62 / 62
番外編~
巨人は、異国の民に振り回される2
しおりを挟む
巨大な竜が王都を襲った、前代未聞の大事件。
誰が死んでもおかしくないような状況の中、ガストンは艶々と輝く髪が風によって舞い上がるのを見た。
漆黒の隙間から、朱色の瞳が爛々と輝いていて。ドラゴンと戦えるのが、楽しくて堪らないといった竜胆の姿に、ガストンは見惚れてしまったのだった。
結局ドラゴンは倒せなかったけれど、なんとか死人を出さずに追い払うことは出来て……
「アンタ、強いんだね。今度一緒に飛竜狩りにでも行かないかい?」
……その後から、竜胆はガストンに話しかけてくる様になっていった。
どうやらガストンの強さを気に入ったらしい。
「狩り損ねた竜の再戦、したいだろう?」
なんて、勝気な顔で「ニッ」と笑って、竜胆は度々ガストンのことを冒険に誘った。
冒険者は引退したと言っても聞かない竜胆に、ガストンは開いていたイチゴ飴の屋台を休みにして、何度か冒険者の仕事に付き合った。
例えば飛竜の住処に。ゴブリンの駆除依頼に。希少な植物の採取依頼に……
◇ ◆ ◇
「……チームを組まない冒険者は、他の人より死亡率が高い」
竜胆との冒険が、楽しくなかったかと言えばそうでは無い。
それでもガストンがそう言ったのは、自分がもう、冒険者からは引退してしまっていたからだった。
その日は確か、満月の夜にしか咲かない、土竜の背中に生える花を摘んできて欲しいという依頼受けていた。
土竜の住処が見える丘の上。火をおこしたガストンは、焚火の側に座った竜胆に向かって告げた。
「アタシが魔物に負けるとでも?」
竜胆はゆっくりと瞬きをして、それからいつものように、笑って見せた。
「……お前は、強い」
「ああ、そうだよ。アタシが魔物なんかに負ける筈がないだろう」
「……それでも何かがあった時、一人で死んだら何も残せない」
「誰に? 誰もアタシの生死なんて、興味もないさ」
いつものように。しかし、どこか寂しそうに。
――そうだ、竜胆は他国の人間だった。
ガストンはあまり気にもしないが、他の冒険者は違うのだろう。
竜胆は……他国出身の冒険者である彼女は、ガストンが行かないと首を横に振れば、一人で魔物と戦うしかないのだろう。
冒険者ギルドで、他国の人間だからと絡まれていた様子を見て、少し考えればわかる様な事だったのに。
それに気が付かないまま、迂闊な事を言ってしまったと気付いた時には遅かった。
「まぁ、気楽なモンだよ。アタシが死んだところで、悲しむヤツだって居ないからね」
申し訳なさそうに身を縮めたガストンに気が付いて、竜胆は敢えて明るい口調でそう言った。
「大丈夫だから、気にしないで欲しい」と伝えるように、カラリと笑った竜胆の姿が、けれどガストンには、どこか寂しそうに映ってしまった。
伏せられた瞼が、その下から覗く赤い瞳が、どうしたって寂しそうに映って見えて……
「…………」
……けれど不器用なガストンは、そんな竜胆にどんな言葉を掛けて良いのか分からなかった。
結局黙ってしまったガストンの視線の先、眠っていた土竜の背中に生えた小さな花が、ゆっくりと蕾を開いていった。
「お、咲いたね」
竜胆も目的だった花が咲いた事に気が付いて、立ち上がる。
いつかのように、綺麗な黒い髪がさらりと流れて揺れていた。
「さぁ、仕事だよ!」
先ほどまでの重い空気を払拭するかのように、竜胆は大きな声でそう言った。
土竜が起きてしまうと慌てるガストンに、竜胆は赤い瞳を悪戯気に細めて……
「へぇ……アンタ、ここまで来て土竜を狩らないつもりかい? 随分弱腰だね」
……風魔法を、土竜に向かって打ちはなった。
竜胆の得意とする<風刀>という魔法は、狙いたがわず土竜の背に生えていた花を切り落として。それからもう一撃、土竜本体も切り裂いた。
「……絶対、余計なことをしない方が良かった」
「この方が楽しいだろ?」
竜胆の攻撃によって目覚めた土竜が、怒り狂った様子で暴れている。
ガストンにしては珍しく冷ややかな目をしたのだが、竜胆は気にも留めなかった。
「狩ったら山分けだからね! 行くよ!」
「……はぁ」
破天荒な竜胆にため息を吐いて、しかしガストンは彼女のことが嫌いではなかった。
