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第32話 結成!!虹色騎士団!!
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「みんな集まったね…それじゃあ僕たちのこれから取るべき行動を確認するよ!!」
シャルロットは黒板の前に仁王立ちになり会議の開始を宣言する。
約束通り一時間後に城内にある作戦会議室でシャルロット主導の作戦会議が始まった。
出席者はシャルロット、ハインツ、グロリア、アルタイル、イオ、シオンがテーブルに着いていた。
グロリアはまだ完全に右足の捻挫が治っておらず、杖を持参している。
「まずはどうドミネイト帝国に接触するかだけど…」
「あの姫様…会議の前に質問宜しいでしょうか…」
「何だい…シオン?」
「私は何故この様な場に呼ばれているのでしょうか…?恐れながら、私は王宮付きのメイドであり、シャルル王とエリザベート様にお仕えしている身…あなた様の冒険の真似事にお付き合いする事は出来ません」
シオンはシャルロットに対し深々と頭を下げる…しかし彼女の言い回しは言葉使いこそ丁寧だが辛辣な棘があった。
「いや~シオンは相変わらず手厳しいね…でもね、どうしても僕らには諜報や戦闘をこなせる君の様な人材が必要なんだよ…ねっ?くのいちのシオン?」
「さて…一体何の事でしょう…」
シオンは眉一つ動かさず平然とした顔をしている。
彼女はグラハムの指揮のもと、王国の暗部とも言える諜報部隊の所属で、それは例え親しい者であっても秘密にしなければいけないものだ。
隙を見せないシオンに対してシャルロットはこう話を切り出した。
「…七年前の僕が暗殺されそうになった事件を覚えてるよね?その時、濡れ衣を着せられたグロリアを助けてくれたくのいちが居たらしいんだけど…」
「はい…存じております…当時話題になりましたから」
「それでね昨日の地下遺跡でシェイドの手の者と戦った時にもそのくのいちと思しき人物が僕らに加勢してくれたんだよ…グロリアによるとそのくのいちが彼女にこう言ったらしいんだ…「グロリア!!あなたまだ甘さが抜けきっていないのね!!いい加減死ぬわよ!?」って…これってグロリアとそれなりに接してきた人物じゃないと言えないよね?」
「………」
シオンは黙秘している…流石にこの程度の尋問では口を割らないらしい。
しかしこのままシラを通されてしまっては元も子もない。
そこでシャルロットは奥の手を出すことにした。
「これもグロリアから聞いた話なんだけど、名前を尋ねたらそのくのいち…『通りすがりの美少女くのいち』って答えたそうよ…自分で美少女とか言っちゃう辺り、そのコって結構アレだよね~」
口に手を当てせせら笑う。
「そっ…それはっ!!名前を名乗れないから咄嗟にっ…!!あっ…!!」
つい弁解の言葉を口にしてしまったシオン…本人以外がこんな事を言うのは明らかにおかしい…しかし口に出してしまったからにはもう遅い…意地悪な笑顔を浮かべるシャルロットに見つめられ、彼女は茹でダコの様に真っ赤になり頬が引きつっている。
(あ~あ、また一人犠牲者が…シオン、お気の毒だな…)
ハインツは心の中で呟いた。
それともう一人、気が気でない人物が居た…イオだ。
(言えない…ボクが『輝ける大樹』のツィッギー様のお家で姫様たち三人が気絶している間にグラハム様がくのいちをシオンと呼んでいたのを教えたのがボクだなんて、シオンさんには口が裂けても言えない…)
イオは冷や汗で身体中グショグショだ。
「シオンさん…」
グロリアが杖を付きシオンに歩み寄る。
「今まで何度も危ない所を助けてくれてありがとう…」
「…礼なんて要らないわ…それが私の任務なんだから…あなたはもう少ししっかりしてもらわないと困るわね」
「はい、気を付けます」
満面の笑みのグロリア…ツンと彼女から顔を背ける…しかしシオンのその顔は照れているせいで若干赤かった…満更でもないらしい。
