大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

相談と二度寝

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「………。」
結局、あの夢は何だったんだろう。
朝日を浴びながら、寝起きの頭を回転させる。
多分銀剣に関連した夢だったんだろうが…いや、金剣と銀剣はセットの剣だろ?なら金剣も関係あるのか…?
クソ、分からん。銀剣の製作途中の何かなんだろうが…如何せん情報が少ない。
後でシャルに聞くか。
『今でもいいぞ』
起きてんのかよ。珍しいな。
『俺だって早起きすることが無いわけじゃない。知ってるだろ?』
あぁ、森にいた時、たまにナナキだって早く起きてたな。
なんか知らんが俺が起きてくれてたらいいな、って思った時に限って起きててくれたり。
『そうなのか。で、なにか聞くことがあるんじゃなかったか?』
え?あぁ。なんか銀剣の製作途中の夢みたいなの見たんだけど、何か知らねぇ?
『あ?銀剣?つらなりの?』
そうそう。
『ンなこと言われても…ほとんど知らん』
え?そうなのか?でも元々お前の剣だったんだろ?
『だからって俺が知ってることはすくねぇよ。偶然俺が使ってただけであって、別に俺が作った訳じゃないし。飯を食う時にその料理の制作過程を知っておく必要はねぇだろ?』
意味のわからん喩えを…まぁ、言いたいことは分かったが。
『俺の知ってることっつったら、元々銀剣は俺達《勇者》を倒すために作られたものって事ぐらいしか知らん』
おい。さらっとかなり重要なこと言ってるじゃねぇか。
『そうか?知ってても知らなくても、別に技の冴えに変わりはないだろ?』
そういう問題じゃないんだが。
とにかく教えてくれ。
『んー、銀剣それが機人の所からかっぱらってきたって話はしたよな?』
した。
『機人は基本的に魔族しか敵対視してなかったんだが、ごく稀に俺達ヒト種に機人自分達を脅かすような特殊個体…あるいはアイツらの言葉を借りれば特異点だったか?ともかく、そういう存在がいるってのを危険視した奴らがいたんだよ。全体から見たら極々わずかに、だが』
要は《勇者俺達》だな?
『そ。わかってると思うが、《勇者》ってのは魔族だけを倒すことに特化してる訳じゃない。機人が滅んだ今、結果的にそこの特性だけが特徴的になっているが…瞬間的火力はどの種族よりも出るだろうな。短時間に限るなら《血瞬》や《緋眼》で機人の弾丸も回避できるし、超高硬度の鎧だって簡単に斬り裂くことの出来る《血刃》、機械の鎧をつけた兵士と真っ向から戦うことの出来る《血呪》…まぁ、応用性の高い能力が多いのは認めるが…そもそも機人は基礎能力を上げるのが対策、みたいな所もあったしな』
なるほどな、それで?
『弾丸だと避けられる。近接だと負かされる。狙撃だって毎回出来るわけじゃない。乱戦や混戦の中で撃てるわけじゃないし、だからと言って鎧を厚くするのも合理的じゃない。で、そいつらが考えたのが──』
連と理って事か?
確かにそれなら打ち合っても負けることもないだろうし、俺たちの動きについてこられるか…
『ん?あぁ、そんな所だな』
それをなんでお前が持ってたのかが謎だが。
『それは──と、今代の。そろそろ時間が不味いと思うんだが大丈夫か?』
大丈夫だ、今日は日曜だし、いくら寝てても怒られん。
『そうか。なら続けるが、俺が持ってた理由は、その都市を潰した際、未完成だったそれをちょうど良かったから拝借しただけだ』
そこは前も聞いたんだが…
『つっても本当にそれだけだよ。特に面白味も何も無い』
ふーん。
まぁいい、アーネ達も疲れているようだし、まだ起きる気配はない。身体もまだ疲れてるし…とりあえず少し寝直すか。
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