54 / 75
2章
52話 緊急招集…?
しおりを挟む
「ヒアラちゃん、キュアーちゃん。知ってるにゃ?最近このアニマストの周辺国が戦争をするとか何とかって話」
「え?なんでですか!?知らないですけど」
修行と研究の休憩中、リナは突然2人に戦争の話を持ち出してきた
「いやぁ、なんでもね?その戦争が起こると予想されている戦地がアニマストの輸入経路とガッツリ被るらしくて、それを阻止するためにうちの国からも軍が動いてるらしいにゃよ。しかも最悪なことに、ここの研究を戦力に活かすためとか言ってさ、この前リードちゃんとサイミくんが戦場の前線基地に招集されちゃったんだよ!」
「えぇ!?リードさんとサイミさんが!?ここに来てからあんまり関わってなかったですけど、たまにすれ違った時はそんな戦争に行く話とかしなかったですよ?」
「うーん、結構いきなりだったみたいにゃ~。私とラッドさんもそのうち呼ばれたりするのかにゃ~」
「どうでしょうか…戦場は危険ですからそんなことにならないといいですけど…」
仮にもラッドさんはこの研究所の管理人だし大丈夫だと思うけどリナさんが招集されちゃったら私達どうなるんだろ…一緒に駆り出されたりしないよね?
「う~ん、私魔獣相手ならまだしも本気で人と命のやり取りするのは嫌だなぁ」
キュアーも考えることは一緒なようで珍しく弱気の様子だった
少し休憩するとキュアーはリナが研究用に用意したカプセルへと入り、私はシミュレーションルームを使って新しいスキルの習得や練習、様々な状況での戦闘をイメージして特訓を行った。でもどうしても私は人より魔力保有量が少ないため治癒の魔力は武器に貯蓄した分も含めて1日3回までしか使えないとの判断だった。それ以上は私の体に負担がかかり生命力が低下してしまうとの事だ
「ヒアラちゃんは肉弾戦は出来るようだし、継続戦闘力を高めるためにもあんまり使わない方がいいにゃ。それに治癒はかなり貴重だし他のリベレーターは基本ヒールのみだからなんとかなるにゃ~」
リナはデスクに座りキュアーの解析を続けながらも私の戦闘データや身体能力のパラメータを見て細かく指示してくれた
「ありがとうございます。リナさんの方は何か分かりました?」
「う~ん、キュアーちゃん…正直かなり難しい…こんな精霊見た事ないよぉ、正体どころか魔力系統すらまだかかりそうかもにゃ…」
まぁ、そんな気はしてたな。当のキュアーは…なんか誇らしげにドヤ顔してるけど
「でも魔力量で精霊のレベルが違うんだとすると実体があるキュアーは上級より上ってことですよね?」
「理論上はね~、でも普通にありえないんだよ。上位の上は人1人が生み出せる存在じゃない。それこそ100%純度の精霊を呼び出すには1万人が必要、いや…それでも純度や濃度の違いから考えて無理だと思うにゃ」
「はぁ…そう聞くとほんとになんなんだろ?人間と精霊のハーフとか?」
ふと考えついた事を言ってみるとリナは次の瞬間固まった
「そ、それかもにゃ~!そんなこと考えたこともなかったにゃ!そうか…実体があるのは魔力100%の精霊じゃない、人間の肉体を持ちながら体の仕組みは精霊に近くなってるんだにゃ!納得がいったにゃ~」
リナは閃いたと言わんばかりにカタカタとキーボードを爆速タイピングし始めた
「うんうん、所々当てはまらない事もあるけど、おおよそ間違いなさそうにゃ!謎が解けそうかもにゃ!」
「おぉ~、良かったです!キュアー、残念ながらあんた人間だったみたいよ」
「えぇ!?そうなの!?私精霊だと思ってたんだけど!?」
「あはは、残念でした~!」
キュアーはカプセルの中で横になりながらだったが悔しかったのかモゾモゾともがいていた
「ふぃ~、色々と進んだ日だねぇ今日は。でもまだ調べたいこと沢山あるからヒアラちゃんは修行続けてほしいにゃ~。キュアーちゃんは人間だったとしても限りなく精霊に近いからその力を発揮出来るように色々魔力調整出来ないか試してみるにゃねー」
「は~い。私寝てるだけでいいのかなー?」
「うん!大丈夫にゃ~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後2日、周りの情勢が動く中、そんなことは何も知らない2人は何事もなく修行と研究によるパワーアップをしていたが、ついに2人のところにもその影響が出始めた
「リナ、ちょっと…」
いつも通りのんびり話しながら修行と研究をしていたところでラッドが扉から入ってきてリナを呼びつけた。この8日間、そんなことは1度もなかったためヒアラとキュアーは何か嫌な予感を感じていた
しばらく遠くで話した2人は一旦解散してリナだけ戻ってきた
「ヒアラちゃーん、キュアーちゃんごめん~、今サイミ達から連絡来たみたいで私達も明日から戦地に招集されるみたいにゃ~」
「え!?今の特訓がもう少しでものになりそうなのに!」
「私も魔力練るの今日までだったのに!もしかして完了しない!?」
