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2章
57話 進化の兆し
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「ドラウザさん!両国とも動き出しました!」
「よし、戦場を上手く誘導するんだ!地形変更スキルを持ったものを両国に当てろ!まともに当たれば死人が出る恐れがあるからな。貿易ルートだけ避ければ最悪御の字とする!あとはスズハさん達に任せるしか無い…」
「そうですね。洗脳されているようでしたら我々では止められませんから、これが最善だと思います」
「多分敵もまだ準備段階だったんだろう。兵力が全然集まっていない。拠点の規模から推測すれば数は目標の3分の1といったところか。これなら我々でも何とかできるはずだ」
ドラウザはドローンからの映像で戦場をリアルタイムで監視し地形変更班に指示を出して戦場を操作している
本来人間であれば地形の変化などには敏感だが洗脳された兵士たちは違和感に気づくことも無く道なりに進んでいる
ぶつかる前にスズハさんが終わらせてくれればいいが…もし間に合わなくても異常事態だけは起きないでくれよ…
両国の衝突予想時刻まで残り40分…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…!?なにこれ、変な魔力の人達が一斉に動き出したよ!多分戦争の人達かな!?」
「戦争はスズハさん達が何とかしてくれる!信じよう!私達はマホロさんの方に!距離はどのくらい?」
「あと20分あれば着くとおもーう!」
「おっけー。飛ばそう!」
森を全速力で走り抜けるヒアラとキュアーも戦争の動向を確認し状況の緊迫感を感じていた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃マホロとシュリはラッドの底知れぬ力を前に攻めあぐねていた
「シュリ!大丈夫か?」
「……」
くそ…!かろうじて立っているが少し意識を失っているな。無理もない、強引に脳震盪を起こされているようなものだ。まだ幼いシュリに耐えられるはずがない
「どうしました?まさかこの程度で最強と呼ばれていた訳では無いですよね?マホロさん。…まぁ、この空気の壁は恐ろしく強力で全く動けそうにないので…天啓スキルは言うだけのことはありますが」
「……」
どうする…正当防衛として戦ってはいるが下手に殴れないこの状況、シュリの火力で無力化出来れば抑えられるかと思ったが難しいか…?
「マホロ…さ…んっ!」
「シュリ!?目が覚めたか!」
すぐ横でフラフラとしながらシュリがようやく目を覚ました
「私、立ちながら気絶してました…?どのくらい…」
「ほんの数秒だ!状況は把握出来てるか?意識をしっかり持て!すぐに対策をして反撃するぞ!」
「大丈夫です…!対策も考えました!」
シュリは再び走り出すと手裏剣に加えクナイを放り投げラッドに向けて飛ばした
…そういえばシュリって名前だから日本由来の手裏剣を教えはじめて、それに付随してクナイの投擲を教えてたんだが、偽名をクナイにしたことでややこしくなってるんだよな。気に入ってるのか…?
20を超える数で展開された手裏剣とクナイは先程と同様にラッドに迫る
「数を増やしたところで変わりませんよ。はあっ!」
ラッドは再び口から衝撃波を放ち空中の手裏剣を落とす…が、クナイはなんと弾かれずにラッドへと飛んでいく
「なんだ!?…はぁっ!」
しかし2度発せられた衝撃波によってクナイは弾かれてしまった
「まさか…クナイを空中で操作して左右の微弱な動きを追加し私の振動を相殺しようとしたのか…?」
「その通りです!次は、当てます!」
シュリは再び啖呵を切ると仕込んでいた残りの手裏剣とクナイを全て放った。その手裏剣とクナイは先程以上にぶれるように振動しラッドに迫る
「いけ!シュリー!」
「………ふざけるな…ふざけるなよ小娘がぁ!!」
「!?」
観念したかのように少し俯いていたラッドは急に怒りを増したように激昂し雄叫びを上げた
その雄叫びは地下アジト全体を震わせるとマホロとシュリにもとてつもない威力の衝撃波となり壁へと吹き飛ばした
「がぁっ…!」
「ぐっ…!」
しまった…ラッドを抑えていた壁が一瞬とけた!
