 私、アイラの名でミリュー公爵領内で広がり、領内の流行り病をほぼ撲滅したと言っていいくらいに減らし、施薬院へ報告され、今リンドガイア王国内で雨季の流行り病はその数を減らしつつありました。

 「黒変臓病は回復魔法でも治らない奇病。ヒールでもかえって大きくなってしまう。まさか切除してから回復魔法なんて目からウロコだわ」

 あの子が使ったのは補助魔法Lv1のスリープとLv2のクリア・アイにスタン、Lv3のアポート、回復魔法Lv3のハイヒール。
 少なくとも施薬院にいる魔法医療従事者と各教会で治療できる司祭はほぼ使えるレベルの魔法ばかり。
 つまり黒変臓病は不治の病から治療できる病となった革新的治療法。
 初等科一年の娘リスティアがいきなり使ってみせたのだから教会司祭から報告を受けた王立施薬院は大騒ぎして私に確認してきたのだった。

 もう、やってくれるわ、あの子。

 郊外実習から帰ってきた娘リスティアが、恐る恐る今日の出来事を話してくれた。うん、施薬院で聞いた。大騒ぎだったけどね。次からは先に教えて?
 私の可愛い娘。
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