大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

出し物と混乱

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という訳で、俺はクラスの方の出し物に関してはそれどころではなくなった。
手順などがかなり出来てきているクラスより、出し物そのものが決まっていない二つ名持ちの方を心配しなくてはならなくなったからだ。
まぁ、クラスの方は元々関わりはかなり少ない…というか、そもそも俺に出来ることが少なすぎた。
何度も言っているが、聖学祭は王都で行う。こんな南方の端でやっても誰も来ない…というか来れないので。
さて、その王都に行ってから、さらに三日かけて用意するのだが…たとえば俺のクラスの出し物、喫茶店等だと、簡単に挙げられる最低限の用意として、飲食物、その皿等、選んだ場所によってはテーブルや椅子、必要かつ可能なら、過去には与えられた場所を改造リフォームしたクラスもあったらしい。
…もう一度言う。三日だ。現地について三日でこれらが出来るだろうか?
それも、俺達の場合はその飲食物の搬入ルートも確立しなければならない。
それが三日。
当然無理。
ならどうするかと言うと、この前段階の時点で、王都に行く前に長距離メッセージ等で連絡を取り、ある程度の準備を終えておくそうだ。
そうなると、メッセージの魔法を使えない上、その手のコネも無い俺はどうしたって関わることが出来ない。
そういう訳で、元々の関わりが薄かったクラスの方はこれでほぼ完全に絶たれた。
もう本番までシラネ。
さてさて、話を元に戻そう。
「んで、時間が無い訳だけど…一晩悩んで、なんかいい案出た?」
一応俺が取り仕切る会議室を見渡す。
ちなみに、俺が取り仕切る理由は、《シェパード》か《キャット・シー》が取り仕切ると話が進まないから。
だだっ広い部屋にいるのは、俺を含めた二つ名持ちである七人で、誰もいい表情をしていない。
「だから言っていただろう?最初からバトルロワイヤルにしていれば良かったのだ」
《逆鱗》がそう言うが、その声にも張りというか、覇気がない。
それも当然。《逆鱗》が最初から推していた案は、既に新旧合同三年クラスの案と見事に被っている。
三年の方は結構遅くに案を申請していたらしいので、恐らく最初からルト先輩の案にしていれば、こうなることは無かっただろう。
まぁ、過去の話なのだが。
今はどちらの案を申請しても承認されない。
昨日はあんなにも元気だった《逆鱗》も、それで今はしょげている訳だ。
というか、一晩明けた今になってから自分達がピンチで、笑っている場合ではないと気づいたのか。
「………そうだ…!いい考えが浮かびましたよ!ウィル様!」
「うん?どうしたんだい?シオン?言ってごらん」
と、息を吹き返した《雷光》が何か閃いたらしい。
「あの憎き二年のクラスを潰しにかかりましょう!!そうすれば私達の方が通るはずです!」
「へいウィル、そこの《雷光バカ》一人、やっちゃってくれ。もちろんグーで」
「…流石に僕には出来ないかな。シオン、それはダメだよ」
「ふん、流石は《勇者》様だな、どんな時にも女子は殴らないか。どれ、私が代わりに殴ってやろう」
「ルト先輩がやったら大事故になるだろうが!やめい!あぁいや、別に《雷光》が負けるって訳じゃなくてだな…!」
ヤバイ、また収集がつかなくなってきた…!
残り二日、間に合う気がしないッ!!
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