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本編
怒蟻と戦闘
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怒蟻、別名は蟻憤。
元々の大きさは普通の蟻より少し大きくて厳つい程度の蟻で、放置しておく分には普通の蟻と何ら変わらない。
だが、例えば何かの拍子に仲間の蟻を踏み潰してしまったりだとか、敢えて水をかけたりだとか…ともかく、仲間の蟻を殺してしまった時に、その蟻の姿は豹変する。
タダでさえ厳つかった顔はさらに凶暴になり、体長がどんどん大きくなる。
当然、その大きさに比例して、筋力や頑丈さも馬鹿にならない程強くなっていく。おまけに生命力も中々強い。
つまり。
「なんで既にキレてんだよ!」
目の前のドデカい穴からワラワラと出てくるアンガーアントは明らかにブチ切れているってことで。
そして、一番危険なのは。
「アーネ!クアイ!リーザの後ろに隠れろ!」
この二人。
アンガーアントは仲間を殺した者から狙うが、万が一捕捉できなかった場合、一番強い者…つまり、魔力の多い者を狙う傾向にある。
当然、魔法なんて準備した途端にフルボッコ。
「リーザとラウクムは二人を蟻から守りつつ、アーネとクアイは小技で蟻を狙え!但し火は使うな!燃え広がる!」
俺はそう言いながら金剣を取り出す。
目の前の穴からはワラワラと未だ衰える気配はなく次から次へとアンガーアントが出てくる。
「レィアさんは!?」
ラウクムくんの焦りを多く含んだ声。
「俺はお前らと逆側から蟻を潰しにかかる!挟み撃ちだ!」
そう言ったのが先だったか、それとも動いた方が先だったか。
金剣の力で軽くなった身体は、アンガーアントに捕まることなく穴のすぐそばへ駆けることを容易にし、挟み撃ちの形を取る。
過去に森に襲撃をしてきたことがあるって事は、コイツらは向こう側の魔獣、油断は出来ないし、する気も当然ない。
「あぎゃああぁっ!」
隣のフィールドから、別の班の誰かが叫び声を上げる。
咄嗟にそっちの方を見ると、巨大な盾と剣を持っている男の左腕、肘のあたりが明らかに不味い色と向きになっていた。
アンガーアントは毒や魔法を使わないが、その尋常じゃない膂力は、過去にナナキの義足すらへし折ったのだ。
もしもフィールドがなければ、彼の腕は無くなっていただろう。
「ラウクム!リーザ!絶対に近づけさせるなよ!一撃で骨が折れる!」
目の前に湧いて出たアンガーアントを金剣で殴りながら、そう警告を飛ばした。
しかし、少し遅かったらしく、既に囲まれている。
奮戦しているもののリーザが全力を出し切れていない…間合いが広すぎて、射程内にラウクムくんがいるのか!
それに、魔法使い二人があっちにいるのだ、ある意味当然の結果とも言える…。
「わかった!ラウクムくん、キミは少し離れてて!」
「え?なんで!」
「じゃないと巻き添え食らうからでしょ!吹き飛ばすよ!」
リーザがそう言った途端、彼女が持っている槍が赤く輝く。
「全員伏せて!」
リーザは全員が伏せたことを確認する余裕もないようで、そのまま戦技を放つ。
「《破落戸シリーズ 其の一》ッ!」
あろう事か、彼女は自身の身長の約二倍の槍を片手で持ち、真横に…振り抜いた!
「《型破り》!」
元々の大きさは普通の蟻より少し大きくて厳つい程度の蟻で、放置しておく分には普通の蟻と何ら変わらない。
だが、例えば何かの拍子に仲間の蟻を踏み潰してしまったりだとか、敢えて水をかけたりだとか…ともかく、仲間の蟻を殺してしまった時に、その蟻の姿は豹変する。
タダでさえ厳つかった顔はさらに凶暴になり、体長がどんどん大きくなる。
当然、その大きさに比例して、筋力や頑丈さも馬鹿にならない程強くなっていく。おまけに生命力も中々強い。
つまり。
「なんで既にキレてんだよ!」
目の前のドデカい穴からワラワラと出てくるアンガーアントは明らかにブチ切れているってことで。
そして、一番危険なのは。
「アーネ!クアイ!リーザの後ろに隠れろ!」
この二人。
アンガーアントは仲間を殺した者から狙うが、万が一捕捉できなかった場合、一番強い者…つまり、魔力の多い者を狙う傾向にある。
当然、魔法なんて準備した途端にフルボッコ。
「リーザとラウクムは二人を蟻から守りつつ、アーネとクアイは小技で蟻を狙え!但し火は使うな!燃え広がる!」
俺はそう言いながら金剣を取り出す。
目の前の穴からはワラワラと未だ衰える気配はなく次から次へとアンガーアントが出てくる。
「レィアさんは!?」
ラウクムくんの焦りを多く含んだ声。
「俺はお前らと逆側から蟻を潰しにかかる!挟み撃ちだ!」
そう言ったのが先だったか、それとも動いた方が先だったか。
金剣の力で軽くなった身体は、アンガーアントに捕まることなく穴のすぐそばへ駆けることを容易にし、挟み撃ちの形を取る。
過去に森に襲撃をしてきたことがあるって事は、コイツらは向こう側の魔獣、油断は出来ないし、する気も当然ない。
「あぎゃああぁっ!」
隣のフィールドから、別の班の誰かが叫び声を上げる。
咄嗟にそっちの方を見ると、巨大な盾と剣を持っている男の左腕、肘のあたりが明らかに不味い色と向きになっていた。
アンガーアントは毒や魔法を使わないが、その尋常じゃない膂力は、過去にナナキの義足すらへし折ったのだ。
もしもフィールドがなければ、彼の腕は無くなっていただろう。
「ラウクム!リーザ!絶対に近づけさせるなよ!一撃で骨が折れる!」
目の前に湧いて出たアンガーアントを金剣で殴りながら、そう警告を飛ばした。
しかし、少し遅かったらしく、既に囲まれている。
奮戦しているもののリーザが全力を出し切れていない…間合いが広すぎて、射程内にラウクムくんがいるのか!
それに、魔法使い二人があっちにいるのだ、ある意味当然の結果とも言える…。
「わかった!ラウクムくん、キミは少し離れてて!」
「え?なんで!」
「じゃないと巻き添え食らうからでしょ!吹き飛ばすよ!」
リーザがそう言った途端、彼女が持っている槍が赤く輝く。
「全員伏せて!」
リーザは全員が伏せたことを確認する余裕もないようで、そのまま戦技を放つ。
「《破落戸シリーズ 其の一》ッ!」
あろう事か、彼女は自身の身長の約二倍の槍を片手で持ち、真横に…振り抜いた!
「《型破り》!」
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