大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

戦技と考察

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「いいか?レィア?戦技アーツってのは、旧クラスなら大体一人三つから五つ程度、三年生とかの化物級でも戦技アーツは十個もあれば超優秀、英雄だって二十あるかどうかって言われてるんだ」
…。
「そして、ほとんどの戦技アーツは、人から教わり、外から見てもらって、より早くその戦技アーツを習得できるんだ。…一から戦技アーツを作れなくは無いけど、一つ作るだけで二、三年かかることもザラ。そんな事をするよりも人から学んだ方が圧倒的に早く身につくんだ。…君の話を信じるなら、君は常識的に考えて五十歳や六十歳ぐらいのほぼ仙人みたいな人だよ」
…ちょいまて。
「てことはなんだ?戦技アーツは身体に染み込ませて、寝ながらでも無意識に撃てるほど完璧にする必要はないのか?」
「「最初に反応するのがそこぉ!?」ですの!?」
いや、だってそこまでして初めて戦技アーツは完成だってナナキに言われたし。
「そこまで来たら、わざわざ戦技アーツの名前を呼ぶ必要無いレベル…一つの戦技アーツがそのレベルに達するまで、五年ってのが普通なんだが…」
…なんでだ?
あぁ、そうか。
「多分、俺のスキルが関係してるんだな」
そう言うと、アーネは納得してくれたが、ユーリアは首を捻った。
「えーっと、俺のスキルってのが、『自分の身体を自由に思った通りに動かす』っていうスキルなんだが、多分これで無駄が少なくなって、最高の威力が出るまでが比較的簡単になった…んだと思う。ちなみに一つマスターするまで、大体一週間ぐらいだった。…どうした?」
「いや、よくそのスキルでこの学校に来たな、と思ってな…」
…?そうか?
「ここは学校と言っても、いつ死んでもおかしく無いようなところだからな。スキルがもっと攻撃的な人ばっかりだから。…教えて貰ったから私もお返しで教えるが、私のスキルは、『相手に対象を認識させない』というスキルだ。これでもかなり地味な方だけどね」
そういう事か。
それだったら、クアイちゃんとかはもっと攻撃的じゃないけどな。
まぁ、それはそれか。
「ふーん、なら、思った以上に戦技アーツの習得が早くなりそうだな…」
寝ながらでも出すレベルまで練習しなくていいなら、少し楽になりそうだ。
「おいおい、まだ増やすのか?」
ユーリアが呆れて返す。
「ん?あぁ、一つ、二つほど習得しなきゃいけない戦技アーツが増えたんだよな…」
ただ、《征断せいだん》を習得する為には、かなりの攻撃力が…ん?
「なぁなぁ、ユーリア、ついでにアーネ」
「ん?なんだ?」「ついでにってなんですの!」
「お前ら、俺と模擬戦しねぇ?」
二人が目を丸くして、顔を見合わせた。
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