異世界で俺はチーター

田中 歩

文字の大きさ
上 下
31 / 124

{第二十九話} 一度は言ってみたいセリフってあるよね

しおりを挟む
「そういえば、なにやら忙しそうですね」

「ああ、明日は姫様の誕生日のパーティーがありまして」
「そのパーティーの警護などを王より仰せつかっている」
「今日は前日の準備と最終確認を...」

「なるほど...」

「今回のパーティーは貴族ならび王国関係者も多数出席しているため」
「護衛の数が少したりないのだ」
「それで...ショウ殿も今回の護衛の手伝いをしてほしいのだが...」

「そんな重要な仕事をどこの馬の骨かもわからない僕なんかに頼んでも?」

「どこの馬の骨なんて、私達はもう知り合いですし実力なら私が認めている」

「そんな...」
「わかりました、その大役受けましょう」
「それで、僕はどこを護衛するんですか?」

「姫様ならびに王、王妃の護衛を頼みたい」

「え?」
「姫様?王?王妃?」
「そんな、アルギさんが護衛をすれば」

「私はバルシュ議員より貴族達の護衛を頼まれていまして」

「ほかに僕以上の人はいないんですか?」

「ほかの部下もぞれぞれ仕事がありまして」
「それに実力なら私と同じいやそれ以上はあると核心している」
「どうか、たのむ」
頭を下げる

「そんな、頭を上げてください!わかりました、その大役を承りました」
(きっとその「バルシュ」は反ハネット派の議員の一人だろし、そいつがわざわざ騎士団長を王様達の護衛からはずしたという事は何かあるな...)

