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1章
27話 戦線合流
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「次の攻撃来るぞ!総員回避行動!」
3人が覇王龍と皆が戦っている方に回ると覇王龍に乗って戦っているアカネの声が聞こえてきた。
「すごい…こんなに大勢で戦ってるのに的確に指示出ししてる…てかアカネさん、キャラが違くなってない?」
「すごい頼もしいよね~!流石剣聖!って感じ!」
最前線に並ぶため覇王龍に乗るとアカネがこちらに近づいてきた
「ヒアラさん!キュアーさん!良かった、ノノさん無事だったんですね!」
覇王龍は試験会場並の大きさ、東京のドームくらいの大きさのためでかさと破壊力はあるが、背中は揺れさえ耐えればある程度隙だらけだった
「今我々はしっぽの方にいるのですが、この先の方、恐らく首の辺りに強い魔力を感じます。恐らくこの覇王龍を操っているか、呼び出したと思われる者がいます。」
「アグナかな…?でも、確かこの龍呼ぶ時に制御出来ないとか何とか言ってたからなぁ…何してるんだろ」
「とりあえず行く?ヒアラ」
「うーん、みんな大丈夫かな?ドーズさんも別れてから見てないし、下の人たちこの規模の龍と戦うの危なくないかなぁ…てかノノ、さっきから黙ってるけどどうしたの?」
ノノは一緒に来てから少しこれまでと様子が違って静かに後ろに立っていた
「え?いや、これはクールな忍者であってだな…無口な方がかっこいいだろ」
少し気まずそうなノノを見てキュアーは堪えきれなくなったようで突然笑いだした
「いや~!ノノ!そのキャラいいと思うしかっこいいんだけどさ!シンプルに面白いからいじってもいい?」
「え?なっ!なんでだよ!馬鹿にしないって…笑わないって言っただろ!?」
「馬鹿にはしてないって~!私がシンプルに面白いからいじりたいだけ!」
…どうやらノノはキャラを変えたせいで同時にいじられキャラにもなってしまいそうだ
「そ、それよりだな!ヒアラ、俺は強くなった俺の力を試したいんだ。だから下に降りてアカネさんやドーズさん達と一緒に戦うよ。アグナってやつが何者か俺はよく見てなかったけど…託していいか?」
「…分かった。アカネさん、ノノの事、よろしくお願いします。」
「ええ、任せて下さい。剣聖の名にかけて、みんなを引っ張ってみせます。」
そういうとアカネはキリッとした表情で振り返りこちらに背を向けると再度覇王龍の動きに合わせて全体の指示を始めた
「よし…キュアー!行くよ!」
「うん!」
2人はゴツゴツとした岩肌のような揺れる背中をバランスを取りながら走り出した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よーし!お前ら!このデカブツを何とかして転ばせてやるぞ!右手は落ちてるからそのまま右足だ!関節部を狙えー!」
さっきヒアラの嬢ちゃん達が上に行くのが見えたな。アカネさんとこの後について話しているんだろう。だが、嬢ちゃん達は確か魔力系だったはず…。仮に戦線に合流したとして、このデカブツの魔法耐性を崩す手段はあるのか?
「あなたがドーズさんですか?」
ふと気がつくと、すぐ横に見慣れない少年が立っていた
「ん?坊主、誰だ?身なりは探索者のようだが…」
「速さの天啓、ノノです。この戦線に合流する際にドーズさんに隊列の指示をあおげとアカネさんに言われました。」
速さの天啓…なるほどこいつがあの有名なノノか!