「いや~ゴメンね!?鎌をかけたみたいになって…君がそのくのいちかどうか確証が持てなかったから…でも僕はどうしても君の力が借りたいんだ…どうか首を縦に振ってほしい…」
シャルロットが頭を下げる…しかしイオが言っていた通りこれは鎌かけでも何でもなかった…くのいちの正体を彼女自身に認めさせるのが目的だったからだ。
だがここでシオンは考えた…地下遺跡の戦闘で戦った暗殺者は死んだはずのリサであった…しかし彼女が言うには自分は死んでいなかった訳でも生き返った訳でも無いと言う…その言葉の真意をシオンは知りたかった…ならばまたあのリサと会うにはシェイド達と遭遇する確率の高いシャルロットと行動を共にした方がチャンスが巡って来るのではないか…と。
「…分かりました、しかし私の一存だけでは決められません…上司のグラハム様の許可を頂かなければなりませんので…」
「その必要はありませんよ…シオン」
会議室の入り口から声がする…グラハムだった。
「グラハム様…!!」
シオンが膝ま付く。
「やあ、そろそろ来る頃だと思ってたよグラハム…僕たちを止めにね…」
そうは言いつつもシャルロットは笑顔を向ける。
「分かってらっしゃるのなら話は早い…では即刻この騎士団ごっこは止めにして戴けますか?我が国とドミネイト帝国の関係性は非常にデリケートな問題なのです…そんな面白半分で関わっていい問題ではないのですよ?」
いつもは穏やかな物腰の彼だが今日ばかりは様子が違っていた。
さすが王国筆頭の武芸者らしいといった威圧感が身体全体から滲み出ている。
「それは聞けないね…僕は騎士団ごっこなんてしているつもりは毛頭無いよ…これは歴とした騎士団の会議だよ、僕の騎士団のね…」
「何ですって…!?」
臆面もなくそう言い放つシャルロット…会議室に居る全員がざわめく。
「僕は常々思っていたのさ…僕の一存で動かせる騎士団を作る事をね…別に規模は大きくなくてもいいんだ、どちらかと言うと少数精鋭の方が小回りが利いて今回の様な作戦にも理想的だからね…それに将来的に魔王が復活したら僕以外には倒せないでしょう?その時に一緒に戦ってくれる信頼できる仲間が必要なのさ…ねえ?」
ハインツに向けてウインクする。
(あっ…まさかこいつ…)
ハインツは以前、自分は将来騎士団に入りたいという夢をシャルロットに話した事がある事を思い出した…しかしその時はシャルロットのお付きをしていては騎士団に入るのは絶望だ的な会話で打ち切った筈であった…。
(もしかしてずっと俺との会話を憶えていてくれたのか…?)
ハインツの身体が感動で小刻みに震えた…涙が出そうだった…本当ならシャルル王が擁する騎士団に所属するのが理想であったが、その息女で将来この国を継ぐであろうシャルロット姫の創立する騎士団に所属できるならある意味彼の夢は叶ったに等しいのである。
「そっ…そんな重要な案件…王と王妃の許可はとられたのですか…?」
突然の重大発表に落ち着かない様子のグラハム…明らかに挙動不審だ。
「良いのですグラハム…いずれ言い出すのではないかと思っていたのですから…」
「…これは王妃様!!」
エリザベートがツィッギーと共に会議室に現れた。
シャルロット以外の全員が椅子から立ち上がり一斉に膝ま付く。
「はあ…本当にしょうのない子…昔から自由奔放で言いだしたら聞かないのですから…」
「えへへっ…ゴメンねお母様」
王妃は深いため息を吐いて頭を振る。
シャルロットはバツが悪そうに微笑む。
「皆様…そう言う事ですからシャルロットが自分の騎士団を持つ事を許可します…どうかこの怖いもの知らずで危なっかしい我が娘をよろしくお願いしますね…グラハム…それでいいわね?」
「はっ!!異論ありません!!」
エリザベートがこの場に居る全員に向かって頭を下げた。
そもそもグラハムはシャルロットの為を思って口を出していた訳だが、シャルロットの覚悟は彼の想像をはるかに超えた所にあったのだ…そして王妃の許可が出た以上、騎士団の結成に異を唱える理由はグラハムにはもう無かった。
「よろしくねっ!!」
少し遅れてシャルロットが頭を下げる。