「申し訳ない」

「いえいえ、道案内していただいたお礼ですよw」
そんな話をしていると本部に一人の男が尋ねてきた。

「ここかね、騎士団本部というのは」
いかにも感じの悪い中年の男だった

「彼は?」

「さっき話したバルシュ議員だ」

「騎士団長はいないのか?わざわざ準備の進に具合を見にきてやったというのに」

「もうしわけない、バルシュ殿」
「客人を案内していので」

「何!?...いやなんでもない」
「よく戻ったぞ、しっかり調べて来たか?」

「はい」

「そうか、この者は誰だ?」

「ティアドで情報収集する際に手伝ってくれただけではなく」
「ここまで、つれてきてくれた方です」

「初にお目にかかります、バルシュ議員」
「僕はティアドから来た者で名をショウを申します」

「ほう」
「しかし、ここからあの町まで行って帰ってくるのに2日はかかるだろうに」
「なぜ、こんなに早く」

「それは、あちらにある「クルマ」という乗り物にショウ殿が乗せてくれたからです」

「クルマ?聞いた事の無い乗り物だな」
「確かに車輪がついいているようだが...」

「クルマについては僕が説明します」
「魔力を動力にして動く一種の魔道具で、馬よりも早く走る事ができます」

「何?!馬よりだと」
「そうか、それでこんなに早く...」

「どうかされましたか、バルシュ殿?」

「いやなんでもない...」
「そういえば、姫様達の護衛は決めたか?」

「ええ、ショウ殿に頼みました」

「そうか」
「頼んだぞ」

「はい」

バルシュ議員は去ってい行った。

「僕ももう暗いですし、宿を探しに行かないと」

「おお、そうですな」
「ではまた、明日の朝7時にここで」

「はい」

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

本部から出たあと暗い路地に入っていき黒いフードと仮面で顔を隠した男に話しかける。
「行ってきたぞ」

「どうだ、騎士達の様子は」

「それが、この前情報収集に行かせたはずのアルギがもう帰って来ている」

「そうか、予想外だが姫達の護衛の件があるだろう?」

「一緒にいたショウとか言う小僧が勤めるようだが」

「強そうか?」

「いや、体格も細身で強そうには見えなかった」

「なら問題なかろう」
「それに、姫をその男が守れなかったら」
「姫の護衛を任せた騎士団長の責任のできるのではないか?」

「おお、そうだな」
「そのときは、私が一番に叩いてやりますわ」

「たのんだぞ」

「わかった」
「あの件は忘れて無いだろうな?」

「ああ、準備はできている」
「あとは、お前しだいだ」

「そうか」

男とバルシュ議員はそれぞれ路地の奥に消えていった。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

「だとよネメシス取れたか?」

「はい、しっかりと」

「スマホに送っておいてくれ」

「わかりました」

「やっぱりな~なんかあると思ったんだよ、後を着けて正解だったな」
「姫様の誕生パーティーの前に護衛をつとめるそれも騎士団長を遠くまでしかも歩きで行かせるか?」
「それに、護衛も姫様達ではなく貴族に...」
「ありえるか?」

「そうですね」
ネラがフードの中から大きくなって出てきた。

「聞いてたか?ネラ?」

「はい」

「なら話が早い」
「今回の護衛は確実の何か起きるぞ」

「そうですね」

「今回はネラは隠しておくつもりだったけど」
「何かあったら頼むぞ」

「わかりました」

「ミイは?」

「いますよ!」
目の前にあらわれる。

「今回はミイは待機で」

「わかりました」

「さて、宿を探さねばな~」
「ミイ、ここらへんに宿は無いか調べてくれるか?」

「はい!」
「えーっと」
「この路地をまっすぐ抜けた先に1軒あります」

「いくらだ?」

「1泊、5000ギルです」

「そうか、ありがとう」

「はい!私はこれで、何かあったら呼んででくださいね!」

「おう」

そういうとミイは姿を消した。

「じゃあ、ネラもまた小さくなってフードの中の隠れていて」

「わかりました」
小さくなり、フードの中に隠れる。

「そこ、いやじゃない?」

「大丈夫です」

「そうか、よかった」
「いやなら言ってくれ」

「わかりました」

「さて、宿にいきますか」

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

「ガチャ」
宿の入り口の扉を開ける。
一階はバーになってるらしく客が酒を飲んでいた。

「1泊止まりたいんだけどいくら?」
カウンターでグラスを磨いている男に聞く。

「1万ギルだ」

「疲れてるんだよ~本当はいくらかさっさと教えてくれないかな~」
「嘘をつくならもっと視線と声のトーンに気をつけた方がいいよ」

「チッ」
男は舌打ちをした。
「7500だ」

「ほら、また嘘つく~」
「嘘つく相手は選んだ方がいいぞ」
下からにらみつける。

「5000だ」

「どうも、ごっそさん」
男からガキを受け取る

「部屋は2階の1番奥だ」

「親切にどうも」

階段を上がり、カギを開け1番奥の部屋に入る

「ふぅ...」
「一度やってみたかったんだよね~!」
「いや~、言ってみたいセリフが言えた~」

「ほかにもあるんですか?」

「ネラ、聞いてたのか?」

「はい」

「あるぞ、「お、おい!あんまりくっつくなよ!」とか」
ネラがくっついてきた。

「お、おい!あんまりくっつくなよ!」

「言えましたね」

「違うな~なんか違うな~」

「違うんですか?」

「うん」

「そうですか...」

「さて、今日はもう寝ますか」
「ネラはどうするの?」
「ベットひとつしかないよ」

「では、私は床で寝ます」

「いやいや」
「じゃあ、俺が床で寝るから」

「そんな、マスターを床で寝させて、自分はベットなんて...」

「そうか...」

5分後...

「結局こうなるよな...」

「そうですね...」

1人用のベットに2人で寝ていた。

「ネラはいいのか?これで?」

「かまいません」

「そうか...」

2人は静かに目を瞑って眠りについた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める

シロ
ファンタジー
神の都合により異世界へ転生する事になったエノク。『スキルコレクター』というスキルでスキルは楽々獲得できレベルもマックスに。『解析眼』により相手のスキルもコピーできる。 メニューも徐々に開放されていき、できる事も増えていく。 しかし転生させた神への謎が深まっていき……?どういった結末を迎えるのかは、誰もわからない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...