ガストンの事を……怖がられることの多い、巨人族の血を引く大男の事を、怖がらずに接してくれる人は少ないから。
◇ ◆ ◇
ガストンから見た竜胆は、自由で。どこまでも自由で。
なのに、ふとした瞬間に寂しそうな表情をする人だった。
「死んでも悲しむ人が居ない」と言う竜胆は、何時か本当に、ふらっと居なくなってしまうのではないかと思っていた。
「……アタシ、ちょっと国に戻るから。もしかしたら、しばらく帰って来ないかもしれない」
だから、竜胆が態々ガストンの店にまで来て、不在になる事を告げてきた時、ガストンは少し驚いた。
竜胆はある日に突然無言で居なくなって、気が付いたら帰ってくるような、そんな自由奔放な性格だと思っていたから。
「あーあ、ここの甘味も食い止めか」
ガストンの売っているイチゴ飴を食べながら、竜胆は名残惜し気に呟いた。
「……また、帰ってきたら食べて」
「…………おう!」
ガストンの言葉に、竜胆は一瞬言葉に詰まるような表情をした。地面に落ちた視線が、ゆらゆらと揺れる。
それは一瞬で、ガストンの気のせいだったかもしれないけれど。
「じゃあ、アタシは行くから……」
「……俺は、竜胆さんが死んだら悲しい」
ふとガストンは、ずっと考えていたことを口にした。
あの日……竜胆とガストンが、月夜の下で花が咲くのを待った日に、告げることが出来なかった言葉だった。
ずっと考えて、やっと言葉になったガストンの本心に、竜胆は驚いたように目を見開いた。
「アタシが死んだら、悲しいのかい?」
「……ああ」
「アタシがまた、この国に来ても、嫌じゃないかい?」
「……もちろん」
「……そうか」
竜胆はもう一度「そうか」と、噛みしめる様に呟いて。それから嬉しそうに口元を緩めた。
どこか寂しそうな、いつもの笑顔とは違う、満面の笑みだった。
「そうしたら、また戻って来ないといけないね」
「……ああ」
「イチゴ飴も、食べに来ないといけないからね」
「……ああ」
普段から言葉数の多くないガストンは、気の利いたことなんて言えなかった。
今度こそ竜胆は「じゃあ」と、ガストンに背を向けて立ち去ろうとした。
竜胆の黒い髪が、ふわりと舞って……
いつかのように、ガストンは「洞窟の最奥の、しんと静まった暗闇の様だ」と思った。
ガストンは洞窟という場所が、嫌いではなかった。
巨人族の血が混ざっているお陰で、常人よりも大きな体。顔も厳つく、目が合っただけで怯えられる。
そんなガストンの外見も、洞窟の暗闇の中なら、気にならないことが多かったから。
「……竜胆! ……その、また!」
「ああ、また!」
大きな声で、そう言って。去っていく竜胆の事を、どうしてか引き留めてしまいたかった。
「死んでしまったら悲しい」どころでは無い。ただ国から出て行くと、それだけの事なのに。どうしてかガストンの心は、悲しいのだと叫んでいて……
「……???」
……色恋に疎いガストンが、竜胆のことが好きだったのだと気が付くのは、それから数カ月も先の事だった。
◇ ◆ ◇
「よ、久しぶりだね!」
「……久しぶり」
故郷の国に帰った筈の竜胆に、久しぶりに会ったガストンは、驚いて言葉が出てこなくて……
……いや、ガストンの口から言葉が出てきたことの方が少ないけれど。
「なんだい、魔鳥が豆鉄砲を食らったような顔をして」
「……いや」
「ふふ。びっくりさせようとは思ったが、期待以上だったね」
最近になってようやく気が付いたガストンの想いなんて、竜胆は全くもって知らなくて。
「甘味を食べさせてもらえると約束しただろう?」
ぐいぐいと近付いて来る竜胆に、ガストンはどうしたって振り回されてしまうのだ。
「……竜胆、お帰り」
「おう、ただいま!」
けれど、まあ。
久しぶりに見た竜胆の満面の笑みに、それも悪くないかと、巨人は笑った。
~異国の民は、巨人の笑みを見ることの出来る、唯一の人~
「へぇ、アンタ。そんな風に笑うことが出来るんだね」
「……!?」
「良いじゃないか。笑っているほうが、案外可愛く見えるよ」
「……かわ……??」
誰が死んでもおかしくないような状況の中、ガストンは艶々と輝く髪が風によって舞い上がるのを見た。
漆黒の隙間から、朱色の瞳が爛々と輝いていて。ドラゴンと戦えるのが、楽しくて堪らないといった竜胆の姿に、ガストンは見惚れてしまったのだった。
