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第六章 離ればなれ
3 カガニアの裏切り
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翌朝、アレムは起床後いつものように用意された服に袖を通すと何かがパサリと床に落ちた。服の間に挟まっていたようだ。拾い上げるとそれは白い封筒だった。開いてみると、ネイバリー語で書かれた手紙が入っていた。アレムはぎょっとしつつも博士の辞書を片手に文章を読んだ。
『アレム様
カガニアがアイワン国と手を結びました。第二王妃の娘であるドゥハ様とアイワンの第三王子が婚約されたのです。アレム様は保険だったのです。アイワンはカガニアの資源を手に入れてネイバリーへ侵攻しようとしています。アレム様は人質としてネイバリーがカガニアと交渉する材料にされる恐れがあります。しかし、カガニアでのアレム様の立場を考えると人質としての価値は低いでしょう。価値のない人質としてネイバリーを追い出されるか監禁されるかどちらかです。ウィルエル様との婚約も破棄されるでしょう。ウィルエル様は国の決定には逆らえません。ウィルエル様はそのうちヒュート様と結婚されるでしょう。
アレム様の幸せを願う有志一同でアレム様を救出する作戦を立てています。ウィルエル様が戻る前にネイバリー城から脱出する必要があります。明日の夜使いを出します。誰にもバレないように使いと一緒に出てきてください。周囲の人たちは皆敵だと思ってください。私たちの思いが届くことを願っています』
アレムは最初タチの悪い冗談だと思った。しかし手紙に同封された新聞記事を見た瞬間サッと血の気が引いた。それはカガニアの新聞だった。第二王妃の娘ドゥハ王女はミシュアルの妹にあたる。そのドゥハ王女とカガニアの王族との結婚を祝福する記事の切り抜きが入っていた。見慣れた文字の羅列が目に飛び込んでくる。きっと最初からカガニアはアイワンと手を組むつもりで、たまたまネイバリーからも婚約の話があったので保険としてアレムを差し出したのだ。こちらは男同士の結婚で世継ぎが産まれる訳でもない。アレムの手は震えていた。異国の地で一人、国のためにと頑張っていたことは全て無意味だったのだ。アレムは自分がこの世で一番価値のない人間に思えた。今まで親切にしてくれたネイバリーの人達も、この情報を知れば態度が変わるかもしれない。敵国の仲間に優しくするメリットなど無い。
アレムはしばらく椅子に座って呆然としていた。しかしこのまま自分がここにいても迷惑な存在になるだけだと考えた。どこに行っても結局はいらない存在なのだ。よろめきながらも立ち上がると、自分の部屋を出た。そこにはロイが立っていた。
「アレム様、顔色が良くないですね。休まれますか?」
「ありがとうございます。だいじょうぶです」
そう言うとアレムは居間に飾っていた母の肖像画を壁から外した。
「どうしました!?」
ロイが驚いて声をかけた。
「ウィルエルさまがいなくてさみしいので、わたしのへやにかざろうとおもいます」
俯きながら無理して笑ってそう言うと、アレムは肖像画を持って急いで部屋に戻った。ロイがどんな表情をしているかを見る勇気はなかった。アレムはここに来た時に持ってきた鞄を広げた。そこに持ち込んだ本と僅かな衣類、アレムにもらった手紙、マクレーニー博士の辞書を詰め込んだ。城下町で買ってもらった懐中時計は首から下げた。そしてアレムはウィルエルに手紙を書いた。
『ウィルエル様
きちんとお会いしてご挨拶できず申し訳ありません。
カガニアがアイワンと手を結んだと聞きました。私はカガニアにとって不要な人間です。このままネイバリーに居ても迷惑がかかってしまいます。
ウィルエル様と過ごした日々は私にとって夢のようでした。陽だまりのようなあなたが一緒に過ごしてくださったことは一生の宝です。
今まで黙っていましたが、私はカガニアでまともな教育を受ける事が出来ませんでした。妾の子として王宮で疎まれ、蔑まれてきました。そのような人間がウィルエル様と結婚しようなどと考えた事が間違いでした。
どうか私のことは忘れてください。あなたの幸せをずっと願っています。
さようなら。ありがとうございました。
