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第23話 謎の黒騎士
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「もう少しで着きますですよ」
魔導書を持った右手を前方に向けながら森の中を進むイオ。
横に並んでツィッギーが辺りを警戒する。
幸い進行方向には比較的背の低い柔らかめな草が生えていただけだったので思の他楽に進んでいた。
だが突然ツィッギーが立ち止まり頭の上にある大きく長い耳を頻りに動かしている。
「どうかしましたです?…ムグっ…!!」
「しっ…静かに…」
いきなり口を押さえ付けられ目を白黒するイオ。
口の前で人差し指を立てたままツィッギーは更に聞き耳を立てている。
彼女に促されるまま草藪にしゃがみ込んで身を隠す。
「この先に誰かいますね…話し声がします…最低でも二人…」
イオには虫の鳴き声以外は何も聞こえていなかった…流石耳長族と言った所か。
ただ彼女の神妙な表情があまり良い状況ではない事を物語っている。
「…どうですか?何か分かりますですか?」
「…魔導書のその反応はどうやらはずれの様ですね…聞こえる声は明らかにシャルロット様ではないです…」
「じゃあ…あの反応は一体何だったんでしょう…」
「それは私には何とも…」
お互い声を殺して顔を突き合わせる。
ただこうしていても埒が明かない…イオとしても会話の内容が分からなくてはどうすることも出来ない。
「会話の内容を教えてくれますですか?」
「…はい」
『『無色の疫病神』の成長具合はどうだ?』
頭の両側から横に大きく張り出す角の生えた禍々しき漆黒の兜と鎧、真っ赤なマントを羽織った人物が口を開く…何かの器具か魔法でも使っているのか、その声はくぐもった機械的なものに加工されていてとても不快だ。
『はっ…順調に育っております…』
その足元にかしずく人物が返事をする…こちらも目元が隠れる仮面をつけ全身が黒ずくめで声が加工されている。
ただ大きな胸と腰つきからこの人物が女性である事が分かる。
それともう一つ特徴的なのは頭の上に長い二つの耳があった…そう、この人物は耳長族である可能性が高いのだ。
『フフッ…女勇者の末裔どもめ…まさか我々がこんなにも早く活動を再開しているとは夢にも思うまい…』
『………』
角兜の人物が含み笑いをする…しかし女性の方は押し黙っていた。
『何だ…?何か言いたげだな…』
『…いえ…』
『お前の言いたい事は分かるぞ…『輝きの大樹』はお前たちに耳長族とっては言わばご神木だ…それを魔王の眷属復活のための魔力吸収に利用されているのいだからな…同族を裏切って後悔しているか?』
『…私はあなた様にお仕えする事を誓った時に耳長族と訣別した身…今更未練などありません…』
『そうか…』
角兜は特に抑揚のない声でそう言った。
仮面と変声のせいで女性がどんな心情なのかは分からない…しかし葛藤はしている様で小刻みに拳が震えていた。
「…これは大変な事ですよ…魔王の復活を狙う一味が存在していて、あまつさえ伝説の魔物まで復活させるなんて…」
イオは頭を抱え身体はワナワナと震えていた…国家転覆どころか世界滅亡を企む輩がすぐ側に居るのだ…それは無理も無い事だった。
「今すぐ戻りましょう…姫様はいなかったわけですし、これ以上ここに長居は禁物です…」
イオとツィッギーは顔を見合わせてその場を離れようとした刹那…二人の足元に上から降って来た一本の矢が刺さった。
「見つかったです!?」
「迂闊でした…向こうにも耳長族が居るのでした…イオ様!!急いで逃げますよ!!」
二人は大急ぎで来た道を戻る…森歩きに慣れたツィッギーに比べ体力のないイオはもたついていた。
しかし慌てれば慌てる程足元の草が足に絡まり思うように進めない。
そうしている内に後方で草木をなぎ倒し何かが高速で近づいて来る気配がした。
同時に突風が吹き付けイオとツィッギーはバランスを崩し地面に転がった。
「ああっ…!!」
