大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

学校の仕組みと仕返し

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この学校の仕組みというのは、かなり独特のものらしい。
まず、一学年二クラス、それが三学年まであるのだが、一年経って、ハイ進級、ではないようだ。
まず、一年生は六十人で、三十人で一クラス。
で、そのまま授業やら何やらをこなしていって、担任の先生から許可が出た時点で進級する権利が確定する。
見事進級できた場合、そのまま進級。
残念ながらできなかった場合、一年生からやり直し。
だから、一年生が募集三十人なのに六十人もいるのね。
しかも、学校側の色んな雑用やら何やらを押し付けられるそうな。
厳しくて涙でそう。
で、今回の『欠員』の訳。
試験官のひとりとして駆り出された一年生の先輩(ってのも変な言い方だが)が、数名の新一年生の攻防の巻き添えを食って戦闘不能…というか、準人間というレベルで変身を遂げたみたいで。
要は、多分だいぶん人間からかけ離れたカタチになったんだろう。
当然、そのまま二度と戦うなんてことは出来ない状態。最早なんで生きてんのよ?
その話を聞いて、試験官弟が顔を真っ青にして飛び出して行こうとしたが、試験官兄に「お前でも無理。諦めろ」と言われて引っ込んでた。
「すいません、少し質問よろしいですか?」
「あぁ、なんだ?何でもきいてくれ!」
アーネが試験官兄に何か聞くみたいだな。
「王都で見たあの試験官は、貴方と、そこでしょげている彼、どちらですの?」
「あぁ、それは俺の方だな。それがどうんブル!」
…語尾がおかしくなったのはアーネの拳が凄まじい勢いで突き刺さったから。
まぁ、察しはつくよね。
あと、多分さっき自分にぶっ飛ばされたから、鬱憤たまってたんだと思う。試験官兄の腹に突き刺さってた。
「不意打ちはやめてくれないか!危うく朝食を吐き出す所だったじゃないか!」
「それは失礼いたしました。コチラは朝食すら食べておりませんので。」
地味に試験官兄、ぎりぎりガード間に合ったらしく、手のひらで受け止めようとしてたけど…普通にそのまま刺さってたな。
アーネ、お前もう、魔法使わないで普通に殴った方がいいんじゃねぇの?
「とにかく、『欠員』の説明はこれでいいか?」
「ん?あぁ、もういいぞ」
「…そこの白い女はなんでそんなに偉そうなのか…俺、一応お前らの担任になるんだぞ…?」
「…おいこらテメェ、今、女扱いしやがったな?」
「おおっ!?担任の先生に暴力振るうのか!?暴力は禁止だぞ!その明らか人を撲殺する剣をしまえぇぇぇぇ!」
いくら何でもソレは言っちゃいけない一言だ。試験官兄改め担任先生殿…!
お前が担任とか最悪だ!
ついでに、王都での仕返しも加算してボコる!
試験官弟に先導されクラスへ向かう途中、ヒトガタの粗大ゴミをこさえてしまった(担任先生は無駄にタフかつ、弟の方に片っ端から治されてた)。
これからのクラスに不安を禁じ得ない…。
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