「はっはっは!なるほどそーゆー事か!頼ってくれてありがとな!だが、お前さんは速さが売りなんだろ?隊列なんか気にしてちゃ本領を発揮出来ねぇってもんだ!自由にしてくれ!とは言っても、指示はしないとだよな…。よし、ノノ。お前さんは隊列指示無し。各布陣の様子を見ながら俺の指示が届いていなかったところに伝達。それとサポート。あとは適時攻撃を行ってくれ。手柄を取っても構わねぇ!とびきりのやつ頼むぜ!」
「了解!」
ノノはドーズの元を離れ大きく飛び上がり覇王龍の現状を確認する
出てきた時の圧迫感や威圧感、攻撃もとびきり激しいが、動き自体は単調で遅い。そのため探索者達もなんだかんだ余裕を持ちつつ計画的に攻略ができている感じだな。ただ…
「こいつ…まだ本気を出してないな。もっと早く動けるのか?次元龍の光線のような攻撃もあった痕跡は無いし、油断は出来ないな」
今の俺は速さの天啓だけじゃない。速さと刹那の天啓だ。天啓が合体なんて初めて聞いたが、とにかく今の俺の中には凄い力が宿っていると自覚できる
「ひとつ…問題があるとすれば、速さと刹那は似て非なるもの、混ざったことによって速さが今までのように出せなくなってしまったのが問題だな…あとから馴染んで元の速さになってくれればいいが…」
何はともあれ、刹那の天啓に触れておきたい。天啓を授かった時にスキルも同時に得ることが出来たからそれのお披露目だな
「ノノさーん!そっち!デカブツが動きますよ!」
「え?おぉ!ぉぉおおおお!!」
デカすぎて動き出しがよく分からない。気づいたら目の前に迫ってくるのだ。しかしその巨体も相まって遠近感が狂い思ったよりも早く感じる。間一髪で避けたノノだったが、焦りは隠せなかった
危ない…かなりギリギリだった。これまでなら見て動けば何も問題なかったんだけどな…刹那の天啓で速さが落ちた分予測や体術が必要になってくるかもしれない
「動き止まるぞー!攻撃態勢構えろー!」
アカネの声が聞こえてくる。
「よし!俺の真価を見せてやる!」
ふぅー、と身体中の息を吐き出すようにして目を瞑る。全身の感覚を研ぎ澄まし一瞬、刹那をイメージする。
おそらくこのスキルは刹那の天啓だけでも速さの天啓だけでも取れてないユニークだろう。狙うは右の膝裏…!
スキル:刹那一閃!
カッ!と開いた目が捉えるものは目の前の光景ではなく、その刹那に存在するもの全て。
このスキルはその一瞬の間、対象より自分が速く動いた場合、どんな物でも両断する事が出来る!
「はぁぁああ!!!」
強く切りつけた攻撃はほかの探索者の攻撃と重なり覇王龍の右膝をズタズタに刻んだ
「クソ…!全然刹那の隙を活かせなかった…速さが足りなかった。硬い鱗と皮膚を両断することは出来たが、中に張り巡らされた筋繊維や血の巡る血管に対して速さが負けていたんだ…。」
対象より早ければ何でも切れるが…逆に遅ければ通常の強い斬撃スキルで切れるものも切れないってことか。
「特訓が必要だなぁ…止まった時間の中で動くレベルじゃないとなんでも切るってレベルには行けないな、こりゃ」
大きく体勢を崩し倒れる覇王龍と歓喜の声を上げる探索者達。しかしノノは空を見上げ遠くを眺めていた
3人が覇王龍と皆が戦っている方に回ると覇王龍に乗って戦っているアカネの声が聞こえてきた。
「すごい…こんなに大勢で戦ってるのに的確に指示出ししてる…てかアカネさん、キャラが違くなってない?」
「すごい頼もしいよね~!流石剣聖!って感じ!」
最前線に並ぶため覇王龍に乗るとアカネがこちらに近づいてきた
「ヒアラさん!キュアーさん!良かった、ノノさん無事だったんですね!」
覇王龍は試験会場並の大きさ、東京のドームくらいの大きさのためでかさと破壊力はあるが、背中は揺れさえ耐えればある程度隙だらけだった
「今我々はしっぽの方にいるのですが、この先の方、恐らく首の辺りに強い魔力を感じます。恐らくこの覇王龍を操っているか、呼び出したと思われる者がいます。」
「アグナかな…?でも、確かこの龍呼ぶ時に制御出来ないとか何とか言ってたからなぁ…何してるんだろ」
「とりあえず行く?ヒアラ」
「うーん、みんな大丈夫かな?ドーズさんも別れてから見てないし、下の人たちこの規模の龍と戦うの危なくないかなぁ…てかノノ、さっきから黙ってるけどどうしたの?」
ノノは一緒に来てから少しこれまでと様子が違って静かに後ろに立っていた
「え?いや、これはクールな忍者であってだな…無口な方がかっこいいだろ」
少し気まずそうなノノを見てキュアーは堪えきれなくなったようで突然笑いだした
「いや~!ノノ!そのキャラいいと思うしかっこいいんだけどさ!シンプルに面白いからいじってもいい?」
「え?なっ!なんでだよ!馬鹿にしないって…笑わないって言っただろ!?」
「馬鹿にはしてないって~!私がシンプルに面白いからいじりたいだけ!」
…どうやらノノはキャラを変えたせいで同時にいじられキャラにもなってしまいそうだ
「そ、それよりだな!ヒアラ、俺は強くなった俺の力を試したいんだ。だから下に降りてアカネさんやドーズさん達と一緒に戦うよ。アグナってやつが何者か俺はよく見てなかったけど…託していいか?」
「…分かった。アカネさん、ノノの事、よろしくお願いします。」
「ええ、任せて下さい。剣聖の名にかけて、みんなを引っ張ってみせます。」
そういうとアカネはキリッとした表情で振り返りこちらに背を向けると再度覇王龍の動きに合わせて全体の指示を始めた
「よし…キュアー!行くよ!」
「うん!」
2人はゴツゴツとした岩肌のような揺れる背中をバランスを取りながら走り出した
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「よーし!お前ら!このデカブツを何とかして転ばせてやるぞ!右手は落ちてるからそのまま右足だ!関節部を狙えー!」
さっきヒアラの嬢ちゃん達が上に行くのが見えたな。アカネさんとこの後について話しているんだろう。だが、嬢ちゃん達は確か魔力系だったはず…。仮に戦線に合流したとして、このデカブツの魔法耐性を崩す手段はあるのか?