2人ともリナのスケジュールで今日1日でキリがいい所まで行く予定だったので激しいショックを受けた
「いやいや、今日中はちゃんと見るよ。安心してにゃ~。夜準備するからヒアラちゃんとキュアーちゃんはここまで。でも、また近いうちに会えるかもにゃね」
「あ~良かった!はい!是非またすぐ会いましょう!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういえばリナさん達って戦場で具体的に何するんです?」
修行も終わり、時刻は20時を示していた。ヒアラとキュアーは最後にお別れをしようとリナの準備を手伝っていた
「ん~、まぁ色々だよ。ヒアラちゃん達には難しいかにゃ」
「あはは、そうですよね。…不安だな、また会えますよね?これでもし最後とか悲しすぎますよ」
「もーうヒアラったら!そんな心配する事ないって!そんなに心配なら一緒について行けば?」
「こらこら!まだ若いんだからそういう命の取り合いに参加するのは早いにゃ。それに私達は強いから大丈夫だし着いてこなくていいにゃ。…来るなら色々準備が終わってからで…」
リナは最後にボソッと呟いたが声が小さくてあまりきこえなかった
「え?」
「んー!なんでもないにゃ!それより手伝ってくれてありがとう~もう大丈夫だから2人は久しぶりの宿で疲れをゆっくり癒しておいでにゃ~」
リナは戦場に行くにも関わらず、私達に怖い感情を見せないためか笑顔でお別れを告げてくれた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふぁ~正直強くなった実感湧かないにゃ~!」
「キュアーさん?語尾が移ってますけど」
「えへへ、でも実際この1週間とちょいずっと研究所に寝泊まりしてリナさんと一緒にいたからロスな感じすごくない?にゃ~が聞こえないと物足りない感じするんだけど!」
「まぁ、それは確かにあるかも」
話しながら宿に久しぶりに帰ってきた2人だったが、ノノやスズハ達が待つであろう部屋に顔を覗かせてみると、誰もいなかった
「…あぇ?」
「ん?えっ、もぬけの殻ですか…?」
…どうなってるんだ?
2人の思考はしばらく停止したままだった
「え?なんでですか!?知らないですけど」
修行と研究の休憩中、リナは突然2人に戦争の話を持ち出してきた
「いやぁ、なんでもね?その戦争が起こると予想されている戦地がアニマストの輸入経路とガッツリ被るらしくて、それを阻止するためにうちの国からも軍が動いてるらしいにゃよ。しかも最悪なことに、ここの研究を戦力に活かすためとか言ってさ、この前リードちゃんとサイミくんが戦場の前線基地に招集されちゃったんだよ!」
「えぇ!?リードさんとサイミさんが!?ここに来てからあんまり関わってなかったですけど、たまにすれ違った時はそんな戦争に行く話とかしなかったですよ?」
「うーん、結構いきなりだったみたいにゃ~。私とラッドさんもそのうち呼ばれたりするのかにゃ~」
「どうでしょうか…戦場は危険ですからそんなことにならないといいですけど…」
仮にもラッドさんはこの研究所の管理人だし大丈夫だと思うけどリナさんが招集されちゃったら私達どうなるんだろ…一緒に駆り出されたりしないよね?
「う~ん、私魔獣相手ならまだしも本気で人と命のやり取りするのは嫌だなぁ」
キュアーも考えることは一緒なようで珍しく弱気の様子だった
少し休憩するとキュアーはリナが研究用に用意したカプセルへと入り、私はシミュレーションルームを使って新しいスキルの習得や練習、様々な状況での戦闘をイメージして特訓を行った。でもどうしても私は人より魔力保有量が少ないため治癒の魔力は武器に貯蓄した分も含めて1日3回までしか使えないとの判断だった。それ以上は私の体に負担がかかり生命力が低下してしまうとの事だ
「ヒアラちゃんは肉弾戦は出来るようだし、継続戦闘力を高めるためにもあんまり使わない方がいいにゃ。それに治癒はかなり貴重だし他のリベレーターは基本ヒールのみだからなんとかなるにゃ~」
リナはデスクに座りキュアーの解析を続けながらも私の戦闘データや身体能力のパラメータを見て細かく指示してくれた
「ありがとうございます。リナさんの方は何か分かりました?」
「う~ん、キュアーちゃん…正直かなり難しい…こんな精霊見た事ないよぉ、正体どころか魔力系統すらまだかかりそうかもにゃ…」
まぁ、そんな気はしてたな。当のキュアーは…なんか誇らしげにドヤ顔してるけど
「でも魔力量で精霊のレベルが違うんだとすると実体があるキュアーは上級より上ってことですよね?」
「理論上はね~、でも普通にありえないんだよ。上位の上は人1人が生み出せる存在じゃない。それこそ100%純度の精霊を呼び出すには1万人が必要、いや…それでも純度や濃度の違いから考えて無理だと思うにゃ」
「はぁ…そう聞くとほんとになんなんだろ?人間と精霊のハーフとか?」
ふと考えついた事を言ってみるとリナは次の瞬間固まった
