大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

張り込みと尾行

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という訳で。
「警備隊に入ってたら中々出来ない体験ですね!」
『…いや、警備隊に入らなくとも中々出来ないだろうに』
「やかましいわ」
何をしているかって?
ザ、張り込みである。
場所は最初の真っ白で豪華な例の宿屋。
ちなみにアーネは先に俺達が泊まってる宿に戻って飯を先に食ってる。終わり次第こっちに戻って俺と交代。その後はニケが俺と交代する予定。
時間はそろそろ八時頃か。アーネ、今頃飯食ってんだろうな…。
「あ、あれは?」
と、そこで誰か出てきたらしい。
サッとそちらを見ると、やけに露出度が高い女性が出ていく所だった。
「んー…いや、ありゃ違うな。多分関係ない」
っつーかあんなのが夜中に出てたら普通に変態じゃね?いや、昼間でも同じか……とか思ったけど、俺の家族があんな感じだったからなんも言えねぇか。
そろそろ張り込みを初めて二時間って所か。
牧場との距離からしてそろそろ出てきてもおかしくはないんだけどな…。
あと、ニケ曰く一番高い宿らしいから、そこまで人はいないと思う。つまり、いい加減はよ出て来いや。
と、そんな俺の呪いじみた心の愚痴が届いたのか。
「あっ!」
「おっ?」
俺達が着ている制服と似たような制服を着た男女二人組が出て来た。
少し遠くて顔までは分からないが、雰囲気的に、デートとかそういう雰囲気ではなく、むしろピリピリと急いているような雰囲気。
武器は持っていないようだが、多分俺達と同じように小型化されてアクセサリーにでもなっているんだろう。
あぁ今更だが、俺達も制服着用してる。
この制服、校則によると外に出る時は基本的に常につけていなきゃダメらしい。まぁ、外していてもバレないし、特に意味の無い校則だが、だから別に敢えて破る必要もないので俺もアーネも着ている。
という訳で、俺の予想が見事的中。
「これで確定だな」
「ですね。けど、まさか本当に西側の学校から生徒が派遣されているなんて…」
…まぁ、俺からしたら、コトの発端は学校長が、西の学校が無茶して生徒を確保しようとしてるって話を聞いたところから始まってるからな。
正直、いてもおかしくは無かった訳だ。
にしても…さて、どうしようか。
アーネ達が見た生徒の人数は四人。
だが、出て来たのは二人のみ。
残り二人は中にいるのか、それとも…。
『既に外にいて、この二人がそっちへ向かうのか、だな』
だな。
さて、となると…。
「ニケ、お前は全速力で宿屋に戻ってアーネを呼んでこい」
「レィアさんは?」
「俺はあいつらを尾行する。んで」
髪を一本引き抜き、ニケの腕に巻き付ける。
「これは?」
「俺の方向に髪の先が引っ張られるようになってる。アーネを回収したら、これをアテにして戻ってこい。わかったな?」
そう言うと、俺は返事を聞かずに二人組の後を追った
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