結局ドラゴンは倒せなかったけれど、なんとか死人を出さずに追い払うことは出来て……
「アンタ、強いんだね。今度一緒に飛竜狩りにでも行かないかい?」
……その後から、竜胆はガストンに話しかけてくる様になっていった。
どうやらガストンの強さを気に入ったらしい。
「狩り損ねた竜の再戦、したいだろう?」
なんて、勝気な顔で「ニッ」と笑って、竜胆は度々ガストンのことを冒険に誘った。
冒険者は引退したと言っても聞かない竜胆に、ガストンは開いていたイチゴ飴の屋台を休みにして、何度か冒険者の仕事に付き合った。
例えば飛竜の住処に。ゴブリンの駆除依頼に。希少な植物の採取依頼に……
◇ ◆ ◇
「……チームを組まない冒険者は、他の人より死亡率が高い」
竜胆との冒険が、楽しくなかったかと言えばそうでは無い。
それでもガストンがそう言ったのは、自分がもう、冒険者からは引退してしまっていたからだった。
その日は確か、満月の夜にしか咲かない、土竜の背中に生える花を摘んできて欲しいという依頼受けていた。
土竜の住処が見える丘の上。火をおこしたガストンは、焚火の側に座った竜胆に向かって告げた。
「アタシが魔物に負けるとでも?」
竜胆はゆっくりと瞬きをして、それからいつものように、笑って見せた。
「……お前は、強い」
「ああ、そうだよ。アタシが魔物なんかに負ける筈がないだろう」
「……それでも何かがあった時、一人で死んだら何も残せない」
「誰に? 誰もアタシの生死なんて、興味もないさ」
いつものように。しかし、どこか寂しそうに。
――そうだ、竜胆は他国の人間だった。
ガストンはあまり気にもしないが、他の冒険者は違うのだろう。
竜胆は……他国出身の冒険者である彼女は、ガストンが行かないと首を横に振れば、一人で魔物と戦うしかないのだろう。
冒険者ギルドで、他国の人間だからと絡まれていた様子を見て、少し考えればわかる様な事だったのに。
それに気が付かないまま、迂闊な事を言ってしまったと気付いた時には遅かった。
「まぁ、気楽なモンだよ。アタシが死んだところで、悲しむヤツだって居ないからね」
申し訳なさそうに身を縮めたガストンに気が付いて、竜胆は敢えて明るい口調でそう言った。
「大丈夫だから、気にしないで欲しい」と伝えるように、カラリと笑った竜胆の姿が、けれどガストンには、どこか寂しそうに映ってしまった。
伏せられた瞼が、その下から覗く赤い瞳が、どうしたって寂しそうに映って見えて……
「…………」
……けれど不器用なガストンは、そんな竜胆にどんな言葉を掛けて良いのか分からなかった。
結局黙ってしまったガストンの視線の先、眠っていた土竜の背中に生えた小さな花が、ゆっくりと蕾を開いていった。
「お、咲いたね」
竜胆も目的だった花が咲いた事に気が付いて、立ち上がる。
いつかのように、綺麗な黒い髪がさらりと流れて揺れていた。
「さぁ、仕事だよ!」
先ほどまでの重い空気を払拭するかのように、竜胆は大きな声でそう言った。
土竜が起きてしまうと慌てるガストンに、竜胆は赤い瞳を悪戯気に細めて……
「へぇ……アンタ、ここまで来て土竜を狩らないつもりかい? 随分弱腰だね」
……風魔法を、土竜に向かって打ちはなった。
竜胆の得意とする<風刀>という魔法は、狙いたがわず土竜の背に生えていた花を切り落として。それからもう一撃、土竜本体も切り裂いた。
「……絶対、余計なことをしない方が良かった」
「この方が楽しいだろ?」
竜胆の攻撃によって目覚めた土竜が、怒り狂った様子で暴れている。
ガストンにしては珍しく冷ややかな目をしたのだが、竜胆は気にも留めなかった。
「狩ったら山分けだからね! 行くよ!」
「……はぁ」
破天荒な竜胆にため息を吐いて、しかしガストンは彼女のことが嫌いではなかった。
ガストンの事を……怖がられることの多い、巨人族の血を引く大男の事を、怖がらずに接してくれる人は少ないから。
◇ ◆ ◇
ガストンから見た竜胆は、自由で。どこまでも自由で。
なのに、ふとした瞬間に寂しそうな表情をする人だった。
「死んでも悲しむ人が居ない」と言う竜胆は、何時か本当に、ふらっと居なくなってしまうのではないかと思っていた。
