大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

班と説明

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「三十人?馬鹿いっちゃいけませんよ。話、聞いてましたか?」
ここで「はい、聞いていませんでした」とはいえないよなぁ…。
「あなた達一班と、あと一班の合計二班のみです」
「え?なんで自分達とあと一つなんですか?」
中途半端にも程があるだろうに。
「まさか学校側に『生徒の防具を取りに行くから出かけます』とは言えませんのでね。しかし、だからといって全ての班で行くのは危険が多すぎますし、運ぶための足もありません。ですから本人のいる一班と、実力のある班の合計二班なのです」
理解したけど…多分、そんなに危険じゃないと思うんだけどなぁ…?
「残りの班は…明日総当りでもして決めますかね」
結構適当に決めるのな。残りの班って。
………。
……。
…。
「だってさ」
「貴女、貧乏だったのですわね」
時と場所は変わって自室の十五号室。場にいるのは、一班のメンバー全員。
外は暗くなり、夕飯も済んだから、みんなにこの話をするために呼んだ。
風呂入ってもいいよ、って言ったらみんな簡単に釣れるんだよなぁ…。
というか。
「第一声がそれとか無いだろう…」
「そうですわね。貴女、無一文だったのですわね」
「いや、アーネさん、それって意味変わってないから」
「にしてもねぇ…レィアの出身ってどこだい?」
「え?王都から見て東の森だけど」
「ふーん。あそこかぁ…」
あれ?ナタリさんだけ反応がみんなと違う。
と思って周りを見てみると、ラウクムくんは聞いていたから特段反応はない。
アーネは口をぱくぱくさせている。あぁ、何言いたいかはわかるから後回しな。
クアイちゃんは…「どこ?そこ?」と言わんばかりにキョロキョロと皆の反応をみてる。
うん、なんとも切り返しにくいな。
「そこってもしかしてくれないの森ですの!?」
「ああうん、アーネ、その話は結構繰り返したからカットでいいか?」
面倒だわ。
「ちょっと!なんでそんなにおざなりなんですの!」
ぎゃいのぎゃいのと騒ぎながら説明して、説得。
ついでにクアイちゃんも状況を理解したっぽい。
「今日集まってもらったのはこれを伝えるためだったんだけど、もう他に質問とか無い?」
みんなが理解したと言ったところで、風呂の時間だが。
「あ、そうだ。ナタリってたしか物の形状変化ができるスキルだったよね?」
「ん?アタイかい?そうだよ?」
「ならさ…溶けて形が変わった床とか直せる?」
「…アンタら…一体全体何したってんだい」
説明するとまた下世話な方に話を転がされそうなので適当に説明しとくか。
「アーネがイライラして爆破したらしい」
「ちょっと!そんなことはしてませんわよ!」
「…違うらしいけど?」
おいやめろ。そのニヤニヤ笑いは一体なんだ。
なんとか誤魔化し、ナタリさんに床を直してもらった。
すっげぇ。このスキルってだいぶ万能だよな。
もちろん男連中は後から入浴。
久しぶりにぐっすり眠れる気がする。
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