「シャルロット様…是非とも私をこの騎士団にお加えくださいませ…」
シャルロットの前に一人、膝ま付く者がいた…ツィッギーだ。
「えっ…ツィッギーさんは『輝ける大樹』の村長でしょう?そんな方に入ってもらう訳には…」
「良いのです…その役職なら私の妹に引き継いでまいりましたから…」
これにはさすがのシャルロットも驚いた…しかしこれは一体どうした事であろう…。
「ツィッギー様はね、シャルロット…あなたに協力するために我が国に来てくださったのよ」
「我が森を救っていただいた恩義はこの身をもって返させていただきたく思います」
あと数か月でシャルロットは十六になる…それは魔王の復活のカウントダウンでもあるのだ…その時の為に自分に何かできないか…ツィッギーはその事を伝えにエターニアを訪れていたのだった。
「分かったよ…でもツィッギー…今更そんな他人行儀な言葉遣いは止めてね?僕たちは同じ目的に向かって進む仲間なんだから…」
シャルロットがツィッギーに手を差し出す。
「うん!!よろしくねシャルちゃん!!」
手を掴み返して立ち上がり、二人で握手する。
「あっ…!!思い付いた!!」
突然シャルロットが突然大声を上げる。
「何だ?大声を出して…」
「名前だよ!!な・ま・え…騎士団の!!」
ひとりで興奮している彼女にあきれているハインツ。
「へえ…どんな名前ですかシャル様?」
グロリアが食いついて来た。
「見てよみんなの服の色…グロリアの赤…イオの橙…アルタイルの黄…ツィッギーの緑…ハインツの青…サファイアの藍…そしてシオンの紫…まるで虹の色じゃないか!!」
「なるほど!!」
感嘆の声を上げ、一同はお互いの服の色を見回す。
「私の騎士団は『虹』!!私、シャルロット・エターニアはここに『虹色騎士団』の結成を宣言します!!」
「おおおおおおおおっ!!!!」
かくしてシャルロットのシャルロットによるシャルロットの為の騎士団…『虹色騎士団』がここに誕生したのだった。
シャルロットは黒板の前に仁王立ちになり会議の開始を宣言する。
約束通り一時間後に城内にある作戦会議室でシャルロット主導の作戦会議が始まった。
出席者はシャルロット、ハインツ、グロリア、アルタイル、イオ、シオンがテーブルに着いていた。
グロリアはまだ完全に右足の捻挫が治っておらず、杖を持参している。
「まずはどうドミネイト帝国に接触するかだけど…」
「あの姫様…会議の前に質問宜しいでしょうか…」
「何だい…シオン?」
「私は何故この様な場に呼ばれているのでしょうか…?恐れながら、私は王宮付きのメイドであり、シャルル王とエリザベート様にお仕えしている身…あなた様の冒険の真似事にお付き合いする事は出来ません」
シオンはシャルロットに対し深々と頭を下げる…しかし彼女の言い回しは言葉使いこそ丁寧だが辛辣な棘があった。
「いや~シオンは相変わらず手厳しいね…でもね、どうしても僕らには諜報や戦闘をこなせる君の様な人材が必要なんだよ…ねっ?くのいちのシオン?」
「さて…一体何の事でしょう…」
シオンは眉一つ動かさず平然とした顔をしている。
彼女はグラハムの指揮のもと、王国の暗部とも言える諜報部隊の所属で、それは例え親しい者であっても秘密にしなければいけないものだ。
隙を見せないシオンに対してシャルロットはこう話を切り出した。
「…七年前の僕が暗殺されそうになった事件を覚えてるよね?その時、濡れ衣を着せられたグロリアを助けてくれたくのいちが居たらしいんだけど…」
「はい…存じております…当時話題になりましたから」
「それでね昨日の地下遺跡でシェイドの手の者と戦った時にもそのくのいちと思しき人物が僕らに加勢してくれたんだよ…グロリアによるとそのくのいちが彼女にこう言ったらしいんだ…「グロリア!!あなたまだ甘さが抜けきっていないのね!!いい加減死ぬわよ!?」って…これってグロリアとそれなりに接してきた人物じゃないと言えないよね?」
「………」
シオンは黙秘している…流石にこの程度の尋問では口を割らないらしい。
しかしこのままシラを通されてしまっては元も子もない。