「……アタシ、ちょっと国に戻るから。もしかしたら、しばらく帰って来ないかもしれない」
だから、竜胆が態々ガストンの店にまで来て、不在になる事を告げてきた時、ガストンは少し驚いた。
竜胆はある日に突然無言で居なくなって、気が付いたら帰ってくるような、そんな自由奔放な性格だと思っていたから。
「あーあ、ここの甘味も食い止めか」
ガストンの売っているイチゴ飴を食べながら、竜胆は名残惜し気に呟いた。
「……また、帰ってきたら食べて」
「…………おう!」
ガストンの言葉に、竜胆は一瞬言葉に詰まるような表情をした。地面に落ちた視線が、ゆらゆらと揺れる。
それは一瞬で、ガストンの気のせいだったかもしれないけれど。
「じゃあ、アタシは行くから……」
「……俺は、竜胆さんが死んだら悲しい」
ふとガストンは、ずっと考えていたことを口にした。
あの日……竜胆とガストンが、月夜の下で花が咲くのを待った日に、告げることが出来なかった言葉だった。
ずっと考えて、やっと言葉になったガストンの本心に、竜胆は驚いたように目を見開いた。
「アタシが死んだら、悲しいのかい?」
「……ああ」
「アタシがまた、この国に来ても、嫌じゃないかい?」
「……もちろん」
「……そうか」
竜胆はもう一度「そうか」と、噛みしめる様に呟いて。それから嬉しそうに口元を緩めた。
どこか寂しそうな、いつもの笑顔とは違う、満面の笑みだった。
「そうしたら、また戻って来ないといけないね」
「……ああ」
「イチゴ飴も、食べに来ないといけないからね」
「……ああ」
普段から言葉数の多くないガストンは、気の利いたことなんて言えなかった。
今度こそ竜胆は「じゃあ」と、ガストンに背を向けて立ち去ろうとした。
竜胆の黒い髪が、ふわりと舞って……
いつかのように、ガストンは「洞窟の最奥の、しんと静まった暗闇の様だ」と思った。
ガストンは洞窟という場所が、嫌いではなかった。
巨人族の血が混ざっているお陰で、常人よりも大きな体。顔も厳つく、目が合っただけで怯えられる。
そんなガストンの外見も、洞窟の暗闇の中なら、気にならないことが多かったから。
「……竜胆! ……その、また!」
「ああ、また!」
大きな声で、そう言って。去っていく竜胆の事を、どうしてか引き留めてしまいたかった。
「死んでしまったら悲しい」どころでは無い。ただ国から出て行くと、それだけの事なのに。どうしてかガストンの心は、悲しいのだと叫んでいて……
「……???」
……色恋に疎いガストンが、竜胆のことが好きだったのだと気が付くのは、それから数カ月も先の事だった。
◇ ◆ ◇
「よ、久しぶりだね!」
「……久しぶり」
故郷の国に帰った筈の竜胆に、久しぶりに会ったガストンは、驚いて言葉が出てこなくて……
……いや、ガストンの口から言葉が出てきたことの方が少ないけれど。
「なんだい、魔鳥が豆鉄砲を食らったような顔をして」
「……いや」
「ふふ。びっくりさせようとは思ったが、期待以上だったね」
最近になってようやく気が付いたガストンの想いなんて、竜胆は全くもって知らなくて。
「甘味を食べさせてもらえると約束しただろう?」
ぐいぐいと近付いて来る竜胆に、ガストンはどうしたって振り回されてしまうのだ。
「……竜胆、お帰り」
「おう、ただいま!」
けれど、まあ。
久しぶりに見た竜胆の満面の笑みに、それも悪くないかと、巨人は笑った。
~異国の民は、巨人の笑みを見ることの出来る、唯一の人~
「へぇ、アンタ。そんな風に笑うことが出来るんだね」
「……!?」
「良いじゃないか。笑っているほうが、案外可愛く見えるよ」
「……かわ……??」
77
お気に入りに追加
7,780
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(146件)
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
精霊は契約者と離れていると力がなくなって消えてしまう…ってあったけど、契約者が亡くなった場合も消えてしまうのか?
どうしても、人間の方が短命で先に亡くなってしまうから…。
ずーっと気になってました。
フィー殿下の突っ込みが最高です!
感動的なプロポーズのシーンなのに、爆笑しちゃいましたwww