大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

雑談と剣

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とりあえず、俺が抜けてユーリアが代わりに入って、ルーシェとユーリアが。その次にユーリアが抜けて《雷光》が入る事となった。
どうも《ザ・セイバー》が発動ごとに魔力を大量に消費する関係上、一度出番を開けると相当キツいらしい。なのでしばらくルーシェが戦い続け、終わったら帰って休むとの事。
ちなみに、本人の魔力の回復を効率よくするなら、超高価な教会印の回復剤を使用するか、寝るか、飯を食うかと言った所となる。だからアーネや聖女サマは大飯食らいなのだが。
「おかえりぃ。中々面白いもん見してもらったわ」
「そうかい。こっちは恥ずかしくって顔も向けれねぇような結果だよ」
そう言って肩を竦めると、英雄が「一個聞いていいか?」と言う。
「どーぞ」
「なんであの剣使わんかったん?相手ン事舐めてた?」
「まさか。ルーシェが二つ名持ちに恥じない能力を持っている事も、俺自身がそんなに強くないって事も含めてよく知ってるよ」
「んじゃなんで他人の剣なんか借りたんや?」
「あー…まだ確定じゃないんだがな」
と言いながら学校長から聞いた魔導具の話をする。
「…そらアカンわ。コートの方はほぼ死んでるようなモンやけど、剣の方は現役バリバリの俺らでも中々お目にかかれんような魔導具やしな。しかも君の鎧も結構な化けモン鎧やし。なんかさっき動いてたし壊れても勝手に直ってたもんな」
「そういう事。ついでにあの剣は王都じゃ色々あって使えねぇんだ。実質使える魔導具は一択。少しでも他の剣を慣らそうとしたらこのザマだ…ところで《雷光》、後でお前の剣借りてもいい?」
「……私の剣はアレよりもずっと脆いし他の剣とは扱いが違うぞ。それと、代わりの剣が今は無いから勘弁してくれ」
「分かってる。軽い冗談だ」
そういやこいつの剣は前の襲撃で一本ダメになってたか。冗談にしては少々キツかったようだ。
「そんなら作ってもらったらいいんやない?」
と、なんとはなしに言ったのは英雄。
「あ?誰に?」
槌人種ドワーフ。確か君の鎧って槌人種ドワーフが作ってんろ?そんだけ特殊なん作ってるんやったら、事情説明したら多少は良いもん作ってくれるやろ」
「いやいや、メッセージ今から送っても残り四日だぞ?ゼランバにいるんだから移動も差し引いて二、三日しかないんだが」
槌人種ドワーフナメたらいかんよ。無茶苦茶言っても案外何とかしてくれるもんや。俺も前、壊れた鎧の残骸送って『二日で直しといて』って言うといたら『殺すぞお前』って手紙と一緒に翌日の夜に返って来たし」
「殺害予告も貰ってんじゃねぇか…ん?つか翌日?鎧が壊れたってのは」
「そう何回もアレが壊れてたまるか。この前の君とのアレの時や」
「なら送って翌日返ってくるのおかしくね?メッセージでも片道だけで三日かかるだろ」
「ん?あぁ、転移使ったから。俺の知り合いの槌人種ドワーフの家の座標にポーンと手紙と一緒に飛ばして、そいつが仕事して急いで送ってくれれば終わりや」
…なんでこいつ前衛職なのになんでそんな魔法使えんの?さっきもしれっと障壁を張るとか言ってたしさ。どう考えても後ろで杖振ってた方がいい気がするんだが。それとも英雄ともなればこれぐらい必須技能なのか?
しかし転移か…
「俺のもしてくんね?」
「アホ、なんで俺がそこまでしてやらんなんのや」
あっさりと拒否された。
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