そこでシャルロットは奥の手を出すことにした。
「これもグロリアから聞いた話なんだけど、名前を尋ねたらそのくのいち…『通りすがりの美少女くのいち』って答えたそうよ…自分で美少女とか言っちゃう辺り、そのコって結構アレだよね~」
口に手を当てせせら笑う。
「そっ…それはっ!!名前を名乗れないから咄嗟にっ…!!あっ…!!」
つい弁解の言葉を口にしてしまったシオン…本人以外がこんな事を言うのは明らかにおかしい…しかし口に出してしまったからにはもう遅い…意地悪な笑顔を浮かべるシャルロットに見つめられ、彼女は茹でダコの様に真っ赤になり頬が引きつっている。
(あ~あ、また一人犠牲者が…シオン、お気の毒だな…)
ハインツは心の中で呟いた。
それともう一人、気が気でない人物が居た…イオだ。
(言えない…ボクが『輝ける大樹』のツィッギー様のお家で姫様たち三人が気絶している間にグラハム様がくのいちをシオンと呼んでいたのを教えたのがボクだなんて、シオンさんには口が裂けても言えない…)
イオは冷や汗で身体中グショグショだ。
「シオンさん…」
グロリアが杖を付きシオンに歩み寄る。
「今まで何度も危ない所を助けてくれてありがとう…」
「…礼なんて要らないわ…それが私の任務なんだから…あなたはもう少ししっかりしてもらわないと困るわね」
「はい、気を付けます」
満面の笑みのグロリア…ツンと彼女から顔を背ける…しかしシオンのその顔は照れているせいで若干赤かった…満更でもないらしい。
「いや~ゴメンね!?鎌をかけたみたいになって…君がそのくのいちかどうか確証が持てなかったから…でも僕はどうしても君の力が借りたいんだ…どうか首を縦に振ってほしい…」
シャルロットが頭を下げる…しかしイオが言っていた通りこれは鎌かけでも何でもなかった…くのいちの正体を彼女自身に認めさせるのが目的だったからだ。
だがここでシオンは考えた…地下遺跡の戦闘で戦った暗殺者は死んだはずのリサであった…しかし彼女が言うには自分は死んでいなかった訳でも生き返った訳でも無いと言う…その言葉の真意をシオンは知りたかった…ならばまたあのリサと会うにはシェイド達と遭遇する確率の高いシャルロットと行動を共にした方がチャンスが巡って来るのではないか…と。
「…分かりました、しかし私の一存だけでは決められません…上司のグラハム様の許可を頂かなければなりませんので…」
「その必要はありませんよ…シオン」
会議室の入り口から声がする…グラハムだった。
「グラハム様…!!」
シオンが膝ま付く。
「やあ、そろそろ来る頃だと思ってたよグラハム…僕たちを止めにね…」
そうは言いつつもシャルロットは笑顔を向ける。
「分かってらっしゃるのなら話は早い…では即刻この騎士団ごっこは止めにして戴けますか?我が国とドミネイト帝国の関係性は非常にデリケートな問題なのです…そんな面白半分で関わっていい問題ではないのですよ?」
いつもは穏やかな物腰の彼だが今日ばかりは様子が違っていた。
さすが王国筆頭の武芸者らしいといった威圧感が身体全体から滲み出ている。
「それは聞けないね…僕は騎士団ごっこなんてしているつもりは毛頭無いよ…これは歴とした騎士団の会議だよ、僕の騎士団のね…」
「何ですって…!?」
臆面もなくそう言い放つシャルロット…会議室に居る全員がざわめく。
「僕は常々思っていたのさ…僕の一存で動かせる騎士団を作る事をね…別に規模は大きくなくてもいいんだ、どちらかと言うと少数精鋭の方が小回りが利いて今回の様な作戦にも理想的だからね…それに将来的に魔王が復活したら僕以外には倒せないでしょう?その時に一緒に戦ってくれる信頼できる仲間が必要なのさ…ねえ?」
ハインツに向けてウインクする。
(あっ…まさかこいつ…)
ハインツは以前、自分は将来騎士団に入りたいという夢をシャルロットに話した事がある事を思い出した…しかしその時はシャルロットのお付きをしていては騎士団に入るのは絶望だ的な会話で打ち切った筈であった…。
(もしかしてずっと俺との会話を憶えていてくれたのか…?)
