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1章
9話 森の秘密と世界の仕組み
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「ほーう、あんた達探索者だったんだね?それで依頼を受けてきてくれたのかい」
「はい…。そうなんです。ただこの前なったばかりなのにいきなりランクDを受けちゃってたった今痛い目を見たところでした。」
「あっはっは!それはあんた達馬鹿だねぇ!ランクDの依頼ってのは本来そこそこ定石の動きとかを理解した熟練パーティが受けるものだよ!」
「そうですよねぇ~、すみません。」
帰路に着く途中に名前を聞けたのだが、女性の名前はカレンさんというそうだ。
カレンの家に着いた一行は荷物などを整理した後一段落してから食卓を囲んでいた。
「なんでまたいきなりランクDなんて選んだのさ?」
防護服を着ていた時のカレンさんは大きくて強そうなイメージだったけど、服を脱いで部屋着姿になるとスタイルのいい大人の女性!って感じだった
「私なんですよね~、あはは。最初の定番と言えば植物採集系と思って探してたんだけど東京に無くて、範囲広げたら見つけたから受けたんだけどその時ランク見てなかったんだよねぇ。あと…なんとかなるかなぁって…てへ。」
「それであのザマだったのかい?」
「ごめんなさい…。」
キュアーが珍しく申し訳なさそうにしている。これはこれで少し面白い
「結局あのキノコはなんなんですか?森からも出てこなかったですし、無限に増殖してるようにも見えました。」
「あのキノコはね、別に1個1個に命があるわけじゃないんだよ。大元は1匹。ボスがいるのさ」
「ボス!?」
「そう。ボスさ、そいつがあの森を支配しちまってて一般人は通ることすら出来ない。小さなキノコはあいつの触手みたいなもんだね、自由に生やせるし動かせる。人がいない時は少なくして油断させて囲むのさ。」
「なるほど…私達はまんまとはめられたわけですか…。」
「そういうことだね、ボスを倒せば多分みんないなくなるよ。依頼を受けたからには厳しくても頑張ってもらうよ。若くても探索者になるってのはこういうのもやっていかないといけないってことだよ」
「はいっ!頑張ります!」
カレンは少し厳しめに言いつつも心配をしてくれているようで沢山ご飯を食べなと勧めてくる。優しい
「それにしてもやっぱりここ数年はどうしても増えてきちゃうからねぇ、探索者が余りいない田舎は辛いもんだよ全く…」
「探索者が受けない依頼とかもあるんですか?」
「あぁ、そりゃあるよ、田舎だからね、報酬自体そこまで出せないんだ。なのにモンスター共はうじゃうじゃ湧いてくるもんだから依頼を出すんだけど…内容に見合わない報酬だと受ける探索者もいないのさ。」
それもそうか。結局探索者と言ってもみんながみんな善意で動くわけじゃない。報酬がいい依頼があるとか、福利厚生が厚いとかあるけど結局は命を張ってるんだ。勇者とは違う。仕事としてやってる人からしたら受ける意味が無いのだろう
「それで、受ける探索者がいなかったらどうするんですか?」
「そのエリアには侵入出来なくなるけどそれだけだね。他には基本放置だね。」
「えぇ、もう一生入れないんですか!?」
「いや、そうでも無いさ、そもそもこんなにモンスターが湧くこと自体長くて2年程度なんだよ、大体20年前後に1回。でもそこで1度リセットされるからその後は問題なくまた使えるよ」
リセット?カレンさんの言ってることが分からない…キュアーもよく分かってないようだった
「リセットって…なんですか?」
「ん?リセット?あぁ、そうか、あんた達はまだ若いから経験がないのか。あれは不思議だよ、私もすごい昔に1度経験しただけだからそこまで語れないけどね。まさしく世界が変わるって感じだ。」
「この地球全体で起きるんですか?」
「んー?多分そうじゃないかな、これを説明するのは少し長くなるけど、知っておいた方がいい。聞けそうかい?」
なんだかカレンのこの話は聞いた方がいいような気がした。カレンの話によればモンスターが盛んになるのは最後の方の数年ってことだから近いうちにそのリセットっていうのがあるのかもしれない。
胸が少しざわついたような気がした
「聞かせてください。この世界の仕組みを。」
「…あんたら2人も聞くかい?」
キュアーとノノも真剣な表情で耳を傾ける
「どこから話したもんかね、まずは昔から伝わるこの世界の仕組みについて話そう。
まずこの世界、宇宙やこの地球もそうだ、これらを生み出したのは神様だって話は聞いたことがあるだろう」
「はい」
「それ以来地球は歴史通りの進化を続けてきた訳だが…実ははるか昔は今みたいに幽霊や精霊、妖怪や獣人なんてのはいなかったんだよ。」
「人間だけの世界だった…ってことですか?」
「そう。でもいつからそれらが人間社会に出てきていつから共存しているのか、それがどんな科学者や研究者が調べても全く分からないんだ。」
「昔は人間だけだったのは確実なんですね?」
「あぁ、そう言われているよ。私も専門じゃないからその話がどこまでほんとなのかとかはよく分かってないんだけどね。」
カレンは3人が話についてきているか確認しながら続ける
「それで結局、どーゆーことなのかって話なんだけど、それこそ幽霊達を認識したあたりから定期的に世界に異変が起きてるってことが分かったんだ。まぁ、分かったっていうか、皆がそれを認識出来るようになったのがきっかけなんだけど。」
「それがさっき言ってた約20年ごとに起こるっていうリセット?」
「そうそう!何がきっかけなのか、正確に何が世界に起こってるのかはよく分かってないんだけどね、とりあえずそれがきっかけで獣人や幽霊達が生まれ、この世界に馴染みだしたと言われているよ」
「…かなり、アバウトな感じなんですね」
「あはは、そうなんだよ。ま、この世界の真理にたどり着きたいなら女神リフレにでも会うことだね!」
「女神リフレ?」
ここに来てから聞きなれない言葉ばかりだ。神様とはまた別なのかな?
