401 / 2,022
本編
謝罪と協力
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翌日、リーザへの御見舞と謝罪を兼ねて保健室に行った。
アーネに「絶対に無茶な事はしたら駄目ですわよ!」とか言われたけど、何をするってんだ。
しっかり謝って、リーザから女子が絶対にしちゃいけない中指を主張した挨拶をもらった後、一応許してもらった。
「で、体調はどうよ?」
「いつも通りよ」
それがどう言った意味を伴うのか、俺に分からないはずが無い。
「リーザ、お前に何があった?」
「なによいきなり。何があったって、一体何が?」
「お前のその回復力の低さ、生まれつきじゃないんだろ?なら、俺がどうにかしてやりたいんだ」
「………どうにか、ってどうやって?」
「…わからない。情報が少なすぎるから。だから教えてくれないか?お前がなんで大怪我をして自衛団を辞め、あとからになってひょっこりとこの学校に姿をあらわしたのはどうしてだ?」
「………」
『かなりぶっ込んだな。今代の』
やかましい。隠しててメリットもねぇからな。
「……アンタ、どこまで知ってんの?」
「そんなに多くは。今言った事ぐらいかな。あとはほとんど知らないね」
「………」
再び沈黙。
「ホントに悪いと思ってる?」
「もちろん」
「腕に自信は?」
「当然」
「クアイに漏らしたりは?」
「する訳ない」
「アンタが私を助ける理由は?」
「そうありたいから」
「…何それ」
「……」
『お前が黙ってどうするよ』
あまり気が進まないが、相手の心の中を聞こうというのだ。こちらも言わざるを得ないだろう。
「…俺は、自分の大切な人を自分で殺した」
ズシリと口が重くなる。
「その時の喪失感、絶望感はたとえ死んでも忘れられないだろう。あんな思いをするのは俺だけでいい。だからリーザを助けたい。それじゃ答えに足りないか?」
リーザもし死ねば、必ずクアイちゃんは悲しむ。彼女は俺が救えなかった命の苦しみを既に一度味わっている。
もう二度とそんな悲しみを背負わせたくない。
それに、今はもし死ねばと言ったが、あんな体調じゃそう長くは持たないだろう。
「………」
何度目かの沈黙。
「いいよ。教えてあげる…この話は信じられないような話なんだけど、嘘じゃない。それを信じてくれる?」
「世の中にはホラ話よりも信じがたいホントの話だって山ほどあるんだ。そういった話は腐るほど聞いてきたし、腐るほど持ってる。そんな中で一つだけ分かったことがある。人は信じたい話を真実にするって事だ。たとえそれが嘘でもな」
「何それ。私が嘘をつくって事?」
「いんや?そうじゃない」
一瞬だけ間を開け、真っ直ぐ彼女を見据える。
「これからの話は絶対に信じてやる。安心して話せ」
アーネに「絶対に無茶な事はしたら駄目ですわよ!」とか言われたけど、何をするってんだ。
しっかり謝って、リーザから女子が絶対にしちゃいけない中指を主張した挨拶をもらった後、一応許してもらった。
「で、体調はどうよ?」
「いつも通りよ」
それがどう言った意味を伴うのか、俺に分からないはずが無い。
「リーザ、お前に何があった?」
「なによいきなり。何があったって、一体何が?」
「お前のその回復力の低さ、生まれつきじゃないんだろ?なら、俺がどうにかしてやりたいんだ」
「………どうにか、ってどうやって?」
「…わからない。情報が少なすぎるから。だから教えてくれないか?お前がなんで大怪我をして自衛団を辞め、あとからになってひょっこりとこの学校に姿をあらわしたのはどうしてだ?」
「………」
『かなりぶっ込んだな。今代の』
やかましい。隠しててメリットもねぇからな。
「……アンタ、どこまで知ってんの?」
「そんなに多くは。今言った事ぐらいかな。あとはほとんど知らないね」
「………」
再び沈黙。
「ホントに悪いと思ってる?」
「もちろん」
「腕に自信は?」
「当然」
「クアイに漏らしたりは?」
「する訳ない」
「アンタが私を助ける理由は?」
「そうありたいから」
「…何それ」
「……」
『お前が黙ってどうするよ』
あまり気が進まないが、相手の心の中を聞こうというのだ。こちらも言わざるを得ないだろう。
「…俺は、自分の大切な人を自分で殺した」
ズシリと口が重くなる。
「その時の喪失感、絶望感はたとえ死んでも忘れられないだろう。あんな思いをするのは俺だけでいい。だからリーザを助けたい。それじゃ答えに足りないか?」
リーザもし死ねば、必ずクアイちゃんは悲しむ。彼女は俺が救えなかった命の苦しみを既に一度味わっている。
もう二度とそんな悲しみを背負わせたくない。
それに、今はもし死ねばと言ったが、あんな体調じゃそう長くは持たないだろう。
「………」
何度目かの沈黙。
「いいよ。教えてあげる…この話は信じられないような話なんだけど、嘘じゃない。それを信じてくれる?」
「世の中にはホラ話よりも信じがたいホントの話だって山ほどあるんだ。そういった話は腐るほど聞いてきたし、腐るほど持ってる。そんな中で一つだけ分かったことがある。人は信じたい話を真実にするって事だ。たとえそれが嘘でもな」
「何それ。私が嘘をつくって事?」
「いんや?そうじゃない」
一瞬だけ間を開け、真っ直ぐ彼女を見据える。
「これからの話は絶対に信じてやる。安心して話せ」
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