大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

疲労感と三日目

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昨日は片付けを終わらせた後、店に鍵閉めてとっとと帰った。
帰りにシャルから狭間の子関連の話を聞いたが…話の半分が理解出来なかった。
いや、理解が出来ないと言うか…認識が出来ないと言った方が正しいか?
言葉の所々にモザイクが掛けられていると言うか…とにかく、聞こえているのだが、絶対に聞き取れなかった。
一文字いちもじ言ってもらったりしたのだが、単語として認識した瞬間に認識出来なくなる。
シャル曰く、
『まぁ、そのうち聞き取れる様になるだろ。まだお前にゃ早すぎた』
とのこと。権限がどうのこうので俺には理解出来ないようになってるそうな。
この話はこれぐらいでいいか。
ともかく、狭間の子云々の話を理解出来るようになるのはまだ先の話になりそうだ。
──と、そんな事を思いながら安宿の天井に広がるシミを眺めていた。
聖学祭三日目。全然疲れが取れてねぇ。
昨日宿に帰ったのは多分九時頃。そこから学級委員長に鍵を返しに行ったり、風呂──は、流石に無かったのでお湯を入れた桶で身体を丹念に洗ったり、かなり遅れた晩飯(結局昼飯は食いっぱぐれた)を食ったりしていると、夜の零時。
慣れない接客だの何だのでぐったりとして、既にシエルが寝ていたベッドにイン。
そのまま朝まで夢を見ることもなくぐっすりと寝た。寝たのだが──疲れが取れねぇ。
身体に鉛のようにして取り付く疲労感。正直三日間フルで続いていたら三日目にへばっていたと思う。
とりあえず、と着替えて部屋を出る…前に。
マキナが喋った。
『マスター・就寝中にメッセージがありました』
「ん?近距離?遠距離?」
『近距離です』
「ふーん」
遠距離メッセージならしばらく手紙の様なものが残るが、近距離だと音声だけだ。相手も繋がらないならすぐに切っただろうし…ま、覚えておくか。
「マキナ、誰が出したか分かるか?」
『申し訳ありません・高度な隠蔽が魔法に噛まされていました・相手は不明です・こちらからメッセージを飛ばしますか』
時刻は朝七時。この時間帯にメッセージを飛ばすと嫌がる人がいそうだな。
「ま、わかった。てかお前、メッセージ使えたのな」
受信だけで送信は出来ないもんだと思っていたが。
『私は存在が魔法ですから・ですが・魔力がありませんので・本来は使えません』
あぁ、存在が魔法なら使えるのが当然か。
しかしそれも魔力が無ければ無意味…よし。
「マキナ、貯蔵してる魔力の管理を全部お前に任せる。好きに使っても構わん」
『了解しました』
さて。
「三日目、頑張りますか」
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