「あなたがドーズさんですか?」
ふと気がつくと、すぐ横に見慣れない少年が立っていた
「ん?坊主、誰だ?身なりは探索者のようだが…」
「速さの天啓、ノノです。この戦線に合流する際にドーズさんに隊列の指示をあおげとアカネさんに言われました。」
速さの天啓…なるほどこいつがあの有名なノノか!
「はっはっは!なるほどそーゆー事か!頼ってくれてありがとな!だが、お前さんは速さが売りなんだろ?隊列なんか気にしてちゃ本領を発揮出来ねぇってもんだ!自由にしてくれ!とは言っても、指示はしないとだよな…。よし、ノノ。お前さんは隊列指示無し。各布陣の様子を見ながら俺の指示が届いていなかったところに伝達。それとサポート。あとは適時攻撃を行ってくれ。手柄を取っても構わねぇ!とびきりのやつ頼むぜ!」
「了解!」
ノノはドーズの元を離れ大きく飛び上がり覇王龍の現状を確認する
出てきた時の圧迫感や威圧感、攻撃もとびきり激しいが、動き自体は単調で遅い。そのため探索者達もなんだかんだ余裕を持ちつつ計画的に攻略ができている感じだな。ただ…
「こいつ…まだ本気を出してないな。もっと早く動けるのか?次元龍の光線のような攻撃もあった痕跡は無いし、油断は出来ないな」
今の俺は速さの天啓だけじゃない。速さと刹那の天啓だ。天啓が合体なんて初めて聞いたが、とにかく今の俺の中には凄い力が宿っていると自覚できる
「ひとつ…問題があるとすれば、速さと刹那は似て非なるもの、混ざったことによって速さが今までのように出せなくなってしまったのが問題だな…あとから馴染んで元の速さになってくれればいいが…」
何はともあれ、刹那の天啓に触れておきたい。天啓を授かった時にスキルも同時に得ることが出来たからそれのお披露目だな
「ノノさーん!そっち!デカブツが動きますよ!」
「え?おぉ!ぉぉおおおお!!」
デカすぎて動き出しがよく分からない。気づいたら目の前に迫ってくるのだ。しかしその巨体も相まって遠近感が狂い思ったよりも早く感じる。間一髪で避けたノノだったが、焦りは隠せなかった
危ない…かなりギリギリだった。これまでなら見て動けば何も問題なかったんだけどな…刹那の天啓で速さが落ちた分予測や体術が必要になってくるかもしれない
「動き止まるぞー!攻撃態勢構えろー!」
アカネの声が聞こえてくる。
「よし!俺の真価を見せてやる!」
ふぅー、と身体中の息を吐き出すようにして目を瞑る。全身の感覚を研ぎ澄まし一瞬、刹那をイメージする。
おそらくこのスキルは刹那の天啓だけでも速さの天啓だけでも取れてないユニークだろう。狙うは右の膝裏…!
スキル:刹那一閃!
カッ!と開いた目が捉えるものは目の前の光景ではなく、その刹那に存在するもの全て。
このスキルはその一瞬の間、対象より自分が速く動いた場合、どんな物でも両断する事が出来る!
「はぁぁああ!!!」
強く切りつけた攻撃はほかの探索者の攻撃と重なり覇王龍の右膝をズタズタに刻んだ
「クソ…!全然刹那の隙を活かせなかった…速さが足りなかった。硬い鱗と皮膚を両断することは出来たが、中に張り巡らされた筋繊維や血の巡る血管に対して速さが負けていたんだ…。」
対象より早ければ何でも切れるが…逆に遅ければ通常の強い斬撃スキルで切れるものも切れないってことか。
「特訓が必要だなぁ…止まった時間の中で動くレベルじゃないとなんでも切るってレベルには行けないな、こりゃ」
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