「なんだいあんた達、女神リフレも知らないのかい?」
「俺は知ってるよ。それこそリセットがある度に地上に現れる女神。溢れかえったモンスターを消し去るこの世の救世主。だったよな」
ええ?ノノ知ってたの?さっきまで無言で聞いてたのに!?
心の中で叫ぶ声は口から先には出なかった
「そう、女神リフレはリセットの度に現れるから何かしらの関係がある。もしくはリフレ様が自らリセットをしてくれてるって話だよ」
なるほど…話が長くてよく分からなかったけど要約すると…
約20年に1度起きるリセットというものがある。それでモンスターが消えたり、逆に獣人や幽霊が現れるという謎の現象が起こった。
次に女神リフレという存在がいてその人がリセットを行うため(?)に地上現れる。この世界の真理を知りたいならその人に聞くしかない
って事かな!
「なるほど…多分よく分かりました!」
キュアーもどうか分からないがとりあえず頷いてるから大丈夫だろう
「さて、それじゃあもう遅いから寝ときなよ!」
「はーい!カレンさん、ありがとうございます!」
「何言ってんだい、明日ボスモンスターを倒すために頑張ってもらうんだ。当たり前のことよ」
食事を済ませた3人はその後時間を置いてそれぞれ分けられた部屋で布団に入った
「はい…。そうなんです。ただこの前なったばかりなのにいきなりランクDを受けちゃってたった今痛い目を見たところでした。」
「あっはっは!それはあんた達馬鹿だねぇ!ランクDの依頼ってのは本来そこそこ定石の動きとかを理解した熟練パーティが受けるものだよ!」
「そうですよねぇ~、すみません。」
帰路に着く途中に名前を聞けたのだが、女性の名前はカレンさんというそうだ。
カレンの家に着いた一行は荷物などを整理した後一段落してから食卓を囲んでいた。
「なんでまたいきなりランクDなんて選んだのさ?」
防護服を着ていた時のカレンさんは大きくて強そうなイメージだったけど、服を脱いで部屋着姿になるとスタイルのいい大人の女性!って感じだった
「私なんですよね~、あはは。最初の定番と言えば植物採集系と思って探してたんだけど東京に無くて、範囲広げたら見つけたから受けたんだけどその時ランク見てなかったんだよねぇ。あと…なんとかなるかなぁって…てへ。」
「それであのザマだったのかい?」
「ごめんなさい…。」
キュアーが珍しく申し訳なさそうにしている。これはこれで少し面白い
「結局あのキノコはなんなんですか?森からも出てこなかったですし、無限に増殖してるようにも見えました。」
「あのキノコはね、別に1個1個に命があるわけじゃないんだよ。大元は1匹。ボスがいるのさ」
「ボス!?」
「そう。ボスさ、そいつがあの森を支配しちまってて一般人は通ることすら出来ない。小さなキノコはあいつの触手みたいなもんだね、自由に生やせるし動かせる。人がいない時は少なくして油断させて囲むのさ。」
「なるほど…私達はまんまとはめられたわけですか…。」
「そういうことだね、ボスを倒せば多分みんないなくなるよ。依頼を受けたからには厳しくても頑張ってもらうよ。若くても探索者になるってのはこういうのもやっていかないといけないってことだよ」
「はいっ!頑張ります!」
カレンは少し厳しめに言いつつも心配をしてくれているようで沢山ご飯を食べなと勧めてくる。優しい
「それにしてもやっぱりここ数年はどうしても増えてきちゃうからねぇ、探索者が余りいない田舎は辛いもんだよ全く…」
「探索者が受けない依頼とかもあるんですか?」
「あぁ、そりゃあるよ、田舎だからね、報酬自体そこまで出せないんだ。なのにモンスター共はうじゃうじゃ湧いてくるもんだから依頼を出すんだけど…内容に見合わない報酬だと受ける探索者もいないのさ。」
それもそうか。結局探索者と言ってもみんながみんな善意で動くわけじゃない。報酬がいい依頼があるとか、福利厚生が厚いとかあるけど結局は命を張ってるんだ。勇者とは違う。仕事としてやってる人からしたら受ける意味が無いのだろう
「それで、受ける探索者がいなかったらどうするんですか?」