「いたた…です…」
二人が身体を起こすと目の前には漆黒の角兜が立っていた。
ここで角兜が二人を見て一瞬驚いた様に身体が僅かに跳ねた。
兜のせいで表情は読み取れない。
『イオにツィッギーか…まさか我々の動きを探りに来たのか?』
「何故ボクたちの名前を!?あなたは誰です!?」
『…チッ…』
イオの質問に思わず舌打ちをする角兜。
余計な事を口走ってしまったといった感じか…。
『教える必要は無いな…お前達にはここで消えてもらう…』
角兜が腰に携えていた剣を抜く…柄が黒く刀身が真っ赤な不気味な剣だ。
そしてそのまま間を置かずイオ達に斬りかかって来たではないか。
「ひっ!!『プロテクションウォール』!!」
咄嗟にイオが魔法で防護障壁を展開し何とか角兜の剣を受け止める事が出来た。
『フッ…そんなもの、この魔剣『ブラッドムーン』の前では焼成前の煉瓦も同然…』
「えっ…!?」
角兜一歩踏み込み力を掛ける…すると剣はイオのプロテクションウォールに徐々に食い込んでいくではないか。
「いけませんイオ様!!」
ツィッギーがベルトの様に腰に巻いていた鞭を取り出すとイオ目がけ振り回し彼の胴に巻き付け自分の方へと引き寄せる。
直後、魔法障壁は跡形もなく魔剣に切り裂かれてしまった…そして粉々に飛散し大気中に消えていった。
「彼らには私達だけでは歯が立ちません!!ここは無理にでも強硬突破しますよ!!」
イオを肩に担ぐとツィッギーは一目散に走り出した。
力のない彼女でも小さく軽いイオはギリギリ担いで逃げられる重さだった。
だが当然単独で逃げるのと比べ幾分か速度は落ちてしまう。
『逃がすと思うのか?…ティー…やれ!!』
角兜がそう言うと少し離れた位置に居たティーと呼ばれた耳長族の女性が上空目がけて矢を次々と打ち出す。
それらは放物線を描き、走るツィッギー達目がけて雨あられの様に降り注ぐ。
「ひゃあっ!!危ないです!!」
イオが悲鳴を上げる。
彼は後ろ向きに担がれているので矢が飛んで来るのが直に見えてしまうのだ。
「落ちない様にしっかり捕まっていてくださいね!!」
ツィッギーがジグザグに走る…ティーに狙いを定めさせないためだ。
これが功を奏し矢に撃ち抜かれる事無く順調に回避する事が出来た。
「もう少しで森を抜けます!!村のみんなに声を掛けて助けを…あっ!?」
目の前にやや開けた草原が見える…ここまで来れば村までは目と鼻の先だ。
だがここで急に足を止めつんのめりそうになる…何と目の前にはあの角兜が待ち構えているではないか。
『…遅かったな…』
「いつの間に…!?」
有り得ない…確かにツィッギー達は角兜から全速で逃げ出した…その間、追い付かれた事も、追い抜かれた事も無かったはずだ。
仮に別ルートを大回りしたとしてこんなに早く先回りする事は尚の事不可能なはず…。
『観念するんだな…まだ我々の存在をお前たちに知られる訳にはいかないのでね…』
彼女らの後ろからティーも現れ完全に挟み撃ちの形になってしまった。
ガクリとその場に膝を着くツィッギー。
「はぁ…はぁ…」
「ツィッギーさん…!!大丈夫ですか!?」
イオは肩から降り彼女の容態を心配する。
ツィッギーは息を切らし顔中に汗が伝う…緊迫した状態というのもあるが、イオを担いで走った事で彼女の体力は限界を迎えていたのだ。
『…死ね』
角兜が二人に向かって剣を振るう…しかしその時、彼に向かって玉が投げつけられた…それには導火線があり先端には小さく火が灯っていた。
条件反射的にそれを切り落としてしまった角兜…瞬間、小規模な爆発が起こり辺りは煙幕が充満して何も見えなくなってしまった。
「さあこっちへ!!」
煙幕の中、謎の人物に腕を引かれるツィッギーとイオ…しかしイオにはこの人物の声をどこかで聞いた事がある気がしていた。
やがて煙が減れていく…しかしイオとツィッギーの姿は既にそこには無かった。
『くそっ…逃がしたか…あの煙玉はシオンの仕業だな…』
『探しますか?』
『いや、やめておこう…ハインツとグロリアもいたら厄介だ…』
