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本編
結果発表と合否
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寝すぎて頭が痛い。アーネが帰ってくるまで、ただひたすら寝て起きて微睡んでを繰り返していたせいだ。
治癒力がないから身体がそれを補おうとしているのか、寝ようと思えばいくらでも寝れるのがまた怖い。このままじゃ身体が鈍る。いや腐る。
かと言って激しい運動どころか外出すら禁止されている訳で、俺が出来たのはせいぜいがストレッチぐらいだった。もちろん、身体が痛んだりしないよう細心の注意を払って。
いや、そんな事はどうでもいいんだ。アーネが帰って来て、その顔を見て俺はホッとした。
「結果は…聞くまでもないな」
「あの程度余裕ですわよ。貴方の結果は私が預かってますわ」
「え?あー、あぁ、サンキュな」
身体を起こし、とりあえず受け取って開くと、そこには諸々の細かい数字と大きく合格の字。
まぁ、あの人馬とやり合った時点で合格にしてくれるって話だったので、特に杞憂はなかったのだが。
「緊張も何もないんですわね」
「まぁ、落ちてたら落ちてただし。落ちてたからって喚いても仕方ないしな…あ、合格だからな?」
と、それっぽい事を言っておいてクラスの反応を聞いてみる。
すると、今回の試験はかなりの脱落者が出たらしい。まぁ正直、俺も筆記の方とか大目に見てもギリだったんじゃないかと思えるレベルだったし。
そして実技の方も難易度が高かった。雰囲気的に、クラスの六割程が落ちたのでは──というのがアーネの話だ。
「六割か…随分と落ちたな。ユーリアとかシエルは?」
「一応受かってますわ。ただ、シエルは何か話があるらしくて、先生に呼び出されてましたわね…」
呼び出し?はて、あらかた片付いた今頃になって?あぁいや、普通に研究所とかの話じゃなくて学業とかの方の可能性もあるわな。
「そうか…なんもなけりゃいいんだが」
「と、ところで!」
ん?なんだ?と言って続きを促す。
「夏休み期間中はどうするんですの?寮から出なくてはいけませんけれど…?」
「あ?あー…そういやそうだった。色々あってすっかり忘れてたわ」
「…色々?」
「…あー、ほら、テスト対策とか?あと普通に寝込んでたし寝込んでるし?」
あぶね。バレたら面倒事になるのは確定だ。誤魔化すしかない。
「で、も、もし良かったら何ですけれど、また去年みたいに、えっと、私の家に泊まったりとか、あ、別に私が言ったんじゃないんですわよ?ただ父が貴方のことを気にかけて──」
「あー、気持ちはありがたいんだが…悪いがちょいと行かにゃならんところがあってな。夏休み期間中はそっちにいる予定だ」
「そ、そうですの?ちなみにどこへ?」
「ん?んー…そうだな、一箇所だけじゃないんだが…とりあえずはプクナイムに行こうと思う」
そう、シエルと初めて会ったあの都市だ。
治癒力がないから身体がそれを補おうとしているのか、寝ようと思えばいくらでも寝れるのがまた怖い。このままじゃ身体が鈍る。いや腐る。
かと言って激しい運動どころか外出すら禁止されている訳で、俺が出来たのはせいぜいがストレッチぐらいだった。もちろん、身体が痛んだりしないよう細心の注意を払って。
いや、そんな事はどうでもいいんだ。アーネが帰って来て、その顔を見て俺はホッとした。
「結果は…聞くまでもないな」
「あの程度余裕ですわよ。貴方の結果は私が預かってますわ」
「え?あー、あぁ、サンキュな」
身体を起こし、とりあえず受け取って開くと、そこには諸々の細かい数字と大きく合格の字。
まぁ、あの人馬とやり合った時点で合格にしてくれるって話だったので、特に杞憂はなかったのだが。
「緊張も何もないんですわね」
「まぁ、落ちてたら落ちてただし。落ちてたからって喚いても仕方ないしな…あ、合格だからな?」
と、それっぽい事を言っておいてクラスの反応を聞いてみる。
すると、今回の試験はかなりの脱落者が出たらしい。まぁ正直、俺も筆記の方とか大目に見てもギリだったんじゃないかと思えるレベルだったし。
そして実技の方も難易度が高かった。雰囲気的に、クラスの六割程が落ちたのでは──というのがアーネの話だ。
「六割か…随分と落ちたな。ユーリアとかシエルは?」
「一応受かってますわ。ただ、シエルは何か話があるらしくて、先生に呼び出されてましたわね…」
呼び出し?はて、あらかた片付いた今頃になって?あぁいや、普通に研究所とかの話じゃなくて学業とかの方の可能性もあるわな。
「そうか…なんもなけりゃいいんだが」
「と、ところで!」
ん?なんだ?と言って続きを促す。
「夏休み期間中はどうするんですの?寮から出なくてはいけませんけれど…?」
「あ?あー…そういやそうだった。色々あってすっかり忘れてたわ」
「…色々?」
「…あー、ほら、テスト対策とか?あと普通に寝込んでたし寝込んでるし?」
あぶね。バレたら面倒事になるのは確定だ。誤魔化すしかない。
「で、も、もし良かったら何ですけれど、また去年みたいに、えっと、私の家に泊まったりとか、あ、別に私が言ったんじゃないんですわよ?ただ父が貴方のことを気にかけて──」
「あー、気持ちはありがたいんだが…悪いがちょいと行かにゃならんところがあってな。夏休み期間中はそっちにいる予定だ」
「そ、そうですの?ちなみにどこへ?」
「ん?んー…そうだな、一箇所だけじゃないんだが…とりあえずはプクナイムに行こうと思う」
そう、シエルと初めて会ったあの都市だ。
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