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本編
結果と意気込み
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「あ?何、負けたの?三人パーティも?」
「えぇ、序盤は優勢だったんですけれどね…」
雪崩のように帰っていく観客を避けて細い路地を適当に進み、なんとかたどり着いた関係者入口のすぐ近くにいたアーネと合流。
ユーリアと《雷光》はどこに行ったのか聞くと、どうやらまだ闘技場の中にいるらしく、アーネも少し用が残っているらしく、闘技場に残るらしい。
じゃあ俺も暇だし、せっかくなので二人にも話を聞きにフィールドの方へと向かっているところだ。
「中盤でこちらの魔法が放った魔法が向こうの放った魔法に真正面からぶつかって、押し負けた辺りから流れが引っ張られた感じですわね」
「あー、流れとかリズムが狂うとどうしてもな」
あるいはそれで決着をつけるつもりで攻めていたら、突破されてジリ貧になったか。何にせよ、見立てが甘かったのは確実か。
そう言っていると、フィールドに着いた。
「ん、《雷光》…」
「私はこっちで呼ばれていますので行きますわね」
「あ、あぁ。じゃ、また後で」
俺が最後に見た時と同じように、フィールドの方をじっと見つめる《雷光》。だが、ユーリアがいない。
とりあえず何か話しかけよう。つってもな…仕事で付き合う分には《雷光》はいいんだが、プライベート的な話になるとこいつ苦手なんだよなぁ…
「よぉ《雷光》。最後も負けたらしいな」
結局迷いながらかけた言葉がこれ。言ってから何言ってんだこいつと我ながら思った。
「あぁ。これでいよいよ私達は負けられんぞ」
「あ?何で」
「何でも何もあるか。学校の面子がかかってるんだ。ここで私達が負けるという事は聖学が西学と比べてあまりにも劣っている。事実はどうあれ周りにはそう見えるだろう。敗北は決して許されない」
「堅っ苦しいねぇ。別に俺だって負ける気はサラサラ無いが、気負いすぎるとそれに潰されんぞ」
肩を竦めてそう言うと、フィールドから目を離し、《雷光》がこちらを向いた。
「だが、背負わなくてはならない時もある」
「もちろんそういう時もあるさ。ただ、今回はそういう背負い方する必要はねぇよ」
「ここでの敗北は聖学の敗北だぞ」
「馬鹿、学校の勝ち負け云々の前に、そもそもお前は負けるつもりなのか?」
「む…」
そもそも負ける気が無いならこの話は必要が無い。
今回俺達二つ名持ちが行うのは、言ってしまえば勝ち抜き戦。ルールはただのタイマンでは無いし、かと言ってパーティでもないのだから。
極論、俺もユーリアも倒れたとして、《雷光》が一人で三人倒せればいい。
それでもこんな話を持ち出したという事は、彼女も相当に気を詰めているのだろうか。
「勿論俺も負ける気はない。ユーリアだってそうだろよ。ハナから負けたい奴もいないだろうし、だから向こうも勝ちに来る。そん時に変に気負ってるとコケるぞ」
「実体験か?」
「んー、まぁ、その昔最強を目指してた奴のセリフだ」
「なんだそれは」
「ま、そういうこった。頼りにしてるぜ《雷光》。ところでひとつ聞きたいんだが、ユーリアはどこ行った?」
「《貴刃》か?奴は今そこのフィールドの調整作業をしている所だ。見えないが、裏でやっているそうだ」
またフィールドが壊れたのか?本当にこれ大丈夫なんだよな?
「えぇ、序盤は優勢だったんですけれどね…」
雪崩のように帰っていく観客を避けて細い路地を適当に進み、なんとかたどり着いた関係者入口のすぐ近くにいたアーネと合流。
ユーリアと《雷光》はどこに行ったのか聞くと、どうやらまだ闘技場の中にいるらしく、アーネも少し用が残っているらしく、闘技場に残るらしい。
じゃあ俺も暇だし、せっかくなので二人にも話を聞きにフィールドの方へと向かっているところだ。
「中盤でこちらの魔法が放った魔法が向こうの放った魔法に真正面からぶつかって、押し負けた辺りから流れが引っ張られた感じですわね」
「あー、流れとかリズムが狂うとどうしてもな」
あるいはそれで決着をつけるつもりで攻めていたら、突破されてジリ貧になったか。何にせよ、見立てが甘かったのは確実か。
そう言っていると、フィールドに着いた。
「ん、《雷光》…」
「私はこっちで呼ばれていますので行きますわね」
「あ、あぁ。じゃ、また後で」
俺が最後に見た時と同じように、フィールドの方をじっと見つめる《雷光》。だが、ユーリアがいない。
とりあえず何か話しかけよう。つってもな…仕事で付き合う分には《雷光》はいいんだが、プライベート的な話になるとこいつ苦手なんだよなぁ…
「よぉ《雷光》。最後も負けたらしいな」
結局迷いながらかけた言葉がこれ。言ってから何言ってんだこいつと我ながら思った。
「あぁ。これでいよいよ私達は負けられんぞ」
「あ?何で」
「何でも何もあるか。学校の面子がかかってるんだ。ここで私達が負けるという事は聖学が西学と比べてあまりにも劣っている。事実はどうあれ周りにはそう見えるだろう。敗北は決して許されない」
「堅っ苦しいねぇ。別に俺だって負ける気はサラサラ無いが、気負いすぎるとそれに潰されんぞ」
肩を竦めてそう言うと、フィールドから目を離し、《雷光》がこちらを向いた。
「だが、背負わなくてはならない時もある」
「もちろんそういう時もあるさ。ただ、今回はそういう背負い方する必要はねぇよ」
「ここでの敗北は聖学の敗北だぞ」
「馬鹿、学校の勝ち負け云々の前に、そもそもお前は負けるつもりなのか?」
「む…」
そもそも負ける気が無いならこの話は必要が無い。
今回俺達二つ名持ちが行うのは、言ってしまえば勝ち抜き戦。ルールはただのタイマンでは無いし、かと言ってパーティでもないのだから。
極論、俺もユーリアも倒れたとして、《雷光》が一人で三人倒せればいい。
それでもこんな話を持ち出したという事は、彼女も相当に気を詰めているのだろうか。
「勿論俺も負ける気はない。ユーリアだってそうだろよ。ハナから負けたい奴もいないだろうし、だから向こうも勝ちに来る。そん時に変に気負ってるとコケるぞ」
「実体験か?」
「んー、まぁ、その昔最強を目指してた奴のセリフだ」
「なんだそれは」
「ま、そういうこった。頼りにしてるぜ《雷光》。ところでひとつ聞きたいんだが、ユーリアはどこ行った?」
「《貴刃》か?奴は今そこのフィールドの調整作業をしている所だ。見えないが、裏でやっているそうだ」
またフィールドが壊れたのか?本当にこれ大丈夫なんだよな?
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