又してもシャルロット側の人間の名前を口にする角兜…彼は一体何者なのだろうか?魔王に加担する人物である事以外は何も分からないのであった…。
魔導書を持った右手を前方に向けながら森の中を進むイオ。
横に並んでツィッギーが辺りを警戒する。
幸い進行方向には比較的背の低い柔らかめな草が生えていただけだったので思の他楽に進んでいた。
だが突然ツィッギーが立ち止まり頭の上にある大きく長い耳を頻りに動かしている。
「どうかしましたです?…ムグっ…!!」
「しっ…静かに…」
いきなり口を押さえ付けられ目を白黒するイオ。
口の前で人差し指を立てたままツィッギーは更に聞き耳を立てている。
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イオには虫の鳴き声以外は何も聞こえていなかった…流石耳長族と言った所か。
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「…どうですか?何か分かりますですか?」
「…魔導書のその反応はどうやらはずれの様ですね…聞こえる声は明らかにシャルロット様ではないです…」
「じゃあ…あの反応は一体何だったんでしょう…」
「それは私には何とも…」
お互い声を殺して顔を突き合わせる。
ただこうしていても埒が明かない…イオとしても会話の内容が分からなくてはどうすることも出来ない。
「会話の内容を教えてくれますですか?」
「…はい」
『『無色の疫病神』の成長具合はどうだ?』
頭の両側から横に大きく張り出す角の生えた禍々しき漆黒の兜と鎧、真っ赤なマントを羽織った人物が口を開く…何かの器具か魔法でも使っているのか、その声はくぐもった機械的なものに加工されていてとても不快だ。
『はっ…順調に育っております…』
その足元にかしずく人物が返事をする…こちらも目元が隠れる仮面をつけ全身が黒ずくめで声が加工されている。
ただ大きな胸と腰つきからこの人物が女性である事が分かる。
それともう一つ特徴的なのは頭の上に長い二つの耳があった…そう、この人物は耳長族である可能性が高いのだ。
『フフッ…女勇者の末裔どもめ…まさか我々がこんなにも早く活動を再開しているとは夢にも思うまい…』
『………』
角兜の人物が含み笑いをする…しかし女性の方は押し黙っていた。
『何だ…?何か言いたげだな…』
『…いえ…』
『お前の言いたい事は分かるぞ…『輝きの大樹』はお前たちに耳長族とっては言わばご神木だ…それを魔王の眷属復活のための魔力吸収に利用されているのいだからな…同族を裏切って後悔しているか?』
『…私はあなた様にお仕えする事を誓った時に耳長族と訣別した身…今更未練などありません…』
『そうか…』
角兜は特に抑揚のない声でそう言った。
仮面と変声のせいで女性がどんな心情なのかは分からない…しかし葛藤はしている様で小刻みに拳が震えていた。
「…これは大変な事ですよ…魔王の復活を狙う一味が存在していて、あまつさえ伝説の魔物まで復活させるなんて…」
イオは頭を抱え身体はワナワナと震えていた…国家転覆どころか世界滅亡を企む輩がすぐ側に居るのだ…それは無理も無い事だった。
「今すぐ戻りましょう…姫様はいなかったわけですし、これ以上ここに長居は禁物です…」
イオとツィッギーは顔を見合わせてその場を離れようとした刹那…二人の足元に上から降って来た一本の矢が刺さった。
「見つかったです!?」
「迂闊でした…向こうにも耳長族が居るのでした…イオ様!!急いで逃げますよ!!」
二人は大急ぎで来た道を戻る…森歩きに慣れたツィッギーに比べ体力のないイオはもたついていた。
しかし慌てれば慌てる程足元の草が足に絡まり思うように進めない。
そうしている内に後方で草木をなぎ倒し何かが高速で近づいて来る気配がした。
同時に突風が吹き付けイオとツィッギーはバランスを崩し地面に転がった。
「ああっ…!!」
「いたた…です…」
二人が身体を起こすと目の前には漆黒の角兜が立っていた。
