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本編
群れと突進
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「ニケのスキルは《超加速》つってな?アホみたいな速度が出る」
馬から飛び降りつつ、解説してやる。
「その加速がついた状態の刺突に戦技を乗せた一撃必殺の剣、本人そのものが敵中の中に飛び込む戦法からついた渾名がさっき言った」
「《女神の弾丸》という訳ですわね!」
「正解、っと。ただ、弱点として──」
俺は銀剣を取り出し、走り出す。
アーネは既に壁の上を目指して階段へ。完全に独り言だが、気にしない気にしない。
「退路を阻まれると、狭い敵中の中で加速も出来ずに苦戦する」
まぁ、だから馬鹿なんだよなぁ、あいつ…。
ニケによって出来た道は、既に塞がりかけている。相手が多い…多すぎる…!
軽く地を蹴り、人の背丈ほどの大きさもある豚だの猪の上に飛び乗る。
若干足りなかったので、さらに魔獣の背をもう一度踏み、さらにジャンプ。
「ニケぇ!!どこだぁ!!」
足元の魔獣を銀剣でぶっ叩きながら、中心へ進みながらニケを探す。
タダでさえちびっ子なニケが標準的な人の背丈程もある魔獣に囲まれれば、見えなくなるのも当たり前で。
まったく…探すのさえ一苦労だ…。
「れ、レィアさーん!助けてくださーい!」
魔獣の群れ、その後ろの方。そこからかなり歪な剣が掲げられる。
イメージとしてはスコップだとかシャベルだとか、そんな感じ。
先端の方が大きな三角形になっており、その下がなんとも頼りない程に細長く、折れてしまいそうな剣。
あんな剣でさっきの一撃を繰り出せるというのだから、驚きしかない。
っと、そうじゃなくて!
「あそこか!」
足元の魔獣をぶっ叩き、空中で金剣に持ち変ると、身体が軽くなる。
金剣で足元の豚を斬りつけ、一歩出した足で猪を踏み潰し、豚と猪の波を走ってゆく。
「ニケっ!気をつけろよッ!」
一際強く足元の豚を踏みつけ、俺は天高く飛び上がる。
「えっ!?気をつけるって何を」
「ッ!ラァァァァァァァア!!!」
戦技が出るギリギリ一歩手前の勢いで目印の辺りに剣を振り下ろす。
持っていたのが金剣だったため、音も立てずに豚の魔獣を引き裂き、ダンっ!と音を立てて地面に着地した。
「レィアさん!ありがとうございます!」
「このんんんんんのバカタレぇ…!また後先考えねぇで…!」
「あ、剣が金色だ!改造でもしたんですか!?」
「話を聞きやがれ…」
まぁ、糠に釘だろうがな。
「ひとまず突破だ!アーネが援護してくれるだろうが、気ィ抜くなよ?五分…いや、三分で切り抜ける!」
「はい!」
やけに元気がいいが…。
この窮地に陥った原因、テメェって事をわかってんだよな?
馬から飛び降りつつ、解説してやる。
「その加速がついた状態の刺突に戦技を乗せた一撃必殺の剣、本人そのものが敵中の中に飛び込む戦法からついた渾名がさっき言った」
「《女神の弾丸》という訳ですわね!」
「正解、っと。ただ、弱点として──」
俺は銀剣を取り出し、走り出す。
アーネは既に壁の上を目指して階段へ。完全に独り言だが、気にしない気にしない。
「退路を阻まれると、狭い敵中の中で加速も出来ずに苦戦する」
まぁ、だから馬鹿なんだよなぁ、あいつ…。
ニケによって出来た道は、既に塞がりかけている。相手が多い…多すぎる…!
軽く地を蹴り、人の背丈ほどの大きさもある豚だの猪の上に飛び乗る。
若干足りなかったので、さらに魔獣の背をもう一度踏み、さらにジャンプ。
「ニケぇ!!どこだぁ!!」
足元の魔獣を銀剣でぶっ叩きながら、中心へ進みながらニケを探す。
タダでさえちびっ子なニケが標準的な人の背丈程もある魔獣に囲まれれば、見えなくなるのも当たり前で。
まったく…探すのさえ一苦労だ…。
「れ、レィアさーん!助けてくださーい!」
魔獣の群れ、その後ろの方。そこからかなり歪な剣が掲げられる。
イメージとしてはスコップだとかシャベルだとか、そんな感じ。
先端の方が大きな三角形になっており、その下がなんとも頼りない程に細長く、折れてしまいそうな剣。
あんな剣でさっきの一撃を繰り出せるというのだから、驚きしかない。
っと、そうじゃなくて!
「あそこか!」
足元の魔獣をぶっ叩き、空中で金剣に持ち変ると、身体が軽くなる。
金剣で足元の豚を斬りつけ、一歩出した足で猪を踏み潰し、豚と猪の波を走ってゆく。
「ニケっ!気をつけろよッ!」
一際強く足元の豚を踏みつけ、俺は天高く飛び上がる。
「えっ!?気をつけるって何を」
「ッ!ラァァァァァァァア!!!」
戦技が出るギリギリ一歩手前の勢いで目印の辺りに剣を振り下ろす。
持っていたのが金剣だったため、音も立てずに豚の魔獣を引き裂き、ダンっ!と音を立てて地面に着地した。
「レィアさん!ありがとうございます!」
「このんんんんんのバカタレぇ…!また後先考えねぇで…!」
「あ、剣が金色だ!改造でもしたんですか!?」
「話を聞きやがれ…」
まぁ、糠に釘だろうがな。
「ひとまず突破だ!アーネが援護してくれるだろうが、気ィ抜くなよ?五分…いや、三分で切り抜ける!」
「はい!」
やけに元気がいいが…。
この窮地に陥った原因、テメェって事をわかってんだよな?
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