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3.新年度、学校で

剣術

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 学校生活楽しんでます。
 たまに、あれ?ってことありますけど。

 で、今は剣術の時間です。
 模擬戦でカイルと王太子殿下護衛のマゼール=レンザーさんが戦ってます。
  殿下の幼馴染で近衛騎士団長レンザー侯爵の嫡男です。

 「流石は実技トップ!マゼールと互角?いや、押し負けてるのか?」

 殿下も驚いてます。カイル、普段の言動がアレだもんなぁ。剣技振るう時のカイルはとてもカッコいいんだけどね。ほら、周りの令嬢も黄色い声で応援してます。もちろん私も。頑張って!カイル‼︎

 「はい、そこまで!」

 模擬戦終了の掛け声。
 剣術指導の近衛騎士フリッツ=バーン先生。

 「両名ともお見事!もう騎士団に入っても大丈夫な技量です」

 試合が終わり一礼して分かれる二人。

 「実技トップは伊達じゃないね。同じ年に負けるなんて夢にも思わなかった」
 「いや、引き分けじゃないか。俺もだ。今まで負け知らずだったんだけどね」

 うわぁ、強敵って書いて『とも』っていうやつ?目の当たりにしました。うん、これ、いいな!カッコいい!! 
 「初めてカイルをカッコいいって思ったな」
 「お嬢!初めてってひどくね?」

 いつもの言動が残念すぎるんだよ、カイル。

 「カイル、理論的に無駄な動きが多いです。最初の切り結びの時の…」
 「ま、お疲れ様」

 そう言ってタオルを渡す。チェレンを遮る形で。カイル、いつも恐縮してる。主従考えると気持ちわかるけどね。うん、まだ他の子にこの役渡したくないな。

 「次はルーク殿下。相手は…」

 マゼールさんがカイルと戦ったので、殿下のお相手できる方が…。
 何かあったら?尻込みするのは仕方ないかな?先生も悩んでる?

 「私がいたします」

 まだ私やってないし、手を上げるしかない。

 え?みんなの顔!驚嘆しすぎ!先生も慌ててる?

 「先生!お嬢、俺のオヤジの指導受けてるから大丈夫!剣術、俺と互角‼︎」

 カイルの声に驚嘆はさらに広がります。

 「そ、そうか!そう言えばリスティア嬢も実技三位だったね」
 「お嬢様は剣術四位、体術六位、魔術一位です」

 チェレン、言わなくていいから。

 「どこまでも規格外なんですよ、お嬢様」

 何故でしょう。チェレンに剣を振るいたくなってきました。

  殿下の剣戟、やっぱ男の子は力強いです。でも読めます。何て言うか教本通りなので二手三手先まで。
 あ、殿下の手が止まりました。

 「私の手の内がわかる?」
 「はい、あの、殿下。その、教本通りのキレイな剣筋なので予測ついちゃいます」

 ハッキリ言い過ぎたかな?

 「ありがとうございますリスティア様。本当は私が伝えないといけないことでした」

 マゼールさんにお礼言われました。それも何だかなぁ…。

 「それにしても剣筋が分かりますか!リスティア嬢、剣士としても優秀ですね」

 だからバーン先生、驚嘆しすぎ!
 何か私、どんどん規格外認定されているのは気のせい?

 「だから、お嬢様は規格外なんですよ!」

 チェレン、覚えときなさい!
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