アレム・シャミーレ』
涙で何度も手が止まったが、必死にペンを進めた。ウィルエルとの思い出ひとつひとつがアレムには眩しかった。ここを出て、どこか遠くでひっそりと暮らそう。
ロイには気分が優れないと言って部屋に篭り夜を待った。
「ロイ様!!」
日が暮れてしばらく経つと、部屋の外でロイを呼ぶ大声がした。
「どうした?」
「ウィルエル様の使いがドーイから戻ってきて至急伝えたい事があるそうです! ここは私に任せて行ってください」
アレムは息を殺して外のやり取りを聞いていた。するとノックする音が聞こえた。
「アレム様、ロイです。少しだけ離れますが代わりの者を置いていきますね」
「はい、わかりました!」
アレムはドア越しに返事をした。ロイの足音が遠ざかって行った。
コンコン、と再びドアをノックされる。
「アレム様、今日の手紙の件です。お迎えに来ました」
代わりの者、と言うのが使いだったようだ。アレムはドアを開いた。するとたまに見かける兵士が一人と、いつも洗濯物を取り替えてくれる掃除係のアンが立っていた。アンが協力者ということには驚いたが、彼女はいつも親身にアレムの世話を焼いてくれていた。アンが自分のことを思い行動してくれたことにアレムは感謝した。
「アレム様、申し訳ありませんが少しこの中で我慢して下さい」
アンに指さされた先はランドリー入れの籠だった。大きな籠は台車に載っている。アレムは頷くとそこに入り、上からシーツを被せられた。アレムの鞄は兵士がシーツを被せて持ってくれた。兵士は「お、重いな……!」と呟いていた。アレムは籠に入ったままアンに外まで運ばれた。移動中はいつバレるかと心臓がバクバクと脈打っていた。体調はまだ回復せず怠さが続いている。ガタガタとしばらく揺られていたが、外に出てしばらく進むとシーツを捲られた。すると目の前に馬車が用意されていた。こっそりと乗り込むと馬車は出発した。アレムはフードで顔を隠している。城から出る時警備員に止められたが、一緒にいた兵士は手慣れた様子で「ウィルエル様に急ぎで届ける荷物が……」と説明をしていた。馬車はまんまと警備をすり抜け、夜道へ逃げて行った。
「アレム様」
声をかけられ顔を上げると、アンが眉間に皺を寄せアレムを見ていた。そして彼女は無言のまま湿ったハンカチでアレムの口を塞いだ。
気づいた時には手遅れで、アレムの意識はそこで途切れた。
『アレム様
カガニアがアイワン国と手を結びました。第二王妃の娘であるドゥハ様とアイワンの第三王子が婚約されたのです。アレム様は保険だったのです。アイワンはカガニアの資源を手に入れてネイバリーへ侵攻しようとしています。アレム様は人質としてネイバリーがカガニアと交渉する材料にされる恐れがあります。しかし、カガニアでのアレム様の立場を考えると人質としての価値は低いでしょう。価値のない人質としてネイバリーを追い出されるか監禁されるかどちらかです。ウィルエル様との婚約も破棄されるでしょう。ウィルエル様は国の決定には逆らえません。ウィルエル様はそのうちヒュート様と結婚されるでしょう。
アレム様の幸せを願う有志一同でアレム様を救出する作戦を立てています。ウィルエル様が戻る前にネイバリー城から脱出する必要があります。明日の夜使いを出します。誰にもバレないように使いと一緒に出てきてください。周囲の人たちは皆敵だと思ってください。私たちの思いが届くことを願っています』
アレムは最初タチの悪い冗談だと思った。しかし手紙に同封された新聞記事を見た瞬間サッと血の気が引いた。それはカガニアの新聞だった。第二王妃の娘ドゥハ王女はミシュアルの妹にあたる。そのドゥハ王女とカガニアの王族との結婚を祝福する記事の切り抜きが入っていた。見慣れた文字の羅列が目に飛び込んでくる。きっと最初からカガニアはアイワンと手を組むつもりで、たまたまネイバリーからも婚約の話があったので保険としてアレムを差し出したのだ。こちらは男同士の結婚で世継ぎが産まれる訳でもない。アレムの手は震えていた。異国の地で一人、国のためにと頑張っていたことは全て無意味だったのだ。アレムは自分がこの世で一番価値のない人間に思えた。今まで親切にしてくれたネイバリーの人達も、この情報を知れば態度が変わるかもしれない。敵国の仲間に優しくするメリットなど無い。
