大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

種族と防具

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さっきの戦闘訓練、結果はリーザが戦技アーツ…確か、《型破り》だったか?あの戦技アーツでハンターエイプの両腕を切り飛ばし、ラウクムくんが戦鎚で《アースクエイク》という強力な一振りを繰り出し、ハンターエイプの頭蓋を叩き割り、そのまま地面を揺らした。
今日は負傷者が多かったから少し弱めの魔獣にしたんだろう。ほかの班も結構簡単に倒してたし。
さて、夕食まで暫く時間があるので、早速ラウクムくんの部屋にお邪魔して、仕上げてしまおう。
「という訳で来たけど…ここ何処?」
「え?僕の部屋だけど…」
どうかした?と聞いてくるラウクムくん。
いやいやいやいや…。
「あのゴミ屋敷一歩手前引いて二歩進んだぐらいの部屋は?」
「それ、完全にゴミ屋敷って言ってるよね?…折角だから、部屋を掃除したんだよ。片付けないと狭くて仕方なかったしね」
何が折角なのかわからないが、ラウクムくんの部屋に来させて貰ったのは理由がある。
「えーっと、あったあった。これを借りたかったんだよ」
俺が引っ張り出したのは二十センチ四方ぐらいの箱。それをあちこち弄ると、一気に巨大化。
実はコレ、超コンパクトサイズの炉だったりする。
おぉ、小さいのに結構上等な設備。
「レィアさん、何で僕の部屋にこれがあるってわかったの?」
チャキチャキと用意を進めながら、俺はそれに応える。
「んー?ラウクム、こないだ下級貴族の子供って言ってただろー?で、まず大貴族はないってことで、妖精種フェアリー獣人種ビーストマン巨人種ジャイアント槌人種ドワーフ。このどれかだ。んでもって、妖精種フェアリー獣人種ビーストマンはまず無い」
「どうして?」
妖精種フェアリーは確か全体的に小さい種族なんだろ?なら俺よりデカいラウクムはありえないし、そもそも妖精種フェアリーは非力で、魔法ぐらいしか戦闘方法がないってんだろ?戦鎚なんかぶん回せねぇし、獣人種ビーストマンは俊敏性を主に活かす種族らしいからな。槌使うぐらいなら小さいナイフでも持ってるだろうし、最悪素手で戦いそうだ。そうなると、残りは巨人種ジャイアント槌人種ドワーフ。少し迷ったけど、巨人種ジャイアントは身長が二メートルを超えることが多いらしいし、特徴的なのがその怪力。その戦鎚なら、片手で持ち上げるか、その数倍デカイのをぶん回してるだろ。だから、消去法でラウクムは槌人種ドワーフだ。違うか?」
「…正解」
「で、槌人種ドワーフと言えば聖剣を打ったりだとか、とにかく武器防具に携わるって話が有名だ。俺が森にいてもそんな話を知っていたぐらいだしな。となれば、言っちゃ悪いが槌人種ドワーフの端くれであっても炉ぐらいはあるかと予想はついてたし、前に部屋に来た時、それっぽいものがあったからな」
よし、準備は出来た。
「さて、そんな槌人種ドワーフの端くれでも知りたいような技術なのかは知らんが…改造、見ていくか?」
アンガーアントの外骨格とキマイラの骨、アラクネの糸、それぞれを取り出してそう聞いた。
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