ここで角兜が二人を見て一瞬驚いた様に身体が僅かに跳ねた。
兜のせいで表情は読み取れない。
『イオにツィッギーか…まさか我々の動きを探りに来たのか?』
「何故ボクたちの名前を!?あなたは誰です!?」
『…チッ…』
イオの質問に思わず舌打ちをする角兜。
余計な事を口走ってしまったといった感じか…。
『教える必要は無いな…お前達にはここで消えてもらう…』
角兜が腰に携えていた剣を抜く…柄が黒く刀身が真っ赤な不気味な剣だ。
そしてそのまま間を置かずイオ達に斬りかかって来たではないか。
「ひっ!!『プロテクションウォール』!!」
咄嗟にイオが魔法で防護障壁を展開し何とか角兜の剣を受け止める事が出来た。
『フッ…そんなもの、この魔剣『ブラッドムーン』の前では焼成前の煉瓦も同然…』
「えっ…!?」
角兜一歩踏み込み力を掛ける…すると剣はイオのプロテクションウォールに徐々に食い込んでいくではないか。
「いけませんイオ様!!」
ツィッギーがベルトの様に腰に巻いていた鞭を取り出すとイオ目がけ振り回し彼の胴に巻き付け自分の方へと引き寄せる。
直後、魔法障壁は跡形もなく魔剣に切り裂かれてしまった…そして粉々に飛散し大気中に消えていった。
「彼らには私達だけでは歯が立ちません!!ここは無理にでも強硬突破しますよ!!」
イオを肩に担ぐとツィッギーは一目散に走り出した。
力のない彼女でも小さく軽いイオはギリギリ担いで逃げられる重さだった。
だが当然単独で逃げるのと比べ幾分か速度は落ちてしまう。
『逃がすと思うのか?…ティー…やれ!!』
角兜がそう言うと少し離れた位置に居たティーと呼ばれた耳長族の女性が上空目がけて矢を次々と打ち出す。
それらは放物線を描き、走るツィッギー達目がけて雨あられの様に降り注ぐ。
「ひゃあっ!!危ないです!!」
イオが悲鳴を上げる。
彼は後ろ向きに担がれているので矢が飛んで来るのが直に見えてしまうのだ。
「落ちない様にしっかり捕まっていてくださいね!!」
ツィッギーがジグザグに走る…ティーに狙いを定めさせないためだ。
これが功を奏し矢に撃ち抜かれる事無く順調に回避する事が出来た。
「もう少しで森を抜けます!!村のみんなに声を掛けて助けを…あっ!?」
目の前にやや開けた草原が見える…ここまで来れば村までは目と鼻の先だ。
だがここで急に足を止めつんのめりそうになる…何と目の前にはあの角兜が待ち構えているではないか。
『…遅かったな…』
「いつの間に…!?」
有り得ない…確かにツィッギー達は角兜から全速で逃げ出した…その間、追い付かれた事も、追い抜かれた事も無かったはずだ。
仮に別ルートを大回りしたとしてこんなに早く先回りする事は尚の事不可能なはず…。
『観念するんだな…まだ我々の存在をお前たちに知られる訳にはいかないのでね…』
彼女らの後ろからティーも現れ完全に挟み撃ちの形になってしまった。
ガクリとその場に膝を着くツィッギー。
「はぁ…はぁ…」
「ツィッギーさん…!!大丈夫ですか!?」
イオは肩から降り彼女の容態を心配する。
ツィッギーは息を切らし顔中に汗が伝う…緊迫した状態というのもあるが、イオを担いで走った事で彼女の体力は限界を迎えていたのだ。
『…死ね』
角兜が二人に向かって剣を振るう…しかしその時、彼に向かって玉が投げつけられた…それには導火線があり先端には小さく火が灯っていた。
条件反射的にそれを切り落としてしまった角兜…瞬間、小規模な爆発が起こり辺りは煙幕が充満して何も見えなくなってしまった。
「さあこっちへ!!」
煙幕の中、謎の人物に腕を引かれるツィッギーとイオ…しかしイオにはこの人物の声をどこかで聞いた事がある気がしていた。
やがて煙が減れていく…しかしイオとツィッギーの姿は既にそこには無かった。
『くそっ…逃がしたか…あの煙玉はシオンの仕業だな…』
『探しますか?』
『いや、やめておこう…ハインツとグロリアもいたら厄介だ…』
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