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本編
混沌と混乱
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現在の部屋の様子はかなり混沌としていた。
まず、ユーリアがいつもなら絶対にしないような赤面で視線を中々こっちに向けようとせず、それでいて時折上目遣いでこちらを見つつ常に居心地悪そうにしている。
これだけで正直少し…いやかなり気持ち悪いのだが、問題は同居人の方。
ユーリアに負けず劣らず顔を真っ赤にして、ぶっ壊れたゴーレムか何かのように「あわわわ」だの「にょほほほほ」だの訳の分からない言葉を口から発し、初めて会った時のように魔力が辺りに撒き散らされ、軽い放電のような、或いは火花のようなものが空気を打っていた。
しかも気の所為か頭から湯気まで上がってないか?大丈夫かコレ?
最終的に黙りこくって泣きそうな顔で俺とユーリアを見比べ始めた。どうしろと。
いや、本当にどうしろと。
『………婚約──結婚の約束をすること、またその約束の事だ。つまり婚約者ってのは、平たくいえば「私と将来結婚してください」って事だな』
ほーん。あまりにも勇者に縁がない言葉すぎて知らなかったわ。シャル、ありがとさん。
『普通なら勇者でも知ってる事だが、お前はそう言うのから特別遮断されてたからな。そんな事だろうとは思っていた』
んじゃ、なんでユーリアがその事を報告したらアーネが慌ててんだ。ああなったアーネなんて初めて見るぞを
『そりゃアレだ…色々あんだよ』
ふーん?まぁいいか。
『えっ、いいかってお前まさか』
「ユーリア、別にいいぞ」
「へっ?」
「っ…!」
『おまっ!』
なんだお前らその反応は。
別に俺からしたら断る理由もないし、ユーリアがしたいって言うなら友人として叶えられる範疇だ。問題は無いだろう。
『いやなぁ!お前なぁ!だってなぁ!ちょっと後で説教な!』
ここまでキャラブレてるシャル見るの初めてかも。
『うーん、レィアくん…ちょっと君、常識欠如し過ぎてない?あと、俺からもちょっと言うことあるから後で話そっか』
レイヴァー居たのか!?と言うかお前からもかよ。
『うん、割と重要なことだから』
「あん?なんでお前部屋出ていこうとしてんの?アーネ」
「いやあのそのアーネ悪い!だが二人とも待ってくれ!まさか快諾されるとは思ってなかったんだ!ほら、レィアの性格から要件を先に言えって言われると思ってたし、あえてそうしただけなんだ!だからちょっと待って待ってアーネ出ていかないで!!」
『ほら見ろ、お前があまりに想定外の反応するからアーネどころかユーリアまで焦ってんじゃねぇか。馬鹿』
そんな悪い事したっけ…?
『「したわ!!」』
「おっと…なんかごめん…?」
思わず口から出ていたらしい。シャルとユーリアの両方からかなりキレ気味にそう言われた。
なんとか部屋から出ていくのをユーリアに力づくで止められたアーネだが、何故かこちらの方を向いてくれない。部屋の隅で枕を抱き、顔を押し付けるようにしてうずくまってしまった。
「とりあえず話を最後まで聞いてくれ、レィア、あとアーネも。事の発端は春休みの最中、私の家での事だった」
あ、これ話長くなるやつだ。そう言う意味ではユーリアの判断は正解──
『結果はかなり地獄だったけどな。主にお前の判断のせいで』
え?やっぱ俺が悪いの?
『言ってないで話聞け。重要だろうが』
あっはい。
まず、ユーリアがいつもなら絶対にしないような赤面で視線を中々こっちに向けようとせず、それでいて時折上目遣いでこちらを見つつ常に居心地悪そうにしている。
これだけで正直少し…いやかなり気持ち悪いのだが、問題は同居人の方。
ユーリアに負けず劣らず顔を真っ赤にして、ぶっ壊れたゴーレムか何かのように「あわわわ」だの「にょほほほほ」だの訳の分からない言葉を口から発し、初めて会った時のように魔力が辺りに撒き散らされ、軽い放電のような、或いは火花のようなものが空気を打っていた。
しかも気の所為か頭から湯気まで上がってないか?大丈夫かコレ?
最終的に黙りこくって泣きそうな顔で俺とユーリアを見比べ始めた。どうしろと。
いや、本当にどうしろと。
『………婚約──結婚の約束をすること、またその約束の事だ。つまり婚約者ってのは、平たくいえば「私と将来結婚してください」って事だな』
ほーん。あまりにも勇者に縁がない言葉すぎて知らなかったわ。シャル、ありがとさん。
『普通なら勇者でも知ってる事だが、お前はそう言うのから特別遮断されてたからな。そんな事だろうとは思っていた』
んじゃ、なんでユーリアがその事を報告したらアーネが慌ててんだ。ああなったアーネなんて初めて見るぞを
『そりゃアレだ…色々あんだよ』
ふーん?まぁいいか。
『えっ、いいかってお前まさか』
「ユーリア、別にいいぞ」
「へっ?」
「っ…!」
『おまっ!』
なんだお前らその反応は。
別に俺からしたら断る理由もないし、ユーリアがしたいって言うなら友人として叶えられる範疇だ。問題は無いだろう。
『いやなぁ!お前なぁ!だってなぁ!ちょっと後で説教な!』
ここまでキャラブレてるシャル見るの初めてかも。
『うーん、レィアくん…ちょっと君、常識欠如し過ぎてない?あと、俺からもちょっと言うことあるから後で話そっか』
レイヴァー居たのか!?と言うかお前からもかよ。
『うん、割と重要なことだから』
「あん?なんでお前部屋出ていこうとしてんの?アーネ」
「いやあのそのアーネ悪い!だが二人とも待ってくれ!まさか快諾されるとは思ってなかったんだ!ほら、レィアの性格から要件を先に言えって言われると思ってたし、あえてそうしただけなんだ!だからちょっと待って待ってアーネ出ていかないで!!」
『ほら見ろ、お前があまりに想定外の反応するからアーネどころかユーリアまで焦ってんじゃねぇか。馬鹿』
そんな悪い事したっけ…?
『「したわ!!」』
「おっと…なんかごめん…?」
思わず口から出ていたらしい。シャルとユーリアの両方からかなりキレ気味にそう言われた。
なんとか部屋から出ていくのをユーリアに力づくで止められたアーネだが、何故かこちらの方を向いてくれない。部屋の隅で枕を抱き、顔を押し付けるようにしてうずくまってしまった。
「とりあえず話を最後まで聞いてくれ、レィア、あとアーネも。事の発端は春休みの最中、私の家での事だった」
あ、これ話長くなるやつだ。そう言う意味ではユーリアの判断は正解──
『結果はかなり地獄だったけどな。主にお前の判断のせいで』
え?やっぱ俺が悪いの?
『言ってないで話聞け。重要だろうが』
あっはい。
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