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2章
62話 その先へ
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「あはは!もう殴り続けて5分!スズハさんボロボロじゃーん!血も流れてるし可哀想になってきちゃった。サイミっちもういいよ。トドメ刺しちゃって」
スズハが目を閉じてから5分間。その間ノノはサイミによって操られずっと攻撃を仕掛けていた。スズハは流血し全身痣だらけになりボロボロになっていた
「分かりましたよ。ノノさんトドメを刺しなさい!」
サイミが指示を出すとノノは渾身の突きをスズハのみぞおちに打ち込んだ
思わず顔をゆがめフラりと膝を着くスズハを見て喜ぶ2人だったが、何か違和感を感じる
「ん?なんだ?何故スズハさんから離れない?ノノさん!トドメを刺したらもういいですよ!離れなさい!」
スズハはゆっくりと目を開けるとノノを見つめた
「やっと…捕まえた。最後の一瞬、明らかに遅かった…あなたも…戦ってくれてたんだな…」
守りの魔力すら使い切ったスズハはゆっくりと倒れる
「なんだ…最後の足掻きでしたか!ははは!最強と言われたスズハさんもここまでのようですね!もう我々の邪魔をするものはいない!さて、そろそろ私達もラッドさんたちの加勢に行きましょうか」
「…待て」
スズハが倒れるのを確認した2人がその場を後にしようとしたその時、どこからか声が聞こえた
「ん?なんです?誰ですか?」
次の瞬間、目にも止まらぬ速さでサイミの膝を崩し拘束したのはノノだった
「…なに!?ノノさんは操っていたはず…!まさかスズハさんが最後に足掻いたのはこのため!?」
「そうだ!今度こそやられないぞ!よくもやってくれたな!」
「くっ…リードさん!」
「分かってる!」
リードが能力を使うとサイミは幻惑となり拘束をすり抜けて逃げ出した
「くそ!」
並んだ2人を前に考える。どうすれば催眠や幻惑をくらわずに戦えるのか…そもそも今の俺に倒せる術があるのか?
(刹那の天啓も使いこなしてね)
ふと少女の言葉が脳裏によぎる。刹那の天啓…一瞬だけ自分が有利な状況にする事が出来る強力な天啓だ。
…やれることをやるだけじゃダメだ。もっと進め!前を向け!常に上を見続けろ!
「スズハさん…見ててくださいね。俺、頑張ります!行くぞ!」
難しいことは無理だ。単純なことを突き詰めるしかない!
ノノは今できる自分の最高速で2人に襲いかかる。が、既に2人は幻惑になっておりぐにゃりと歪み消える。
そう、恐らくこの次もその次も、多重に幻惑をかけているだろう。でも簡単なことだ。全ての多重幻惑を振り払い生成するより早く追いつけばいい
ノノは広い部屋に無数に現れるリードとサイミの姿を瞬く間に消し去る
「あんたの攻撃が私達に届くことは無いのよ!諦めなさいよ!」
「諦めない!あんたに追いつくまで走り続けるだけだ!速さの先、そのもっと先へ!」
その瞬間、ノノはリードのサイミの姿以外の全てをシャットアウトした。視界に入るリードとサイミを無意識のうちに攻撃し意識は全て足の加速に回す
もっと…!!もっと速く!もっともっと…
「もっとだっ!!」
どんどん加速する足はついに視界に追える限界の速さを超えついにノノは音を置き去りにした
「なんだこれ!サイミっち~!!怖い怖い怖い!耳元で飛び回るハエの究極進化みたいな音が部屋中から聞こえるよ!」
「そんなことより幻惑もっとかけて!」
「かけてるけどどんどん追いつかれてもう無理~!」
「はぁぁぁぁあー!!!」
人智を超えた速さを手に入れたノノはついに幻惑を破り本体に迫る
「サイミっち!全方位催眠展開!」
「もうやってます!」
「ここだっ!刹那の天啓…能力無効化!」
サイミとリードに迫る一瞬、ノノの使った刹那の能力は、相手の天啓能力を無効化する効果だった
「刹那の天啓の一瞬は0.3秒間…たとえ人にとって一瞬でも…俺にとっては十分すぎる時間だ!!」