「そ、それかもにゃ~!そんなこと考えたこともなかったにゃ!そうか…実体があるのは魔力100%の精霊じゃない、人間の肉体を持ちながら体の仕組みは精霊に近くなってるんだにゃ!納得がいったにゃ~」
リナは閃いたと言わんばかりにカタカタとキーボードを爆速タイピングし始めた
「うんうん、所々当てはまらない事もあるけど、おおよそ間違いなさそうにゃ!謎が解けそうかもにゃ!」
「おぉ~、良かったです!キュアー、残念ながらあんた人間だったみたいよ」
「えぇ!?そうなの!?私精霊だと思ってたんだけど!?」
「あはは、残念でした~!」
キュアーはカプセルの中で横になりながらだったが悔しかったのかモゾモゾともがいていた
「ふぃ~、色々と進んだ日だねぇ今日は。でもまだ調べたいこと沢山あるからヒアラちゃんは修行続けてほしいにゃ~。キュアーちゃんは人間だったとしても限りなく精霊に近いからその力を発揮出来るように色々魔力調整出来ないか試してみるにゃねー」
「は~い。私寝てるだけでいいのかなー?」
「うん!大丈夫にゃ~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後2日、周りの情勢が動く中、そんなことは何も知らない2人は何事もなく修行と研究によるパワーアップをしていたが、ついに2人のところにもその影響が出始めた
「リナ、ちょっと…」
いつも通りのんびり話しながら修行と研究をしていたところでラッドが扉から入ってきてリナを呼びつけた。この8日間、そんなことは1度もなかったためヒアラとキュアーは何か嫌な予感を感じていた
しばらく遠くで話した2人は一旦解散してリナだけ戻ってきた
「ヒアラちゃーん、キュアーちゃんごめん~、今サイミ達から連絡来たみたいで私達も明日から戦地に招集されるみたいにゃ~」
「え!?今の特訓がもう少しでものになりそうなのに!」
「私も魔力練るの今日までだったのに!もしかして完了しない!?」
2人ともリナのスケジュールで今日1日でキリがいい所まで行く予定だったので激しいショックを受けた
「いやいや、今日中はちゃんと見るよ。安心してにゃ~。夜準備するからヒアラちゃんとキュアーちゃんはここまで。でも、また近いうちに会えるかもにゃね」
「あ~良かった!はい!是非またすぐ会いましょう!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういえばリナさん達って戦場で具体的に何するんです?」
修行も終わり、時刻は20時を示していた。ヒアラとキュアーは最後にお別れをしようとリナの準備を手伝っていた
「ん~、まぁ色々だよ。ヒアラちゃん達には難しいかにゃ」
「あはは、そうですよね。…不安だな、また会えますよね?これでもし最後とか悲しすぎますよ」
「もーうヒアラったら!そんな心配する事ないって!そんなに心配なら一緒について行けば?」
「こらこら!まだ若いんだからそういう命の取り合いに参加するのは早いにゃ。それに私達は強いから大丈夫だし着いてこなくていいにゃ。…来るなら色々準備が終わってからで…」
リナは最後にボソッと呟いたが声が小さくてあまりきこえなかった
「え?」
「んー!なんでもないにゃ!それより手伝ってくれてありがとう~もう大丈夫だから2人は久しぶりの宿で疲れをゆっくり癒しておいでにゃ~」
リナは戦場に行くにも関わらず、私達に怖い感情を見せないためか笑顔でお別れを告げてくれた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふぁ~正直強くなった実感湧かないにゃ~!」
「キュアーさん?語尾が移ってますけど」
「えへへ、でも実際この1週間とちょいずっと研究所に寝泊まりしてリナさんと一緒にいたからロスな感じすごくない?にゃ~が聞こえないと物足りない感じするんだけど!」
「まぁ、それは確かにあるかも」
話しながら宿に久しぶりに帰ってきた2人だったが、ノノやスズハ達が待つであろう部屋に顔を覗かせてみると、誰もいなかった
「…あぇ?」
「ん?えっ、もぬけの殻ですか…?」
…どうなってるんだ?
2人の思考はしばらく停止したままだった
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
クラウンクレイド零和
茶竹抹茶竹
SF
「私達はそれを魔法と呼んだ」
学校を襲うゾンビの群れ! 突然のゾンビパンデミックに逃げ惑う女子高生の祷は、生き残りをかけてゾンビと戦う事を決意する。そんな彼女の手にはあるのは、異能の力だった。
先の読めない展開と張り巡らされた伏線、全ての謎をあなたは解けるか。異能力xゾンビ小説が此処に開幕!。
※死、流血等のグロテスクな描写・過激ではない性的描写・肉体の腐敗等の嫌悪感を抱かせる描写・等を含みます。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる