102 / 2,022
本編
夢と起床
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…なんか夢を見た気がする…。
誰だか顔もわからないのに、何故か微笑んだことがわかるし、そのことが何故か心の底から嬉しかったし、笑ったのが作り笑顔だということが心のどこかでわかり、それ以上に虚しい気持ちにさせた。
はて、いつだったかにまた夢でも見ていたような気がしないでもないが…まぁ、夢なんて特に意味もないものか。
「んぅ?」
「ん?あ、起きた?」
目を開けると、ナナキが部屋に入ってきていた。
…あぁ、そうか。ついこの前、コイツにぶっ壊されたから鍵も糞もないのか。
んでもって自分の隣にはアーネ。
………あぁ、部屋割り。
昨日は寝てなかったから関係なかったけど、自分が先に寝てたから後から入ったのか…。
正直、狭いから床で寝てて欲しかった。
「あぁ、起きたよ。朝っぱらから家族に学校の友達とのベッドシーンを覗かれて、最悪の気分だ」
「え、レィアってその子とデキてるの?」
「んな訳あるか!冗談だよ。コイツとは入学してからずっと、仲は悪いまんまだ。こっちも嫌いだし、アーネも自分の事を嫌いだろうよ」
「えー?」
なんだ、その目は。
「嫌いだったら、構うことすらしないで、ひたすら無視したりするよ?普通は。第一、昨晩だって、キミをたたき落としてベッドに入ったり出来るでしょ?」
…そういやそうだな。
あれ?じゃあ、アーネは自分の事を嫌ってないのか?
「みなさーん!起きてくださーい!朝ですよー!」
丁度、起床時刻となったようだ。
自分の隣でも、もぞもぞと動く気配がする。
「……ボク、先に下行ってくるね…」
なんか自分とアーネをジトっと見た後、ゆっくりと下へと降りていった。
いい加減、こっちも起こして降りなければ。
「ほらアーネ、朝だぞ。起きろ」
「…あと一分…」
…一分程度ならいいか。
今のうちに着替えを済ませておく。
引き出しから、新しいシャツとズボンを取り出し、それらを着た後、いつもの真っ黒なコートを上から羽織る。
と、丁度そのタイミングで起きたようだ。
「よう、起きたか?」
「…最悪の目覚めですの…」
髪はボッサボサ、口元には涎のあとがついているし、まだ半眼で、かなり眠そうだ。
「何がだ?」
「朝最初に見たのが貴女だなんて…」
こいつ、ぶん殴ってやろうか。
「はいはい、わかったわかった。先生が朝だって言ってるぞ。起床時刻だ」
「…わかりぃ…ましたのぉ…」
ベッドに突っ伏しながらそう言うが…絶対にわかってねぇな。
昨日の魔獣との戦いのせいか?
…ふむ、ちょっと実験してみるか。
「アーネ、自分の事って好きか?」
「大ッ嫌いですの」
顔を突っ伏したまま即答された。
…そうか…そこまで断言されると、すこし期待があっただけに結構心に刺さるな…。
突っ伏したままのアーネを放置し、下に降りる。
あそこまでしっかり答えれたなら、そのうち自力で降りてくるだろう。流石に着替えを覗くのも気が引けるしな…。
アーネの耳が真っ赤だったように見えたが、そんなに昨晩は暑かっただろうか?
誰だか顔もわからないのに、何故か微笑んだことがわかるし、そのことが何故か心の底から嬉しかったし、笑ったのが作り笑顔だということが心のどこかでわかり、それ以上に虚しい気持ちにさせた。
はて、いつだったかにまた夢でも見ていたような気がしないでもないが…まぁ、夢なんて特に意味もないものか。
「んぅ?」
「ん?あ、起きた?」
目を開けると、ナナキが部屋に入ってきていた。
…あぁ、そうか。ついこの前、コイツにぶっ壊されたから鍵も糞もないのか。
んでもって自分の隣にはアーネ。
………あぁ、部屋割り。
昨日は寝てなかったから関係なかったけど、自分が先に寝てたから後から入ったのか…。
正直、狭いから床で寝てて欲しかった。
「あぁ、起きたよ。朝っぱらから家族に学校の友達とのベッドシーンを覗かれて、最悪の気分だ」
「え、レィアってその子とデキてるの?」
「んな訳あるか!冗談だよ。コイツとは入学してからずっと、仲は悪いまんまだ。こっちも嫌いだし、アーネも自分の事を嫌いだろうよ」
「えー?」
なんだ、その目は。
「嫌いだったら、構うことすらしないで、ひたすら無視したりするよ?普通は。第一、昨晩だって、キミをたたき落としてベッドに入ったり出来るでしょ?」
…そういやそうだな。
あれ?じゃあ、アーネは自分の事を嫌ってないのか?
「みなさーん!起きてくださーい!朝ですよー!」
丁度、起床時刻となったようだ。
自分の隣でも、もぞもぞと動く気配がする。
「……ボク、先に下行ってくるね…」
なんか自分とアーネをジトっと見た後、ゆっくりと下へと降りていった。
いい加減、こっちも起こして降りなければ。
「ほらアーネ、朝だぞ。起きろ」
「…あと一分…」
…一分程度ならいいか。
今のうちに着替えを済ませておく。
引き出しから、新しいシャツとズボンを取り出し、それらを着た後、いつもの真っ黒なコートを上から羽織る。
と、丁度そのタイミングで起きたようだ。
「よう、起きたか?」
「…最悪の目覚めですの…」
髪はボッサボサ、口元には涎のあとがついているし、まだ半眼で、かなり眠そうだ。
「何がだ?」
「朝最初に見たのが貴女だなんて…」
こいつ、ぶん殴ってやろうか。
「はいはい、わかったわかった。先生が朝だって言ってるぞ。起床時刻だ」
「…わかりぃ…ましたのぉ…」
ベッドに突っ伏しながらそう言うが…絶対にわかってねぇな。
昨日の魔獣との戦いのせいか?
…ふむ、ちょっと実験してみるか。
「アーネ、自分の事って好きか?」
「大ッ嫌いですの」
顔を突っ伏したまま即答された。
…そうか…そこまで断言されると、すこし期待があっただけに結構心に刺さるな…。
突っ伏したままのアーネを放置し、下に降りる。
あそこまでしっかり答えれたなら、そのうち自力で降りてくるだろう。流石に着替えを覗くのも気が引けるしな…。
アーネの耳が真っ赤だったように見えたが、そんなに昨晩は暑かっただろうか?
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