大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

文字の大きさ
上 下
1,456 / 2,022
本編

探索と居場所

しおりを挟む
あの後、俺たちが向かったのは元都市長の家の跡地。何か手がかりが無いか、もう一度見てこようと言う話になって、行ってみたのだ。
まぁ、結果を言うと空振りだったのだが。というか、そもそも中に入れて貰えなかった。
というのも、例の黒い手がなくなったので、工事が再開したのだ。普通に危ないから帰れと現場のおっちゃんに言われて、なんと言って入ればいいのか上手く思いつかなかったので帰った。
念には念を、程度で来ていたので、まぁ仕方がないといえば仕方が無い。そう言って諦めて帰ろうとした時、ふと思ったことを聞いてみた。
「なぁ、おっちゃん。ちょいと聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「うん?なんだい。あんまり難しいことは聞かんでくれよ」
「別に難しいことじゃない。この家の下に、ちょっと広い部屋があったろ?」
「よく知ってるな。それがどうした?」
「いや何、確かあれ全部鉄かなんかで出来てた気がするんだが、どうするんだ?」
「どうって、機材を使って部屋を上から壊してバラして片付けるんじゃないかね。結構大掛かりになっちまうから、本社の方に連絡して魔導具を使って破壊するんだろうが…」
「そうか、まぁ見た感じかなり広かったし、今すぐに取り掛れるモンでもないしな。どのぐらいで始められるんだ?」
「うん?うーん…破砕用の魔導具が来てからの話だし何とも言えないけど…そうだなぁ、二、三日もあれば、ほぼ間違いなく届くかな」
なるほど、逆に言うなら二、三日は手をつけられないと。
「わかった。サンキューなおっちゃん」
「うん?うん、はいはい」
そんな感じで、あとは適当に時間を潰して一日を終えた。正直言うと、かなり勿体ない時間の使い方をしていたと思う。しかし、やる事も出来ることもないので、久々にのんびりと一日を過し、翌朝早くにニケからメッセージが来た。
『おはようございます、レィアさん』
「おはようニケ。元都市長の話はどうなった?」
『それについてのお話です。今日の十一時にまた宿舎へ来てくれればご案内します』
「そうか。頼む」
時計を確認すると、およそ七時。流石に早すぎやしないだろうか。
その後、十一時頃に宿舎へ行くと、ニケとガロンが居た。
「では行くぞ、赤夜叉」
「ん?ん。分かった。頼む」
ガロンに連れられて歩くこと一時間。街の外れにあるのは、真四角い白の建物。
「なんだここ?」
「刑務所じゃ」
端的に答えたガロンの言葉が、一瞬理解出来ずに頭の中でグルグルした。
「まさかあの妖精種フェアリー
「その通り」
ガロンが扉に手をかけ。
「あの男は今、ここにいる」
ガチャリと捻った。
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

種族統合 ~宝玉編~

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:481

まほカン

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:32

【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:94

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:106pt お気に入り:666

処理中です...