大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

目的地点と説明

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ようやく結界の端が見え始めた。
残り時間は……一時間半か。
『距離にして約四キロ・です』
「ならもういいか。ゴール付近って事は誰かに見られる可能性も高くなるし…と」
俺の血界を解除し、徒歩に切り替える。俺が血界を切ったと同時にマキナの血呪も何もせずに消える。
「き、きさ、貴様…貴様!?」
「あんだよシステナ。それよりお前、姿を消したりできない?お前の説明すんのめんどくせぇんだけど」
「何を言うか、余の身体を見た者は他に《聖女》ぐらいのものだぞ。姿を消すより、むしろ大々的に知らせ、余の姿を見ることが出来た事を光栄に思うべきである…そして貴様ァ!!」
「……もー少し静かに出来なぁい?ヒトの耳元で大絶叫するのがどれだけ迷惑か考えた事は?知らないなら今やってやろうか?ん?」
キンキンと痛む左耳を押さえ、渋い顔をしてシステナを見る。もちろんその間足は止まっていない。
「そんな事はどうでも良い!貴様の鼓膜が破れようと、右の耳があるではないか!余が言いたいのはだな、そこの女を背負った女が何故血界を使えるかという事だ!どういう事だ!?」
「ぎゃーぎゃー喚くな。それに鼓膜はスペアのために右も付いてるんじゃねぇからな?」
「答えよ《勇者》!喋らずに、のらりくらりおはぐらかすと言うのであれば、余も力ずくで聞くこととなるぞ!」
何でこんなに過激な反応を起こすのやら。まぁ、一つの時代に一人しかいない《勇者》、その《勇者》しか使えない能力である血界が二人も使ってたら混乱するのは分かるが…
「マキナ、お前の本名を言ってやれ」
『《魔法技術及び魔法陣機構によって生成された第二人格》・です』
「………と言うことは貴様、まさかこの《勇者》のコピーか?」
『半分正解となります・私はマスターの意思をベースに・確固たる自我を吹き込まれた存在・すなわち・マスターと同位存在でありながら・マスターの下位存在・となります』
「なるほどな…しかしデメリットもあるのではないか?」
『申し訳ありません・システナ様・私はその質問に対する・解答権利を所持しておりません』
あぁうん、俺がマキナに黙っとけって言ったからだな。
さて、システナはこれだけで分かったらしいが、俺はどういう事かよく分からん。
だが一つ言えるのは、俺が血界を使うとマキナも使えると言うことだな。俺が手助けさせたり、俺より血の消費が多かったり、その癖俺より血界が弱かったりするから、あまり使いたくはないのだが、今回は特別に使った。だってアーネ置いてったら不味いだろ。
さて、もう少し、もうひと踏ん張りだ。
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