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本編
謝罪と用件
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そんな訳で、今度こそユーリアは出て行った。
もちろん、俺に剣を預ける事に関して若干不服そうにしていたルトに対して、やはりそこそこ重い一撃を再び脇腹に入れてから退出していった訳だが。
さて。
「──あー、ルト…先輩?アンタいつまでそこにいるの?」
土下座をやめはしたもののその場で正座しっぱなしのルト。
ちょっと怖いっす。
ちなみにアーネは少し部屋から出ると言って出て行った。多分トイレと予想。
「…先日はユーリア姐さんの友人に無礼を──」
いや、だからまたそこで頭下げるな!
『ぶっ!ユーリアはルト坊で、ルトはユーリア姐さんって呼んでんのかよ』
まぁ…その辺りは突っ込まないでおこう?ね?
「あぁ、うん…まぁ、俺もアンタの逆鱗砕いちまったしな。アレって話に聞いたら一応生え変わるらしいけど、大丈夫か?」
ちなみに情報源はシャル。
「私の逆鱗は治った。が、あなたにそんな酷い怪我をさせてしまい、深く反省を──」
最初は貴様とか何とか言ってたのに、随分と違うな…これが地なのかそれともユーリア姐さん効果か。
「だからいいっての!んで、謝るだけならもうわかったし、部屋から出て行ってくれねぇ?流石に疲れたしな」
一応、俺怪我人だからね?昨日、寝てろ休んでろとアーネに嫌と言うほど言われたが、流石に今ばかりは同意する。てか寝たい。身体がダルい。
「それでは、私からの用件…というかお願いをしたいのだが、よろしいだろうか…」
ルトが非常に言いにくそうにそう切り出した。
「えぇ…今じゃなきゃ不味いのか?大至急じゃなきゃまた後日、食堂ででもいい」
「いや!食堂では不味い!!」
急に立ち上がって叫ぶルト。
「お願いだ!!タイミング的に今しかない!話だけでいい!聞いてくれないか!?」
「…チッ、なら手短に頼む」
『お前も大概お人好しだよな』
いや、これは単に後からまた来られたりしても面倒だから。それぐらいならここで済ませちまった方がいい。
『なるほど』
「そ、その…なんだ。えっと…」
「んだよ、早く言えよ」
手短に、って言ったよな?
「ま、待ってくれ。いざとなると心の準備が…」
「なら、準備出来たらまた今度来てくれねぇ?」
結構睡魔が…。
「わかった!今すぐ言おう!」
「おう、早くな」
くぁ、とあくびしながらそう返す俺。
「よし、ふぅ…」
ルトが一度深呼吸し、俺を真っ正面から見据える。
「その、あなたが好きだ。もし良ければ私と婚約を結んでくれないだろうか?」
………。
……。
『──レィア』
…ん?なんだ?シャル。
『その銀剣をどうするつもりだ?』
ちょっと煌覇を撃とっかなー、って。
『ふむ。………血呪も使うか?』
乗り気じゃねぇか。止めねぇのかよ。
『むしろヤっちゃえ。っていうか殺っちゃえ』
同意する。非常に。そりゃあもう。
痛みを訴える身体の事すらすっぽり思考から抜け落ち、思わず大絶叫しながら剣を掴み、さらに全力で振り抜く。
「《煌覇》アアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
悲鳴を多分に含んだ戦技が繰り出され、多分、史上最高の威力が出た。
もちろん、俺に剣を預ける事に関して若干不服そうにしていたルトに対して、やはりそこそこ重い一撃を再び脇腹に入れてから退出していった訳だが。
さて。
「──あー、ルト…先輩?アンタいつまでそこにいるの?」
土下座をやめはしたもののその場で正座しっぱなしのルト。
ちょっと怖いっす。
ちなみにアーネは少し部屋から出ると言って出て行った。多分トイレと予想。
「…先日はユーリア姐さんの友人に無礼を──」
いや、だからまたそこで頭下げるな!
『ぶっ!ユーリアはルト坊で、ルトはユーリア姐さんって呼んでんのかよ』
まぁ…その辺りは突っ込まないでおこう?ね?
「あぁ、うん…まぁ、俺もアンタの逆鱗砕いちまったしな。アレって話に聞いたら一応生え変わるらしいけど、大丈夫か?」
ちなみに情報源はシャル。
「私の逆鱗は治った。が、あなたにそんな酷い怪我をさせてしまい、深く反省を──」
最初は貴様とか何とか言ってたのに、随分と違うな…これが地なのかそれともユーリア姐さん効果か。
「だからいいっての!んで、謝るだけならもうわかったし、部屋から出て行ってくれねぇ?流石に疲れたしな」
一応、俺怪我人だからね?昨日、寝てろ休んでろとアーネに嫌と言うほど言われたが、流石に今ばかりは同意する。てか寝たい。身体がダルい。
「それでは、私からの用件…というかお願いをしたいのだが、よろしいだろうか…」
ルトが非常に言いにくそうにそう切り出した。
「えぇ…今じゃなきゃ不味いのか?大至急じゃなきゃまた後日、食堂ででもいい」
「いや!食堂では不味い!!」
急に立ち上がって叫ぶルト。
「お願いだ!!タイミング的に今しかない!話だけでいい!聞いてくれないか!?」
「…チッ、なら手短に頼む」
『お前も大概お人好しだよな』
いや、これは単に後からまた来られたりしても面倒だから。それぐらいならここで済ませちまった方がいい。
『なるほど』
「そ、その…なんだ。えっと…」
「んだよ、早く言えよ」
手短に、って言ったよな?
「ま、待ってくれ。いざとなると心の準備が…」
「なら、準備出来たらまた今度来てくれねぇ?」
結構睡魔が…。
「わかった!今すぐ言おう!」
「おう、早くな」
くぁ、とあくびしながらそう返す俺。
「よし、ふぅ…」
ルトが一度深呼吸し、俺を真っ正面から見据える。
「その、あなたが好きだ。もし良ければ私と婚約を結んでくれないだろうか?」
………。
……。
『──レィア』
…ん?なんだ?シャル。
『その銀剣をどうするつもりだ?』
ちょっと煌覇を撃とっかなー、って。
『ふむ。………血呪も使うか?』
乗り気じゃねぇか。止めねぇのかよ。
『むしろヤっちゃえ。っていうか殺っちゃえ』
同意する。非常に。そりゃあもう。
痛みを訴える身体の事すらすっぽり思考から抜け落ち、思わず大絶叫しながら剣を掴み、さらに全力で振り抜く。
「《煌覇》アアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
悲鳴を多分に含んだ戦技が繰り出され、多分、史上最高の威力が出た。
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