ハインツの身体が感動で小刻みに震えた…涙が出そうだった…本当ならシャルル王が擁する騎士団に所属するのが理想であったが、その息女で将来この国を継ぐであろうシャルロット姫の創立する騎士団に所属できるならある意味彼の夢は叶ったに等しいのである。
「そっ…そんな重要な案件…王と王妃の許可はとられたのですか…?」
突然の重大発表に落ち着かない様子のグラハム…明らかに挙動不審だ。
「良いのですグラハム…いずれ言い出すのではないかと思っていたのですから…」
「…これは王妃様!!」
エリザベートがツィッギーと共に会議室に現れた。
シャルロット以外の全員が椅子から立ち上がり一斉に膝ま付く。
「はあ…本当にしょうのない子…昔から自由奔放で言いだしたら聞かないのですから…」
「えへへっ…ゴメンねお母様」
王妃は深いため息を吐いて頭を振る。
シャルロットはバツが悪そうに微笑む。
「皆様…そう言う事ですからシャルロットが自分の騎士団を持つ事を許可します…どうかこの怖いもの知らずで危なっかしい我が娘をよろしくお願いしますね…グラハム…それでいいわね?」
「はっ!!異論ありません!!」
エリザベートがこの場に居る全員に向かって頭を下げた。
そもそもグラハムはシャルロットの為を思って口を出していた訳だが、シャルロットの覚悟は彼の想像をはるかに超えた所にあったのだ…そして王妃の許可が出た以上、騎士団の結成に異を唱える理由はグラハムにはもう無かった。
「よろしくねっ!!」
少し遅れてシャルロットが頭を下げる。
「シャルロット様…是非とも私をこの騎士団にお加えくださいませ…」
シャルロットの前に一人、膝ま付く者がいた…ツィッギーだ。
「えっ…ツィッギーさんは『輝ける大樹』の村長でしょう?そんな方に入ってもらう訳には…」
「良いのです…その役職なら私の妹に引き継いでまいりましたから…」
これにはさすがのシャルロットも驚いた…しかしこれは一体どうした事であろう…。
「ツィッギー様はね、シャルロット…あなたに協力するために我が国に来てくださったのよ」
「我が森を救っていただいた恩義はこの身をもって返させていただきたく思います」
あと数か月でシャルロットは十六になる…それは魔王の復活のカウントダウンでもあるのだ…その時の為に自分に何かできないか…ツィッギーはその事を伝えにエターニアを訪れていたのだった。
「分かったよ…でもツィッギー…今更そんな他人行儀な言葉遣いは止めてね?僕たちは同じ目的に向かって進む仲間なんだから…」
シャルロットがツィッギーに手を差し出す。
「うん!!よろしくねシャルちゃん!!」
手を掴み返して立ち上がり、二人で握手する。
「あっ…!!思い付いた!!」
突然シャルロットが突然大声を上げる。
「何だ?大声を出して…」
「名前だよ!!な・ま・え…騎士団の!!」
ひとりで興奮している彼女にあきれているハインツ。
「へえ…どんな名前ですかシャル様?」
グロリアが食いついて来た。
「見てよみんなの服の色…グロリアの赤…イオの橙…アルタイルの黄…ツィッギーの緑…ハインツの青…サファイアの藍…そしてシオンの紫…まるで虹の色じゃないか!!」
「なるほど!!」
感嘆の声を上げ、一同はお互いの服の色を見回す。
「私の騎士団は『虹』!!私、シャルロット・エターニアはここに『虹色騎士団』の結成を宣言します!!」
「おおおおおおおおっ!!!!」
かくしてシャルロットのシャルロットによるシャルロットの為の騎士団…『虹色騎士団』がここに誕生したのだった。
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