サイミとリードは天啓能力を消され無防備な姿を晒す
そして次の瞬間、一瞬のうちに2人ともノノに倒されていた
「うっ!やられる瞬間が分からなかった…悔しさも追いついてこないんだけど~!」
「リードさん…みくびってしまいましたが、流石は五大天啓と言ったところでしたね。我々の完敗です…」
「リベレーターとしてお前たちを拘束する!スズハさんが起きたらすぐに牢屋行きだからな!」
その後、拘束用に持ってきていた紐で2人を縛りスズハの回復をしばらく待つと、一旦地上の現場を収束させようということで4人は地上へと上がることにした
しかし、地上に出た4人が戦場を見に行くと、そこで目にしたものは想像を超える光景だった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時は少し遡り、ヒアラ達のほう…そこは微妙な空気になっていた
「ヒアラちゃん達、とりあえず話をしようにゃ。奥の部屋においで」
「リナさん!この状況説明してくれるんですか?助かります!」
ラッドとリナ、マホロとシュリ(クナイ)のバチバチな空気の中にひょっこり入ってしまいやるせなかった2人はリナの誘いが有難くついていこうとするが、マホロがそれを止める
「…待て。行くな、利用されるぞ」
「マホロさん…?利用されるってどういう…」
「ごめん。これは俺が悪いんだがこの2人はずっとこの展開を狙ってたんだ。お前ら2人が来た時のために準備をしてたようなことも言っていた。」
「え、そんな…リナさんほんとですか?」
「…………はぁ、ネタばらし早いねぇ~、マホロくん。これからが本番なのにそれはつまらないにゃ」
リナは残念そうに肩を上げると観念したように話す
「まぁ、じゃあその点も含めて話しちゃうからさ、とりあえずおいでにゃ。別に警戒してていいから」
「わ、分かりました。…キュアー、行こ?」
「うん…」
「おい!ちょっと…」
何とか言いくるめられ奥の部屋に入っていく2人を止めようとしたマホロだったが、それはラッドによって阻止されてしまった
「あなた達の相手は私ですよ。…ふぅ、普段から戦闘なんてしませんから疲れますね」
「する必要が無いだろ。もう二度としなくていいように拘束してやるから安心しろ。行くぞ、シュリ」
「はい!ヒアラさん達の方も気になりますし、全力ですぐに終わらせます!」
分断されたマホロとシュリは再びラッドとぶつかった
スズハが目を閉じてから5分間。その間ノノはサイミによって操られずっと攻撃を仕掛けていた。スズハは流血し全身痣だらけになりボロボロになっていた
「分かりましたよ。ノノさんトドメを刺しなさい!」
サイミが指示を出すとノノは渾身の突きをスズハのみぞおちに打ち込んだ
思わず顔をゆがめフラりと膝を着くスズハを見て喜ぶ2人だったが、何か違和感を感じる
「ん?なんだ?何故スズハさんから離れない?ノノさん!トドメを刺したらもういいですよ!離れなさい!」
スズハはゆっくりと目を開けるとノノを見つめた
「やっと…捕まえた。最後の一瞬、明らかに遅かった…あなたも…戦ってくれてたんだな…」
守りの魔力すら使い切ったスズハはゆっくりと倒れる
「なんだ…最後の足掻きでしたか!ははは!最強と言われたスズハさんもここまでのようですね!もう我々の邪魔をするものはいない!さて、そろそろ私達もラッドさんたちの加勢に行きましょうか」
「…待て」
スズハが倒れるのを確認した2人がその場を後にしようとしたその時、どこからか声が聞こえた
「ん?なんです?誰ですか?」
次の瞬間、目にも止まらぬ速さでサイミの膝を崩し拘束したのはノノだった
「…なに!?ノノさんは操っていたはず…!まさかスズハさんが最後に足掻いたのはこのため!?」
「そうだ!今度こそやられないぞ!よくもやってくれたな!」
「くっ…リードさん!」
「分かってる!」
リードが能力を使うとサイミは幻惑となり拘束をすり抜けて逃げ出した
「くそ!」
並んだ2人を前に考える。どうすれば催眠や幻惑をくらわずに戦えるのか…そもそも今の俺に倒せる術があるのか?