「うぉぉああああ!!!!」
ラッドは全身を毛立たせると狼の様な姿に変化を始めた
「あれは…獣化!?出来る世代はとっくに終わってるだろ…」
「いえ…あれは恐らく一時的な効果で獣化し戦闘力を上げる麻薬だとおもいます」
獣化とは細胞改造の過程で野生の血が強く残っていた種族にのみ可能とされていた特殊能力で、身体能力を底上げし天啓すらも効果が強化されるといわれる獣人特有の恐ろしい能力だ。
しかしその代償は大きく、使う度に寿命を削ってしまうため長い間獣人達の間では禁断の技として使われないでいた。そのため遺伝子が退化し現代では変身できる獣人は滅んだとされているのだ
「ドーピングってことか…?」
「恐らく…ラッドさんの研究で獣人の戦力向上的なのを見た気がします」
「なるほどな…と、いうよりシュリ、さっきの衝撃波大丈夫だったのか?」
「はい…自分自身を振動させて波を緩和させました」
「……なるほど。シュリ、今のシュリなら出来るかもしれない」
「出来る?何が、でしょうか…」
「…天啓の、強化だ。」
「よし、戦場を上手く誘導するんだ!地形変更スキルを持ったものを両国に当てろ!まともに当たれば死人が出る恐れがあるからな。貿易ルートだけ避ければ最悪御の字とする!あとはスズハさん達に任せるしか無い…」
「そうですね。洗脳されているようでしたら我々では止められませんから、これが最善だと思います」
「多分敵もまだ準備段階だったんだろう。兵力が全然集まっていない。拠点の規模から推測すれば数は目標の3分の1といったところか。これなら我々でも何とかできるはずだ」
ドラウザはドローンからの映像で戦場をリアルタイムで監視し地形変更班に指示を出して戦場を操作している
本来人間であれば地形の変化などには敏感だが洗脳された兵士たちは違和感に気づくことも無く道なりに進んでいる
ぶつかる前にスズハさんが終わらせてくれればいいが…もし間に合わなくても異常事態だけは起きないでくれよ…
両国の衝突予想時刻まで残り40分…
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「…!?なにこれ、変な魔力の人達が一斉に動き出したよ!多分戦争の人達かな!?」
「戦争はスズハさん達が何とかしてくれる!信じよう!私達はマホロさんの方に!距離はどのくらい?」
「あと20分あれば着くとおもーう!」
「おっけー。飛ばそう!」
森を全速力で走り抜けるヒアラとキュアーも戦争の動向を確認し状況の緊迫感を感じていた
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その頃マホロとシュリはラッドの底知れぬ力を前に攻めあぐねていた
「シュリ!大丈夫か?」
「……」
くそ…!かろうじて立っているが少し意識を失っているな。無理もない、強引に脳震盪を起こされているようなものだ。まだ幼いシュリに耐えられるはずがない
「どうしました?まさかこの程度で最強と呼ばれていた訳では無いですよね?マホロさん。…まぁ、この空気の壁は恐ろしく強力で全く動けそうにないので…天啓スキルは言うだけのことはありますが」
「……」
どうする…正当防衛として戦ってはいるが下手に殴れないこの状況、シュリの火力で無力化出来れば抑えられるかと思ったが難しいか…?
「マホロ…さ…んっ!」
「シュリ!?目が覚めたか!」
すぐ横でフラフラとしながらシュリがようやく目を覚ました
「私、立ちながら気絶してました…?どのくらい…」
「ほんの数秒だ!状況は把握出来てるか?意識をしっかり持て!すぐに対策をして反撃するぞ!」
「大丈夫です…!対策も考えました!」
シュリは再び走り出すと手裏剣に加えクナイを放り投げラッドに向けて飛ばした
…そういえばシュリって名前だから日本由来の手裏剣を教えはじめて、それに付随してクナイの投擲を教えてたんだが、偽名をクナイにしたことでややこしくなってるんだよな。気に入ってるのか…?
20を超える数で展開された手裏剣とクナイは先程と同様にラッドに迫る
「数を増やしたところで変わりませんよ。はあっ!」
ラッドは再び口から衝撃波を放ち空中の手裏剣を落とす…が、クナイはなんと弾かれずにラッドへと飛んでいく
「なんだ!?…はぁっ!」
しかし2度発せられた衝撃波によってクナイは弾かれてしまった
「まさか…クナイを空中で操作して左右の微弱な動きを追加し私の振動を相殺しようとしたのか…?」
「その通りです!次は、当てます!」
シュリは再び啖呵を切ると仕込んでいた残りの手裏剣とクナイを全て放った。その手裏剣とクナイは先程以上にぶれるように振動しラッドに迫る
「いけ!シュリー!」
「………ふざけるな…ふざけるなよ小娘がぁ!!」
「!?」
観念したかのように少し俯いていたラッドは急に怒りを増したように激昂し雄叫びを上げた
その雄叫びは地下アジト全体を震わせるとマホロとシュリにもとてつもない威力の衝撃波となり壁へと吹き飛ばした
「がぁっ…!」
「ぐっ…!」
しまった…ラッドを抑えていた壁が一瞬とけた!
「うぉぉああああ!!!!」
ラッドは全身を毛立たせると狼の様な姿に変化を始めた
「あれは…獣化!?出来る世代はとっくに終わってるだろ…」
「いえ…あれは恐らく一時的な効果で獣化し戦闘力を上げる麻薬だとおもいます」
獣化とは細胞改造の過程で野生の血が強く残っていた種族にのみ可能とされていた特殊能力で、身体能力を底上げし天啓すらも効果が強化されるといわれる獣人特有の恐ろしい能力だ。
しかしその代償は大きく、使う度に寿命を削ってしまうため長い間獣人達の間では禁断の技として使われないでいた。そのため遺伝子が退化し現代では変身できる獣人は滅んだとされているのだ
「ドーピングってことか…?」
「恐らく…ラッドさんの研究で獣人の戦力向上的なのを見た気がします」
「なるほどな…と、いうよりシュリ、さっきの衝撃波大丈夫だったのか?」
「はい…自分自身を振動させて波を緩和させました」
「……なるほど。シュリ、今のシュリなら出来るかもしれない」
「出来る?何が、でしょうか…」
「…天啓の、強化だ。」
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