アレムはしばらく椅子に座って呆然としていた。しかしこのまま自分がここにいても迷惑な存在になるだけだと考えた。どこに行っても結局はいらない存在なのだ。よろめきながらも立ち上がると、自分の部屋を出た。そこにはロイが立っていた。
「アレム様、顔色が良くないですね。休まれますか?」
「ありがとうございます。だいじょうぶです」
そう言うとアレムは居間に飾っていた母の肖像画を壁から外した。
「どうしました!?」
ロイが驚いて声をかけた。
「ウィルエルさまがいなくてさみしいので、わたしのへやにかざろうとおもいます」
俯きながら無理して笑ってそう言うと、アレムは肖像画を持って急いで部屋に戻った。ロイがどんな表情をしているかを見る勇気はなかった。アレムはここに来た時に持ってきた鞄を広げた。そこに持ち込んだ本と僅かな衣類、アレムにもらった手紙、マクレーニー博士の辞書を詰め込んだ。城下町で買ってもらった懐中時計は首から下げた。そしてアレムはウィルエルに手紙を書いた。
『ウィルエル様
きちんとお会いしてご挨拶できず申し訳ありません。
カガニアがアイワンと手を結んだと聞きました。私はカガニアにとって不要な人間です。このままネイバリーに居ても迷惑がかかってしまいます。
ウィルエル様と過ごした日々は私にとって夢のようでした。陽だまりのようなあなたが一緒に過ごしてくださったことは一生の宝です。
今まで黙っていましたが、私はカガニアでまともな教育を受ける事が出来ませんでした。妾の子として王宮で疎まれ、蔑まれてきました。そのような人間がウィルエル様と結婚しようなどと考えた事が間違いでした。
どうか私のことは忘れてください。あなたの幸せをずっと願っています。
さようなら。ありがとうございました。
アレム・シャミーレ』
涙で何度も手が止まったが、必死にペンを進めた。ウィルエルとの思い出ひとつひとつがアレムには眩しかった。ここを出て、どこか遠くでひっそりと暮らそう。
ロイには気分が優れないと言って部屋に篭り夜を待った。
「ロイ様!!」
日が暮れてしばらく経つと、部屋の外でロイを呼ぶ大声がした。
「どうした?」
「ウィルエル様の使いがドーイから戻ってきて至急伝えたい事があるそうです! ここは私に任せて行ってください」
アレムは息を殺して外のやり取りを聞いていた。するとノックする音が聞こえた。
「アレム様、ロイです。少しだけ離れますが代わりの者を置いていきますね」
「はい、わかりました!」
アレムはドア越しに返事をした。ロイの足音が遠ざかって行った。
コンコン、と再びドアをノックされる。
「アレム様、今日の手紙の件です。お迎えに来ました」
代わりの者、と言うのが使いだったようだ。アレムはドアを開いた。するとたまに見かける兵士が一人と、いつも洗濯物を取り替えてくれる掃除係のアンが立っていた。アンが協力者ということには驚いたが、彼女はいつも親身にアレムの世話を焼いてくれていた。アンが自分のことを思い行動してくれたことにアレムは感謝した。
「アレム様、申し訳ありませんが少しこの中で我慢して下さい」
アンに指さされた先はランドリー入れの籠だった。大きな籠は台車に載っている。アレムは頷くとそこに入り、上からシーツを被せられた。アレムの鞄は兵士がシーツを被せて持ってくれた。兵士は「お、重いな……!」と呟いていた。アレムは籠に入ったままアンに外まで運ばれた。移動中はいつバレるかと心臓がバクバクと脈打っていた。体調はまだ回復せず怠さが続いている。ガタガタとしばらく揺られていたが、外に出てしばらく進むとシーツを捲られた。すると目の前に馬車が用意されていた。こっそりと乗り込むと馬車は出発した。アレムはフードで顔を隠している。城から出る時警備員に止められたが、一緒にいた兵士は手慣れた様子で「ウィルエル様に急ぎで届ける荷物が……」と説明をしていた。馬車はまんまと警備をすり抜け、夜道へ逃げて行った。
「アレム様」
声をかけられ顔を上げると、アンが眉間に皺を寄せアレムを見ていた。そして彼女は無言のまま湿ったハンカチでアレムの口を塞いだ。
気づいた時には手遅れで、アレムの意識はそこで途切れた。
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