(刹那の天啓も使いこなしてね)
ふと少女の言葉が脳裏によぎる。刹那の天啓…一瞬だけ自分が有利な状況にする事が出来る強力な天啓だ。
…やれることをやるだけじゃダメだ。もっと進め!前を向け!常に上を見続けろ!
「スズハさん…見ててくださいね。俺、頑張ります!行くぞ!」
難しいことは無理だ。単純なことを突き詰めるしかない!
ノノは今できる自分の最高速で2人に襲いかかる。が、既に2人は幻惑になっておりぐにゃりと歪み消える。
そう、恐らくこの次もその次も、多重に幻惑をかけているだろう。でも簡単なことだ。全ての多重幻惑を振り払い生成するより早く追いつけばいい
ノノは広い部屋に無数に現れるリードとサイミの姿を瞬く間に消し去る
「あんたの攻撃が私達に届くことは無いのよ!諦めなさいよ!」
「諦めない!あんたに追いつくまで走り続けるだけだ!速さの先、そのもっと先へ!」
その瞬間、ノノはリードのサイミの姿以外の全てをシャットアウトした。視界に入るリードとサイミを無意識のうちに攻撃し意識は全て足の加速に回す
もっと…!!もっと速く!もっともっと…
「もっとだっ!!」
どんどん加速する足はついに視界に追える限界の速さを超えついにノノは音を置き去りにした
「なんだこれ!サイミっち~!!怖い怖い怖い!耳元で飛び回るハエの究極進化みたいな音が部屋中から聞こえるよ!」
「そんなことより幻惑もっとかけて!」
「かけてるけどどんどん追いつかれてもう無理~!」
「はぁぁぁぁあー!!!」
人智を超えた速さを手に入れたノノはついに幻惑を破り本体に迫る
「サイミっち!全方位催眠展開!」
「もうやってます!」
「ここだっ!刹那の天啓…能力無効化!」
サイミとリードに迫る一瞬、ノノの使った刹那の能力は、相手の天啓能力を無効化する効果だった
「刹那の天啓の一瞬は0.3秒間…たとえ人にとって一瞬でも…俺にとっては十分すぎる時間だ!!」
サイミとリードは天啓能力を消され無防備な姿を晒す
そして次の瞬間、一瞬のうちに2人ともノノに倒されていた
「うっ!やられる瞬間が分からなかった…悔しさも追いついてこないんだけど~!」
「リードさん…みくびってしまいましたが、流石は五大天啓と言ったところでしたね。我々の完敗です…」
「リベレーターとしてお前たちを拘束する!スズハさんが起きたらすぐに牢屋行きだからな!」
その後、拘束用に持ってきていた紐で2人を縛りスズハの回復をしばらく待つと、一旦地上の現場を収束させようということで4人は地上へと上がることにした
しかし、地上に出た4人が戦場を見に行くと、そこで目にしたものは想像を超える光景だった
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時は少し遡り、ヒアラ達のほう…そこは微妙な空気になっていた
「ヒアラちゃん達、とりあえず話をしようにゃ。奥の部屋においで」
「リナさん!この状況説明してくれるんですか?助かります!」
ラッドとリナ、マホロとシュリ(クナイ)のバチバチな空気の中にひょっこり入ってしまいやるせなかった2人はリナの誘いが有難くついていこうとするが、マホロがそれを止める
「…待て。行くな、利用されるぞ」
「マホロさん…?利用されるってどういう…」
「ごめん。これは俺が悪いんだがこの2人はずっとこの展開を狙ってたんだ。お前ら2人が来た時のために準備をしてたようなことも言っていた。」
「え、そんな…リナさんほんとですか?」
「…………はぁ、ネタばらし早いねぇ~、マホロくん。これからが本番なのにそれはつまらないにゃ」
リナは残念そうに肩を上げると観念したように話す
「まぁ、じゃあその点も含めて話しちゃうからさ、とりあえずおいでにゃ。別に警戒してていいから」
「わ、分かりました。…キュアー、行こ?」
「うん…」
「おい!ちょっと…」
何とか言いくるめられ奥の部屋に入っていく2人を止めようとしたマホロだったが、それはラッドによって阻止されてしまった
「あなた達の相手は私ですよ。…ふぅ、普段から戦闘なんてしませんから疲れますね」
「する必要が無いだろ。もう二度としなくていいように拘束してやるから安心しろ。行くぞ、シュリ」
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