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1.とある公爵令嬢の話

決意

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 私のステータス、見てびっくりです。

 筋力はカイルに匹敵、わずかに負けてました。体力、知力、魔力は測定不能の文字。は?測定不能? 私ドラゴン? 適性は何でもO.K.って、女神様?何コレ?

 「う~ん、成る程、風邪もケガも無い訳だ」

 お母様、そんな見も蓋もない言い方…。

 「剣士でも魔法使いでも何でもO.K.みたいよ。どうする?何になる?」

 ロザリー様まで溜息つきながら。えー?何でもO.K.? ほんとに?

 あの時、女神様は私に言ってくださった。

 「気負わないで。あなたは、あなたの思うままに。あなたは、女神にだって大魔王にだってなれるのですから」

 いや、大魔王薦めちゃ不味いでしょ、女神様。
 今はまだ何がしたいのか、何すればいいのかわかんないけど。後日お母様に、そう言ったら「学校行く頃には決められるかな?」って。だよね。女神様、三歳児に何決めさせる気だったんだろ?

 何か疲れました。
 その夜は早く寝ました。

 次の日、カイルは早速剣技の訓練にはいりました。相変わらずの素振りと型の稽古。そして組み手。最初は嬉しそうに。だんだんきつそうに。
 私はずっと見学してました。ステータス見た限りでは多分訓練をこなせると。でもせめて五歳から始めましょう、とお父様お母様が決めました。気負わず慌てず。女神様もそう言ってます。多分。

 そんな日常が続いて、いよいよ今日は五歳の誕生日です。皆に祝福され私幸せです。

 次の日から、私は剣技、体術、魔法を習い始めました。一日一つずつの訓練です。
 楽しいのは魔法かな?自分の手から火や風の刄が出るなんて、とても楽しい。しかも麗しの魔法剣士と言われたお母様の直伝。瞑想や魔力循環といった基本から、攻撃魔法ぶっ飛ばしまでテンション上がります。
 
 体術と剣技はカイルと一緒です。三歳から始めているカイルは、もう熟練の兵士です。
 体術に至っては受け人形になってもらっています。さすがはカイル。受け身も完璧。
 レベル差もあり、私の技は基本的に無効です。攻撃力より防御力が大きい為、当たっても「痛ッテー」だけで赤くもならないのです。おかげで何の遠慮も入りません!
 もちろん、恨みもストレス解消もありません。お互い真面目です。私は純粋に楽しいですし、カイルは従者として当然という態度です。ただ「お嬢様」と言ってたのが「お嬢!」になったのは何故でしょう?

 訓練が終わり、お茶の時間。
 チェレンも合流し三人でワイワイ。
 私とカイルは訓練の反省もあり技がどうしたとかの話になるのですが、珠にチェレンも話に加わります。チェレンも知識として技の名や種類を知っているのです。ウンチクもかなり…。

 「ヤバ…」

 そう。チェレンはウンチク語り出すと止まんない時があるのです。
 私もだし、カイルは完全に身体で覚え感覚で動いてます。理屈じゃないのです。

 「お嬢、どうすんだ?」
 「聞き流す!」

 五分程語っているチェレンを無視して(笑)、私はお茶を飲むことに専念したのでした。

 こうして訓練は続きました。もう普通の公爵令嬢のレベルは超えてる気がしてるのですが、この力、何に使うか、ある決意が生まれてきていました。
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