185 / 2,022
本編
骨折と我流
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という訳で、一日…というか残り半日か。ともかく、それぐらいのあいだは片腕骨折のまま過ごすこととなった。
今は先生が何処からともなく取り出した白布で腕を吊っている。
で、その先生は今、負傷した生徒に回復魔法をかけつつ、歩ける程度に治した後は保健室に送っている。
そのため、このフィールドの片付けは勝った三班に押しつけられた。
まぁ、アンガーアント死骸×百以上とかになっているので、三班で片付けても足りないぐらいなのだが…。
そして俺は、スキルの関係で右利き左利きとか無い…というか、足でも遜色ない動きが出来るし、髪の毛という裏技もある。
そして言われるままにつけられたこれらだが…。
「なぁ、この添え木って意味あるのか?」
「それがないと骨が傷んじゃうしね。くっつけるときも歪んだりすると、回復魔法じゃ治せないし」
「なるほど」
ラウクムくん、説明ありがとう。
「つまり、骨が傷まず、歪まなければ無くとも構わないんだな?」
「まぁ、そうだねぇ…」
正直、これがあると『私、怪我人です!』みたいですごく嫌。そして周りの『なんで回復魔法使わないの?』っていう視線がな…。
そんなわけで、添え木と白布を剥がす。
「ちょっと貴女!それを外さないでくださいまし!」
すかさずアーネの怒声が飛んできた。監視とかされてないよな?
「わーってるよ!要は骨が保護されてりゃ良いんだろ?」
なら、簡単だ。
流石に腕から血が出たとかならどうしようも無いが、骨折ならやれる事はいくつかある。
まずは五分間だけのタイムリミットをつけて痛覚遮断。これでどんな無茶をしても痛くはない。腕の中でものが蠢く気持ち悪い感覚があるだけだ。
まず、腕の中で完全に折れた骨をパズルのようにはめ込み、破片一つひとつでさえも、一切の余分を出さずに繋ぐ。…まぁ、くっついてはいないが。
そして更に、内出血により腫れ上がった箇所は血管が破れているが…血がそっちの方に流れないようにコントロール。そうすることで血が溜まることも無いだろう。
念のため、あとから補強(?)をするが。
「えーっと、骨はズレたりしたら不味いんだよな?」
「…今なんだかゴキゴキって言うありえない音と共に腕が膨らんだりしてたんだけど…何が起きてるの?」
「説明は後だな。まだ終わってないし」
次は…固定だな。
髪が独りでに三本抜け、俺の左の人差し指にクルクルと巻き付く。
「あー、アーネ、なんか手軽な刃物ある?」
無言で例のダガーが飛んできた。怖い怖い。
そのダガーを左手で逆手に持ち、折れた箇所の少し上と下を深めに切る。
太めの血管を切らないように細心の注意を払う。
「ちょっと!」
「黙ってろ」
流石に深すぎた気がしないでもないが…まぁ浅いよりかいいか。
下の切り込みからさっきの髪の毛三本を中に通し、骨を固定させ、破れた血管を軽く補強。上の切り込みから髪の端を出す。
肘と手首に髪を巻き、髪を固定する。
切れ込みは皮膚が伸びて塞がるイメージで塞いだ。くっついてはいないけどな。
これで見た感じは一切怪我したようには見えないハズだ。
よし、完璧っと。
「ほら、これでいいだろ?」
何故か二人に呆れられた。
今は先生が何処からともなく取り出した白布で腕を吊っている。
で、その先生は今、負傷した生徒に回復魔法をかけつつ、歩ける程度に治した後は保健室に送っている。
そのため、このフィールドの片付けは勝った三班に押しつけられた。
まぁ、アンガーアント死骸×百以上とかになっているので、三班で片付けても足りないぐらいなのだが…。
そして俺は、スキルの関係で右利き左利きとか無い…というか、足でも遜色ない動きが出来るし、髪の毛という裏技もある。
そして言われるままにつけられたこれらだが…。
「なぁ、この添え木って意味あるのか?」
「それがないと骨が傷んじゃうしね。くっつけるときも歪んだりすると、回復魔法じゃ治せないし」
「なるほど」
ラウクムくん、説明ありがとう。
「つまり、骨が傷まず、歪まなければ無くとも構わないんだな?」
「まぁ、そうだねぇ…」
正直、これがあると『私、怪我人です!』みたいですごく嫌。そして周りの『なんで回復魔法使わないの?』っていう視線がな…。
そんなわけで、添え木と白布を剥がす。
「ちょっと貴女!それを外さないでくださいまし!」
すかさずアーネの怒声が飛んできた。監視とかされてないよな?
「わーってるよ!要は骨が保護されてりゃ良いんだろ?」
なら、簡単だ。
流石に腕から血が出たとかならどうしようも無いが、骨折ならやれる事はいくつかある。
まずは五分間だけのタイムリミットをつけて痛覚遮断。これでどんな無茶をしても痛くはない。腕の中でものが蠢く気持ち悪い感覚があるだけだ。
まず、腕の中で完全に折れた骨をパズルのようにはめ込み、破片一つひとつでさえも、一切の余分を出さずに繋ぐ。…まぁ、くっついてはいないが。
そして更に、内出血により腫れ上がった箇所は血管が破れているが…血がそっちの方に流れないようにコントロール。そうすることで血が溜まることも無いだろう。
念のため、あとから補強(?)をするが。
「えーっと、骨はズレたりしたら不味いんだよな?」
「…今なんだかゴキゴキって言うありえない音と共に腕が膨らんだりしてたんだけど…何が起きてるの?」
「説明は後だな。まだ終わってないし」
次は…固定だな。
髪が独りでに三本抜け、俺の左の人差し指にクルクルと巻き付く。
「あー、アーネ、なんか手軽な刃物ある?」
無言で例のダガーが飛んできた。怖い怖い。
そのダガーを左手で逆手に持ち、折れた箇所の少し上と下を深めに切る。
太めの血管を切らないように細心の注意を払う。
「ちょっと!」
「黙ってろ」
流石に深すぎた気がしないでもないが…まぁ浅いよりかいいか。
下の切り込みからさっきの髪の毛三本を中に通し、骨を固定させ、破れた血管を軽く補強。上の切り込みから髪の端を出す。
肘と手首に髪を巻き、髪を固定する。
切れ込みは皮膚が伸びて塞がるイメージで塞いだ。くっついてはいないけどな。
これで見た感じは一切怪我したようには見えないハズだ。
よし、完璧っと。
「ほら、これでいいだろ?」
何故か二人に呆れられた。
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