ヒアラ・キュアー

るろうに

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1章

25話 パワーアップ

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「走れお前らー!アカネさんに続けー!」

駆けつけてきた探索者の波に乗って走っていると途中で後ろの方から声をかけられた

「お前らはー、ちょっと待ってくれ!」

「え?あ!ドーズさん!!」

「キュアーの嬢ちゃんも来てくれ!渡したいもんがあるんだ」

「なになにー!?プレゼント持ってきてくれたの!?」

「まぁ、そんなところだな。お前らこいつを頼んでたこと忘れてなかったか?」

そういうとドーズさんは担いでた袋からそれを取り出した

「こ、これは!!もしかして私の特注装備!?!?」

ひとつずつ取り出された装備には、2つに分かれた双剣のような武器、おそらく連結するタイプだろう。それと胸当てや篭手こて等、そのほか各部の防具があった

「あぁ、キュアーの嬢ちゃんの分も、武器は無いが防具があるぞ」

「え!やったー!私精霊だからこーゆーのいらないと思ってたけど、やっぱりあった方がいいのかな?」

「んー、分からんが、あるに越したことはないだろう」

「えー!東京に帰ったら藤野さんにお礼言わなきゃ!めちゃうれしー!」

「あぁ、そのためにも生きて帰らないとな!それじゃ2人はこれをどっかで装備してくるといい。それぞれ、2人に合わせて作られてるから今の装備よりも格段に変わると思うぞ!じゃあ、俺は俺で新調した武器を試したいので先に行ってるぜ!」

そう言って装備を全て置いてくれたドーズは新しくなったハンマーを構え先行した探索者を追いかけた

「じゃあ早速付けてみようか!覇王龍は皆が足止めしてくれるだろうし、何よりあの腕切っちゃったアカネさんがいるから安心だと思う!」

「そうだね!てか私もう付け始めてるよ?ヒアラも早くしな~?」

「ちょ!抜け駆けしないでよ!私の方が付けるの多いんだから~!!」

ーーーーーーー3分後~

「す、すごい、なにこれ!?体から力が漲るような気がする…。それにこの武器、ダブルセイバー?両剣?両刃剣?なんていうのかな、めちゃ手に馴染んでいい!」

「ヒアラ、それ説明書じゃない?ドーズさんが置いてった袋の中のやつ」

「ん?あ、ほんとだ!色々解説が書いてある!えーと、なになに?」

そこにはこう書かれていた

ヒアラちゃん、キュアーちゃんへ

新しい装備、待たせちゃってごめんな。
ヒアラちゃんの天啓は治癒っていう後衛職のユニークに対して戦闘スタイルがバリバリ遊撃だったもんだから、少し装備のスタイルを悩んだんだ。攻撃を上げるのは治癒を活かしきれないし、後衛職の定番の防御力でも動きにくいからね。
だから間をとって身体能力と魔力を底上げ出来る装備を作ったよ。装備のダブルセイバーは元々魔力が少ないヒアラちゃんの魔力消費量を抑えてくれる効果がある。あとは微量だけど魔力をストックしてくれる効果がある。
この機能を使うことで、普段の魔力じゃ足りない怪我も治せるようになるし、攻撃力に変換することも出来る。俺の作品の中でも過去最高の傑作だ。是非使いこなして欲しい。

あと、キュアーちゃんの分も魔力操作精度を向上させるバフを付けている。精霊だけど精霊として生きてこなかったキュアーちゃんにはピッタリだと思う。良かったら使ってくれ

藤野

「藤野さん!めっちゃ頑張ってくれたんだ!ありがとうございます!この武器、ダブルセイバーっていうのか、かっこいい!気に入った!」

「ダブルセイバー…なんかのゲームで聞いたことあるような…確かPSお…」

「そんなことどうでもいいの!とにかく!気に入った!あの覇王龍!こてんぱんにしてやるんだから!」

「ねぇ見てヒアラー!私の装備ヒラヒラ付いてる~!可愛い!」

キュアーの装備は若干精霊を意識したのか、少し可愛さがあるような装備だった。私の運動特化って感じとはまた違っていい感じだ

「いいね!戦場の舞姫!って感じでかっこかわいい感じだね!よし、キュアー!皆本体に行っちゃったから手の中のノノを助けに行こう」

「うん!…あれ?さっきすごい力で光ってなかった?漫画とかアニメでよくある覚醒展開だと思ってたけど登場シーンまで行かなかったかぁ」

…確かに!?あれだけ光ってたのになんで何も起こらなかったんだ?アカネさんのインパクトが強くて流されてたけど、大丈夫かな…

「とにかく行こう!」

「うん!」

しかし、大きな一歩を踏み出した瞬間ヒアラはものすごい勢いで顔面から転んだ

「うがー!!なになに!?1歩走っただけなのに!」

なんと1歩のつもりが20メートルくらい進んでいた

「装備…強すぎて操れるか分からないな…最初はダッシュじゃなくてジャンプで行ったほうがいいかも…」

「ヒアラ~!大丈夫?手繋ごっか?」

「大丈夫!ダッシュはまだ体が慣れないからジャンプしていくよ!」

大きく踏ん張りジャンプをすると…やはりはるか上空までものすごい勢いで飛び上がった

「な、なにこれ!?ヤバすぎー!30メートルくらい飛んでるんじゃないの!?着地無理無理!死ぬー!!!」

あまりにも高く飛びすぎたため急速に近づく地面。着地のイメージなど湧くはずもなく、死、もしくは大怪我を覚悟した。しかし、なんと怪我は愚か、普通のジャンプの着地のような感覚で降りれてしまった。

ただ、感覚とは裏腹に少し地面にめり込んだ足を見ると、重力自体はちゃんと働いているらしい。私の体が本当に強くなったんだ

「す、すごい!これはすごい!よし!キュアー!先に行くねー!」

少し感覚を掴んだので大きくジャンプをする。高くから見下ろした地面の先は、覇王龍の手があるところ。

「ノノー!今行くよー!」

私もみんなに負けてられない!このタイミングで装備が来たのはきっと運命だ!絶対生きて帰るんだ!
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