「そのエリアには侵入出来なくなるけどそれだけだね。他には基本放置だね。」
「えぇ、もう一生入れないんですか!?」
「いや、そうでも無いさ、そもそもこんなにモンスターが湧くこと自体長くて2年程度なんだよ、大体20年前後に1回。でもそこで1度リセットされるからその後は問題なくまた使えるよ」
リセット?カレンさんの言ってることが分からない…キュアーもよく分かってないようだった
「リセットって…なんですか?」
「ん?リセット?あぁ、そうか、あんた達はまだ若いから経験がないのか。あれは不思議だよ、私もすごい昔に1度経験しただけだからそこまで語れないけどね。まさしく世界が変わるって感じだ。」
「この地球全体で起きるんですか?」
「んー?多分そうじゃないかな、これを説明するのは少し長くなるけど、知っておいた方がいい。聞けそうかい?」
なんだかカレンのこの話は聞いた方がいいような気がした。カレンの話によればモンスターが盛んになるのは最後の方の数年ってことだから近いうちにそのリセットっていうのがあるのかもしれない。
胸が少しざわついたような気がした
「聞かせてください。この世界の仕組みを。」
「…あんたら2人も聞くかい?」
キュアーとノノも真剣な表情で耳を傾ける
「どこから話したもんかね、まずは昔から伝わるこの世界の仕組みについて話そう。
まずこの世界、宇宙やこの地球もそうだ、これらを生み出したのは神様だって話は聞いたことがあるだろう」
「はい」
「それ以来地球は歴史通りの進化を続けてきた訳だが…実ははるか昔は今みたいに幽霊や精霊、妖怪や獣人なんてのはいなかったんだよ。」
「人間だけの世界だった…ってことですか?」
「そう。でもいつからそれらが人間社会に出てきていつから共存しているのか、それがどんな科学者や研究者が調べても全く分からないんだ。」
「昔は人間だけだったのは確実なんですね?」
「あぁ、そう言われているよ。私も専門じゃないからその話がどこまでほんとなのかとかはよく分かってないんだけどね。」
カレンは3人が話についてきているか確認しながら続ける
「それで結局、どーゆーことなのかって話なんだけど、それこそ幽霊達を認識したあたりから定期的に世界に異変が起きてるってことが分かったんだ。まぁ、分かったっていうか、皆がそれを認識出来るようになったのがきっかけなんだけど。」
「それがさっき言ってた約20年ごとに起こるっていうリセット?」
「そうそう!何がきっかけなのか、正確に何が世界に起こってるのかはよく分かってないんだけどね、とりあえずそれがきっかけで獣人や幽霊達が生まれ、この世界に馴染みだしたと言われているよ」
「…かなり、アバウトな感じなんですね」
「あはは、そうなんだよ。ま、この世界の真理にたどり着きたいなら女神リフレにでも会うことだね!」
「女神リフレ?」
ここに来てから聞きなれない言葉ばかりだ。神様とはまた別なのかな?
「なんだいあんた達、女神リフレも知らないのかい?」
「俺は知ってるよ。それこそリセットがある度に地上に現れる女神。溢れかえったモンスターを消し去るこの世の救世主。だったよな」
ええ?ノノ知ってたの?さっきまで無言で聞いてたのに!?
心の中で叫ぶ声は口から先には出なかった
「そう、女神リフレはリセットの度に現れるから何かしらの関係がある。もしくはリフレ様が自らリセットをしてくれてるって話だよ」
なるほど…話が長くてよく分からなかったけど要約すると…
約20年に1度起きるリセットというものがある。それでモンスターが消えたり、逆に獣人や幽霊が現れるという謎の現象が起こった。
次に女神リフレという存在がいてその人がリセットを行うため(?)に地上現れる。この世界の真理を知りたいならその人に聞くしかない
って事かな!
「なるほど…多分よく分かりました!」
キュアーもどうか分からないがとりあえず頷いてるから大丈夫だろう
「さて、それじゃあもう遅いから寝ときなよ!」
「はーい!カレンさん、ありがとうございます!」
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