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本編
移動と作成
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と言うわけでコネクタ部分作ってきました。作業工程は全カットで。
いや、というのも何を言えばいいのか分からんかったからなのだが。
実際に手を動かしたのはもちろん俺なのだが、何故これが出来上がって、これがどういう意味を持つのかがさっぱりわからん。
アーネに説明してくれと言ったが、説明の必要になる前提知識が完全に魔法寄りの話でちんぷんかんぷんだったために諦めた。
ともかく、完成したパーツはおよそ八つ。二つで一対、義肢と生身の間につけるものらしい。これが身体が発する指向性?を持った魔力を通す事によって、なんかよくわからん作用の結果、思った通りに手足が動くらしい。
そのため、何度もパーツ同士がキチンと隙間なくくっつくかチェックした。義肢そのものが壊れたら文句言いながら直すけど、このパーツが壊れたら俺は正直直すのを断るかもしれん。それぐらい面倒だった。
あとはこのコネクタから出る魔力に反応するパーツを義肢に組み込めば動くようになるらしい。この部分はアーネが何とかしてやってくれるそうで、俺からしたら非常に助かる話だったりする。
そんな訳で、ようやく義肢の制作に取り掛かる。ちなみに素材の方は部屋と厩舎を四往復して全部運んだ。
「にしてもこれだけの素材…全て使うんですの?」
「あぁ」
と言っても、流石に信じられないと言った顔のアーネ。
まぁ、確かにたった四つの義肢を作るためだけに小山のような材料を消費するとはそう思いにくいのか。
例えば──そうだな。
「今からセラの右腕を作る訳だが、まず先に仕込み盾から作る。木を削って形を作り、外から甲殻を貼り付け。裏側は飛び出し機構のあれこれに衝撃吸収のバネ。これだけで素材を二十二種類使う」
「多くありませんの?」
「盾はまだ単純だから少ない。これが斧だと三十八種類使うし、そもそも義肢本体が六十種類ぐらい使って出来上がる物だし」
「えっと…なぜそんなに?」
「斧はなぁ…基本的に重さで叩き割る武器だってのに、義手は重すぎたらダメっていうそもそもの前提が噛み合ってないせいで一番苦労した。だから刃の中にちょいと変わったものを仕込むんだが…これが魔獣だのなんだのの複合素材だから結構素材食うんだよな。おかげで右腕の義手は別に硬度上げにゃならんくなった。手足そのものは単純に消耗が早いから、少しでも長持ちさせるために色んな強化をあちこちに施しまくってるからだな。特に間接と筋肉箇所が傷みやすいからそれを──」
「………。」
いかん、アーネがすげぇどうでもいいって感じの顔になり始めてる。
「ま、まぁ、要は一から作るのは大変って事。ましてや戦闘中に壊れるような代物だと不味いってのは分かるだろ?」
「えぇ。それはよく分かりますわ」
あと何より、共通して使う材木が一番邪魔で大きい。
が、こればっかりは仕方ない。一番壊れやすいし、一番使うし、何より一番試しやすいのだ。
「んじゃ、早速取り掛かるか」
ここから不眠不休で取り掛かって、謹慎明けても学校を休みつつ仕上げた義肢は、およそ五日間かかりましたとさ。
いや、というのも何を言えばいいのか分からんかったからなのだが。
実際に手を動かしたのはもちろん俺なのだが、何故これが出来上がって、これがどういう意味を持つのかがさっぱりわからん。
アーネに説明してくれと言ったが、説明の必要になる前提知識が完全に魔法寄りの話でちんぷんかんぷんだったために諦めた。
ともかく、完成したパーツはおよそ八つ。二つで一対、義肢と生身の間につけるものらしい。これが身体が発する指向性?を持った魔力を通す事によって、なんかよくわからん作用の結果、思った通りに手足が動くらしい。
そのため、何度もパーツ同士がキチンと隙間なくくっつくかチェックした。義肢そのものが壊れたら文句言いながら直すけど、このパーツが壊れたら俺は正直直すのを断るかもしれん。それぐらい面倒だった。
あとはこのコネクタから出る魔力に反応するパーツを義肢に組み込めば動くようになるらしい。この部分はアーネが何とかしてやってくれるそうで、俺からしたら非常に助かる話だったりする。
そんな訳で、ようやく義肢の制作に取り掛かる。ちなみに素材の方は部屋と厩舎を四往復して全部運んだ。
「にしてもこれだけの素材…全て使うんですの?」
「あぁ」
と言っても、流石に信じられないと言った顔のアーネ。
まぁ、確かにたった四つの義肢を作るためだけに小山のような材料を消費するとはそう思いにくいのか。
例えば──そうだな。
「今からセラの右腕を作る訳だが、まず先に仕込み盾から作る。木を削って形を作り、外から甲殻を貼り付け。裏側は飛び出し機構のあれこれに衝撃吸収のバネ。これだけで素材を二十二種類使う」
「多くありませんの?」
「盾はまだ単純だから少ない。これが斧だと三十八種類使うし、そもそも義肢本体が六十種類ぐらい使って出来上がる物だし」
「えっと…なぜそんなに?」
「斧はなぁ…基本的に重さで叩き割る武器だってのに、義手は重すぎたらダメっていうそもそもの前提が噛み合ってないせいで一番苦労した。だから刃の中にちょいと変わったものを仕込むんだが…これが魔獣だのなんだのの複合素材だから結構素材食うんだよな。おかげで右腕の義手は別に硬度上げにゃならんくなった。手足そのものは単純に消耗が早いから、少しでも長持ちさせるために色んな強化をあちこちに施しまくってるからだな。特に間接と筋肉箇所が傷みやすいからそれを──」
「………。」
いかん、アーネがすげぇどうでもいいって感じの顔になり始めてる。
「ま、まぁ、要は一から作るのは大変って事。ましてや戦闘中に壊れるような代物だと不味いってのは分かるだろ?」
「えぇ。それはよく分かりますわ」
あと何より、共通して使う材木が一番邪魔で大きい。
が、こればっかりは仕方ない。一番壊れやすいし、一番使うし、何より一番試しやすいのだ。
「んじゃ、早速取り掛かるか」
ここから不眠不休で取り掛かって、謹慎明けても学校を休みつつ仕上げた義肢は、およそ五日間かかりましたとさ。
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